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キーマンに聞く

連載9:《会場の業績アップ事例》定義されているwhyを新規接客の現場で機能させる【ニューバリューフロンティア 執行役員 森房 知史氏】
前回までの連載では、ゴールデンサークル(Why→How→What)の考え方をもとに、「なぜこの会場なのか」という存在理由を起点とし比較の土俵をずらすニッチャー戦略について紹介しました。今回は続編として、既に定義されているWhyを、新規接客の現場でどのように機能させ続けるかという実践面に焦点を当てます。
多くの会場では、眺望や料理、チャペル、担当制など、魅力的な要素を数多く持っています。しかし、それらが特徴(What)の説明に留まると、どうしても他会場との比較に巻き込まれてしまいます。重要なのは、「なぜそれを大切にしているのか」というWhyと結びつけて伝えられているかどうかになります。
ただし、Whyは作っただけでは成果に直結しません。忙しい日には抜け落ちてしまったり、担当者ごとに解釈がズレたりすることも少なくありません。そこで必要になるのは、Whyを属人的なスキルではなく、接客の中で再現できる構造として整えることです。ポイントは3つあります。
一つ目は、どの提案から話が始まっても、必ずWhyに戻れる状態をつくること。眺望や料理といった話題が先に出たとしても、その背景にある考え方や価値観に結びつけて説明できるかどうかで、納得度は大きく左右します。
二つ目は、会場の特徴を「比較されない言葉」に整えておくこと。「眺望が良い」「料理が美味しい」といった表現にWhyを添え、条件ではなく会場の思想として伝えます。これにより、誰が対応しても説明の軸は揃い、一貫したメッセージを届けやすくなります。
三つ目は、Whyを伝える場面を決め、接客後に振り返ること。ヒアリング後や内覧開始時、見積提示前など、Whyを入れるタイミングを固定し、その反応を振り返ることで、次の接客に活かす改善点が明確になります。
こうした言語化や構造づくりの整理において、近年活用の進んでいるのがChatGPTなどの生成AIです。ここで重要なのは、AIにWhyを作らせることではありません。既に定義されているWhyを前提に、説明のズレがないかを確認したり、伝え方や順番を整理したりするための補助役として活用することで、言語化の質とスピードを高めることができます。一方で、新規接客の現場では、その瞬間ごとに判断も求められます。当社はこうした接客の判断を支える存在として、AIコントローラー「ドルフィン」を展開しています。
≪今回のワンポイント≫
Whyは作ることがゴールではなく、接客の中で正しく使われてこそ価値になる。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月21日号)

