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16K3Dカメラで映像制作【セントラルテクノ】
昨年の8月に発売された16Kの3D-VRカメラをいち早く購入し、それを活用してブライダル業界での展開をスタートしたのが、セントラルテクノ(東京都新宿区)だ。ブライダルマーケットではこれまでもVRを新規接客などに活用してきた事例はあるものの、撮影する映像のクオリティ面での課題もあった。16Kという最新の技術を駆使した映像制作によって、より没入感あるシーンを映し出し、ブライダル映像の新たな価値を生み出す。
解像度は4Kの16倍
――簡単に16K 3 Dカメラについて教えてください。
宇山「これまで世の中には、3 D-VRのカメラとしては8 Kまでしかありませんでした。技術の流れとしては、まずAppleが【Apple Vision Pro】のゴーグルを発売すると同時に、アプリイマーシブコンテンツを作り上げたわけですが、当時はApple自らカメラメーカーにオーダーし、専用のカメラを使って映像を撮影していました。昨年の8 月、ようやく世界で初めて実用化された16Kのイマーシブカメラ、【Blackmagic URSACine Immersive】が発売されました。当社としてもそのタイミングでこのカメラを購入。1 台500万円以上しますから、ほかに購入している企業はテレビ、映画、コンサートなどを撮影する制作会社が主です。ディレクターがいて、照明・音声も抱えているようなプロダクションの世界で使われているレベルの最新のカメラということで、それを結婚式に導入しているのは日本でも当社くらいでしょう。」――VRで一般的な4 Kカメラとは、映像クオリティも大きく違うのでしょうか。
宇山「解像度は4 Kの約830万画素に対し、16Kは約1 億3000万画素であり、情報量は16倍になります。涙や肌質までクリアに再現しますし、その場にいる没入感も格段にアップします。また映画制作レベルですから、言ってみれば巨大スクリーン前提の情報量になり、白飛び、黒潰れもありません。例えば、ウエディングドレスの色や会場の陰影もそのまま映し出します。肌色・キャンドルの暖色、会場照明といった色の再現も高く、記憶に近い色を作れます。通常の映像が記録を目的にしているのに対し、映画制作レベルである16K はその画質クオリティによってその場の空気感まで残すことが出来ます。」
――すでにブライダル会場での導入も進んでいるようですが、反応はいかがですか。
宇山「実際に映像を見てもらうと、今まで見たことのないクオリティだと100%感動してもらっています(笑)。導入の際には当社で【Meta Quest 3 S】のゴーグルを置かせてもらい、挙式のシーンなどを写したVR映像を新規顧客のプレゼンに活用するケースもあれば、新たな記録用商品としてVR映像をオプションとして提案していくといった話でも動いています。実際に【Meta Quest】は適齢期世代の男性であればほぼ知っていますし、VRゴーグルをゲームプレイ時などで使ったことがあるという人も増えています。いわばVRゴーグル自体に抵抗のない世代のため、新しい映像の世界観への理解もあり、その点では新規接客時の活用はもちろんのこと、新たな記録用映像として販売していくのはそれほどハードルも高くないでしょう。」
――いわゆる没入感あるイマーシブ映像が、ブライダルにも新たな可能性をもたらすようなイメージですね。
宇山「当社は最新の機材を使いながら、撮影設計、照明設計、編集設計、データ管理と、シネマプロダクション並みの映像制作をしています。記録映像に関しても単なる【見る記録】ではなく、【その場に戻れる体験】を価値として新たに提案していきます。皆さんの思い描いているVRというと、例えば不動産の内見などを考えると思いますが、実際にその映像はパノラマであって、別に3 Dではないわけです。今3 Dで求められているのは没入する映像であり、見るというよりも体感できる映像がイマーシブコンテンツです。つまりいかにその場にいる感じを出す撮り方をするかも大切で、例えばライブの撮影についてもただステージを撮っているだけではそこに没入感はありませんし、それならば3 Dの必要はなくてテレビでも良いとなってしまいます。イマーシブコンテンツとして価値を高めていくためには、ライティングなどの設計をはじめ、シーンを一緒に考えていくなど、顧客別のオーダー的な制作も求められ、その分、打合せも必要になってきます。」
宇山「例えば結婚式の新規接客に活用する際にも、挙式でこんな演出があるといったシーンも含めて体験型にしていきます。単なるチャペルというハードの紹介だけでなく、ここの結婚式はこうだと没入感を持って伝えることが主軸。新規で来館した新郎新婦がVRゴーグルを被った瞬間、そのシーンに瞬間移動するイメージです。それを体験してもらうことで、結婚式の魅力が伝わり、結果としてプランナーの成約の一つの要素を担っていきます。3 Dの本質とは、普通の映像ではなく初めて体験をしているかのような没入感を感じられるかどうかで、それを追求した映像制作によってはじめて、VRの使い方の可能性も広がっていきます。」
――料金については。
宇山「現在はスタートの段階ですので、VRゴーグルのMetaQuest 3 Sを市場価格の4 万5000円で会場に購入してもらい、撮影費は挙式・披露宴合わせて22万円。オプションとしてカメラをもう1 台という場合には、プラス11万円としています。通常は固定一台で十分に撮影できますが、それ以外に2 人の指輪交換などを間近で見れるようにしてほしいといった場合は、2 台構成を薦めています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)

