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キーマンに聞く

:連載53:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第53回『ブライダル法務六法全書 ~仕事に使える法律を厳選解説~ ⑤民法Ⅰ』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載53:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第53回『ブライダル法務六法全書 ~仕事に使える法律を厳選解説~ ⑤民法Ⅰ』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

1年をかけてブライダル業務に関係する法律を解説していく今年のコラム、第5回からはしばらく超重要法律「民法」の超重要条項を順に解説していきます。

1.どんな法律かを確認しよう
①「民法」は明治29年に制定され、戦後、日本国憲法の制定を機に大幅に改正され今に至る古い法律で、わが国における私人間の権利関係を規律する基本法。
②条項数は1,000を超える多さですが、本コラムではブライダル事業に関連する条項だけを抜き出して解説していきます。
2.今回取り上げるテーマ 自然災害等の「不可抗力」によって結婚式をはじめとしたサービスの提供が出来なかった場合の法律関係を規定する『危険負担』(民法第536条)について取り上げます。ブライダル業界においては、昨今、新型コロナ禍への不安感等を理由とした解約や日程変更が発生した際に、この条項の適否が問題となります。
3.ブライダルで何が問題になる?
『危険負担』とは「お互いの責任によらず商品やサービスの提供ができなくなったときは、対価を支払う側はその支払いを拒むことができる」というもので(注:民法第536条第1項の意訳)、当事者双方の責任によらずに契約上の債務の履行ができなくなった場合の法律関係を規定するものです。
なお、『危険負担』は任意規定であり、予め契約当事者が別の合意をしていれば、原則として合意の内容が法律の規定に優先されます。
昨今のコロナ禍において、契約済みの新郎新婦が「コロナへの不安」を理由に結婚式契約を解約する場合において、『危険負担』が適用、またはそれに準じて取扱い、解約料の支払を免れるのではないか、という点が問題になりました。
これを受けて一部の法律家や消費者団体は、『危険負担』の考え方に沿って「コロナへの不安を理由に解約した場合には、新郎新婦は解約料の支払義務を免れる」という見解を示していましたが、筆者は以下の理由から、「コロナへの不安」というだけで一律に解約料の支払義務が免責されるかのような見解には反対です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)