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![:連載87:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.25「オンラインサービスを適法に提供するために」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/01/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載87:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.25「オンラインサービスを適法に提供するために」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~
このコラムでは、筆者も参画するBmas(一般社団法人ブライダル音楽申請システム)が、去る3 月1 日より映像商品を適法にオンラインで納品できる『アップロード納品システム』をリリースしたことを受けて、オンラインを活用した婚礼サービスを提供する際の音楽著作権上の制約についてQ&A形式でまとめます。
Q 結婚式の様子をライブ配信する上で、音楽著作権上の制約はありますか?
A 宴会場でBGMとして使用されている楽曲とともにライブ配信する際には、その楽曲の公衆送信権と送信可能化権について適正な許諾が必要となります。現時点においてJASRAC、NexToneそして日本レコード協会はそれぞれ申請窓口を設けていますので個別に申請もできますし、Bmasを通じて申請することも可能です。後者の場合には、日本レコード協会の使用料が33%割引されます。
Q よく参列者が披露宴の様子をスマホでライブ配信していますが、あれは音楽著作権の観点からは問題があるのでしょうか?
A 権利者の許諾が必要なのは「公衆」に楽曲を送信する場合です。たとえば参列者が「参列できなかった新婦の祖母」にのみライブ配信しているのであれば、「公衆」に送信している訳ではありませんので、権利者へ許諾を得る必要はありません。
Q では同じ理屈で、送信先が特定少数であれば事業者がライブ配信する場合も、許諾は不要ですか?
A 音楽著作権管理団体はそのようには考えていません。参列者によるライブ配信が原則として「1 回きり」であるのに対して、事業者によるライブ配信は複数の施行において「反復継続」して行われます。したがって特定の施行においての送信先がたまたま特定少数であっても、事業者の活動全体としてみれば「公衆」への楽曲の送信にあたるので許諾申請が必要とされています。
Q 楽曲入りのプロフィール映像や記録映像をオンライン納品する上で音楽著作権上の制約はありますか?
A こちらも主に公衆送信権と送信可能化権が問題になり、権利者の適正な許諾が必要となります。また、日本レコード協会は許諾に際して「自社管理サーバー」を利用することなどを条件としているため、YouTubeやギガファイル便等による納品は認められていません。このたびBmasが3 月1 日から開始した『アップロード納品システム』は、契約をしたブライダル事業者であれば、日本レコード協会の許諾も得つつ、映像商品をオンラインで納品できる点が特徴となっています。
Q 実際のBGM付きで収録した記録用映像をオンラインで納品する際、収録されている全ての楽曲について許諾が必要なのでしょうか。
A 複製権と同じく「写り込み」(著作権法第30条の2 )の例外が適用されます。これは端的に言えば、①映像にやむを得ず写り込んでしまった楽曲で、②それが映像全体の軽微な構成部分に留まる場合に限って、その楽曲を含めてライブ配信したり、その楽曲が収録された映像商品をオンラインで納品したりする際に権利者の許諾を得る必要はないというものです。ただしこの適否を事業者側が勝手に判断するのは危険でして、かつてJASRACをはじめとした団体が公表した判断基準などを踏まえて、慎重に検討する必要があります。
Q こうした許諾を一切要さない楽曲はあるのでしょうか?
A クラシック楽曲のように、すでに著作権が消滅した楽曲を生演奏した音源であれば、権利許諾を気にすることなくライブ配信したり、オンラインで納品できます。また、いわゆるフリー音源のように著作権や著作隣接権が予め放棄された楽曲も同様です。一方で、一概にフリー音源といってもあらゆる権利が放棄されているとは限らないため、「配信する上で必要な権利が放棄されているか」は個別に確認が必要です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)

