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~新郎衣装改革~目指せ単価UP&持込防止!“持ち込みが増えつつあるタキシード”【タキシードアトリエ ロッソネロ 代表&デザイナー 横山宗生氏】
皆さんこんにちは!タキシードアトリエ ロッソネロ代表&デザイナー・横山宗生です。新年度からスタートしましたこの連載。全12回に渡り、新郎衣裳の基礎知識やコーディネート術、提案力アップのノウハウなどをお伝えしていきます。1 年間どうぞよろしくお願い致します。
第1 回目の今号は、新郎衣裳における課題点についてです。タキシードのデザインや製作に約20年関わってきたからこそ見えてきた、ブライダル業界の課題をお伝えしていきましょう。
新郎衣裳は今、変革期真っ只中です。その説明をする前に、皆さんは、フォーマルウェアのタキシードと、“ブライダルタキシード”の違いをご存知でしょうか。まずフォーマルなタキシードは、襟の部分に光沢のある拝絹(ハイケン)と呼ばれるものが必要になり、ショート丈のものを指します。一方でブライダルタキシードは、日本独自のレンタル文化にも耐えられるように作られた、いわば“セレモニースーツ”です。特にデザインのルールはなく、光沢のあるロング丈が主流です。つまり、ブライダルタキシードは婚礼の衣裳店のみで見られるものなのです。一方で、フォーマルタキシードは一般の市場にも出回っており、消費者が直接購入する機会もあるというわけです。SNSの台頭を受けて、オシャレを楽しみたいという新郎も増えてきました。一昔前は、新郎は提携する衣裳店に足を運び“言われるがまま”に衣裳を選んできたわけですが、その時代はもう古い。市場に出回るオシャレなフォーマルタキシードを着たいと思う新郎が増えつつあり、つまりは衣裳の持ち込みが増加するという流れなのです。
では新郎衣裳の持ち込みに対して、式場は何をすべきか。はじめに、提携の衣裳店とそのブランドの強みを知ることが欠かせません。例えば、「タキシードを持ち込みたい。持ち込み料を考えても、提携先で選ぶよりお得なので」と、新郎から言われたとしましょう。衣裳の知識がなければ、「そうでしたか。当会場も提携先の衣裳店がありますので、もしよければ足を運んでみてくださいね」としか言えないはずです。一方で、「提携先の衣裳店は、社歴○年になる専属のフィッターが、お客様に合う1 着を見つけてくれます。披露宴はもちろん、2 次会のコーディネートの相談も受けております。私が自信を持って推薦しますので、ぜひ一度、足を運んでみて下さい!」と言えたらどうでしょうか。一歩踏み込んだ提案をすることで、新郎の満足度もアップしますし、結果として衣裳店に足を運んでくれるはずです。衣裳店の案内は、プランナーだからこそできること。提携先の強みは何かをしっかりと把握することで、持ち込み防止にも繋がってくるでしょう。
次に衣裳店の課題について。昨今では人気のセレクトショップなどが、タキシードの販売に着手しています。そうした衣裳が10万円前後で購入できるようになっており、衣裳店のレンタルタキシードと価格で大差ないわけです。人気ブランドと同じ土俵に立った時、勝負が出来るのか。例えばそこでも、「当店はブライダル専門でやっています。新婦のドレスとのコーディネートは、アパレルブランドにはない強みです。また、結婚式のコンセプトに合った衣裳の提案も当社の強みの1 つです。どうぞ私たちにお任せください」と自信を持って言えるかどうか。こうした提案力は、新郎衣裳の単価アップだけでなく、満足度にも繋がってくるはずです。
ブライダル業界の方々に1 つお伝えしたいのが、結婚式というフォーマルパーティーを扱うわけですから、ぜひとも業界の皆さんにもタキシードを着用してほしいですね。着るからこそタキシードの良さも伝わりますし、レストランなどフォーマルな場はもちろん、着こなしによってはジーンズなどカジュアルなコーディネートも出来るのです。ぜひタキシードのある、豊かなライフスタイルを送ってほしいものです。
次回からは新郎衣裳に関して細かい知識を掘り下げていく予定です。来月も、どうぞお楽しみに。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月1日号)

