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BGM確認の膨大な手間【電音エンジニアリング オンサイト事業部エリア統括 伊東 毅氏/東京會舘 常務取締役 星野 昌宏氏】

BGM確認の膨大な手間【電音エンジニアリング オンサイト事業部エリア統括 伊東 毅氏/東京會舘 常務取締役 星野 昌宏氏】

「リスクのある業務負担を解消すればミスの可能性も減少し、プランナーはもちろん、新郎新婦にとっても安心感に繋がる」。結婚式BGMを1曲1曲チェックする手間の解消のために、東京會舘(東京都千代田区)はUSEN(U-NEXT HOLDINGS・東京都品川区)の披露宴BGMシステム【WEDDING MUSIC BOX】を導入。音響費用の単価アップも実現している。運用方法を星野昌宏常務取締役と、同社の音響を担っている電音エンジニアリング(東京都港区)の伊東毅エリア統括に聞いた。

以前は二重でのチェック

―― 披露宴BGMシステム【WEDDING MUSIC BOX】は、2000万曲以上の中から新郎新婦がBGMを選曲、それを現場でiPadを使って流す仕組みです。即導入を決定したそうですね。

星野「導入によって何が変わるのかを正確に理解していれば、即断は当たり前だと思います。もともと当社では、音響打合せをプランナーが担当していました。最終打合せの段階でも、曲の指定やどのタイミングでどう流すかを決めていない人もいれば、とにかく細かい要望を出してくる人も。現場でミスのないよう、持参してもらったCD全てを聞いて、きちんと流れるかチェックするだけでも、膨大な時間が取られていました。さらに万全を期すために、音響会社の電音でも二重の確認。その手間を削減するため、ある段階から電音に打合せ料金を別途お支払いし、BGM業務を一元管理してもらいました。さらに現在は歓談BGMについて、確認作業負担やトラブルを背負うのはあまりにもリスキーなため、ピアノの生演奏をプランに入れています。それでもCD持参の運用であれば、ミスが発生する可能性は出てきます。」

伊東「当社のチェックでも、持ち込んだCDをその場でラジカセにかけ、この曲で合っているかなど新郎新婦と一緒に全て確認しています。ギリギリに持ってくる人も一定数いますし、当日でも大丈夫と考え朝に持ってきて、そうなると順番を変えるなどそれだけミスの可能性も高まってきます。特に東京會舘のように施行の多い会場では、週に20件、1 件当たりCD10枚を一つずつチェックしなければなりませんし、膨大な作業量がかかっていました。」

星野「大事なことは、音響に関するリスクが大幅に減る点。さらに確認という行為が無駄。【WEDDING MUSIC BOX】の話を聞いた時、顧客自身に曲をシステムで登録してもらい、頭出し・サビ出しもシステム内で設定、音が飛んだり流れないといった不安も無くなり、しかも著作権もクリア。膨大な確認作業が解消されるだけでも、大きなメリットだとすぐに考えました。残業代を考慮すれば、こうした確認の工数がゼロになるのは非常に魅力的でしたから。アニメ好きの新郎新婦から、それこそ聞いたことのないCDを60枚持ち込まれたこともありましたし(苦笑)。どんな曲かも分からなければ、確認のしようもない。結婚式の現場を担当したことのある人からすれば、導入は当たり前なはずです。」

――音響のミスは、即クレームに発展します。

伊東「音響は全員の耳に届き、ゲストも一発で分かるため、深刻なトラブルになりやすい。またCDの場合、どちらの責任かも明確に出来ないまま預かったものを無くした、割ってしまったということも出てきます。パッケージと中身が違うことも。傷や汚れが付いていると音飛びの原因になり、それを防ぐためリスクチェッカーに何10枚のCDを通し、エラーを確認します。物が合っているかだけでなく品質チェックも求められ、その上でこのタイミングでいいのかを確認対応しています。」

星野「システム内で顧客自身が視聴し、頭出し、サビ出しなども決定できる。会場側はそれを確認し、しかも秒単位で把握できます。また1 回決めたものはロックされるため、ギリギリに変更の可能性もなくなり、その分準備も簡単になっています。例えば指定した曲について、実はライブバージョンを望んでいたといった声もある中、それもシステムで自分が選ぶだけに責任は無くなります。」

伊東「音楽にこだわった新婦の場合、違った曲をかけてしまいその場で泣かれるということもありますし、そうしたこだわりのある人は一定数います。それを考えれば、念には念を入れての確認は絶対に必要。CD持ち込みでは膨大となるその業務を、システムによって解消できるのは本当に大きいです。」

――それだけ大切だからこそ、【WEDDING MUSIC BOX】導入により利用料を含め音響費をアップしました。

星野「見積もりの上がることに懸念もあるのでしょうが、システム使用料を踏まえ3 万円程度音響費を高めたとしても大して影響はないはず。新規で丁寧に案内すればいいだけです。新郎新婦の立ち場からしても2000万曲以上の中から直接視聴でき、リストやサビ出しなど秒単位の指示を書く手間も不要。直接CDを買う必要もなければ、著作権に関してもクリア。さらに音響のミスも無くなるシステムですと説明すれば、安心も与えられ音響費の価値に理解をしてくれます。2 人にとって曲選びは楽しい一方、結婚式ではその反面として面倒な作業も発生します。席札一枚一枚にメッセージを書くのもそうですし、CDを一枚一枚用意するのも面倒。楽しみと面倒は表裏一体であるのに対し、このシステムを活用すれば面倒なことは無くなり楽しいことだけが残る。それを結婚式の現場を経験しているスタッフから、丁寧に説明することが大切ではないでしょうか。」

――音響に関するその他商品の、受注率アップにも繋がっているようですね。

伊東「確認作業が無くなることで、音響の打合せも変化しています。現在は1 回目の打合せで【WEDDING MUSIC BOX】の使い方を説明。最終時にほぼ決定した曲を、システムを使って確認。CDを入れ替える必要もなく、確認作業自体手軽になりました。曲も決まっていることで、システムから流しながらこんな演出が合うのではという提案も出来ています。当日のイメージも付きやすいことで、ミラーボールや照明演出の受注は本当に高まっています。」

星野「新郎新婦自身がいじれることで満足度も上がります。さらに会場側の負担が激減すれば、その余力を使って別の商品が売れるようになる。こうした側面も含めて、導入効果は大きいと言えます。恐らく現場を経験している人であれば、音響確認の膨大な手間も知っていますし、ミスによるクレームに何度も遭っているでしょう。そうしたリスクを解消していくのは、経営者の責任とも言えます。」

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月21日号)