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![:連載105:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW] 『前撮り・フォトウェディングの際の「送迎」等に注意』【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載105:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW] 『前撮り・フォトウェディングの際の「送迎」等に注意』【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】
いつもご愛読ありがとうございます。暑い日々はまだ続きますが、いよいよ秋の商戦期が近づいてまいりました。そんな時期だからこそ、思わぬ法令違反に陥ることがないかの注意が必要となります。
今回のコラムは前撮り・フォトウエディングを規制する“あの法令”について、最新情報を踏まえてQ&A形式で解説します。
Q1.前撮りやフォトウエディングのサービスを提供する際に、特に留意が必要な法令にはどのようなものがありますか?
A1.「写真の著作権」や「被写体の肖像権」、または『美容師法』とともにかつてこのコラムでも何度か取り上げていますが、特に『道路運送法』は屋外で撮影をする際に注意が必要となります。
Q2.『道路運送法』については、まだまだブライダル業界内での認知度が高いとは言えないですよね。具体的な内容を教えて下さい。
A2.そうなのです。改めて説明すると『道路運送法』では、適正な許可(簡単に言えばタクシー事業の許可で、ブライダル事業者がこの許可を得るのは極めて困難です)を得ずに、他人を「有償で」運送することが禁じられています。
したがって、屋外での撮影の際に、有償サービスの一環としてスタッフが運転する車で新郎新婦を送迎したり、撮影場所までお連れしたりという運用が散見されますが、このような行為は『道路運送法』違反となります。
Q3.堂々と「送迎付き」なんて広告と出ているケースもありますよね。実際に摘発される例はあるのでしょうか?
A3.ブライダル業界ではないのですが、ここ最近、立て続けに無許可のまま送迎行為をしたことを理由に、『道路運送法』違反で逮捕されたという事案が発生しています。本年7月に報道されたものから2件ご紹介します。
事例①
警視庁は、「対価を得て取引先の従業員を荷物と一緒に車で送迎した」として、運送事業者を同法違反で逮捕した。一部報道によると、このような行為は運送業界内では「同乗案件」と呼ばれて横行していた実態があり、全国初の摘発となった。
事例②
青森県警は、「対価を得て観光客を車に乗せて観光地を案内した」として、一般人を同法違反で逮捕した。タクシー許可を得ずに他人を送迎することは「白タク行為」と呼ばれ、最近はインバウンド旅行者向けに違法なサービスが横行しているとの報道もある。
Q4.実際に逮捕者まで出ているのですね。ただ、前撮りやフォトウエディングの実態として、どうしてもスタッフがお客様を送迎する必要があるケースもあるはずです。私たち事業者は、どう対応すればいいでしょうか?
A4.簡単です。送迎は「無償」にすればよいのです。『道路運送法』が許可を必要としているのは「有償で」送迎する行為ですから、「送迎無料」という立て付けで送迎を行うことは問題ありません。
そこで私がよく研修等でご紹介しているのは『温泉宿作戦』です。
地方の温泉宿での宿泊を予約しておくと、その宿のスタッフが最寄りの駅までマイクロバス等で迎えに来てくれることがありますよね。
もしこの宿が「送迎は有償」としたり、「バスを用いたお客は自家用車で訪れたお客より宿泊費を高額に設定」したりすると違法ですが、送迎バスの利用を無償とし、また利用したかどうかで宿泊代に差を設けなければ、『道路運送法』には抵触しません。
秋以降増えていく前撮りやフォトウエディングにおけるお客様の送迎プランを設定する上では、この『温泉宿作戦』を活用されることをお勧めします。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日号)

