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連載8《今さら聞けないChatGPT講座》生成AIで激変する結婚式場のSNS発信【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

連載8《今さら聞けないChatGPT講座》生成AIで激変する結婚式場のSNS発信【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

 

この半年間、生成AIの活用について、議事録を自動でまとめる、思いついたアイデアを文章化するなど、便利な使い方を紹介してきましたが、もはや生成AIはちょっとした効率化の道具という位置づけを超えつつあります。特に結婚式場のSNS発信の現場に目を向けると、その変化は目を見張るものがあります。SNSは今や、式場のブランドを形づくり、未来の新郎新婦と出会うための最も重要な接点です。そこに生成AIが加わることで、これまで人の手や感覚に頼ってきた領域は劇的に進化し始めています。

SNS担当者にとって、もっとも時間がかかり、かつ頭を悩ませる作業のひとつはキャプション作りです。投稿する写真や動画の魅力をどう言葉にすれば心に届くのか。上品で落ち着いたトーンが良いか、それとも流行語を交えたカジュアルさが良いか。生成AIを使えば、この悩みは大きく軽減されます。素材に合わせて複数の言葉を瞬時に提案し、その中から最もふさわしいものを選ぶだけで良くなるからです。これまで一時間かけて一案をひねり出していた作業も数分で十案を比較検討できるプロセスへと変わり、担当者は「言葉を生み出す人」から「最適な言葉を選ぶ編集者」へとシフトします。

さらに、生成AIは「世界観の共有」にも大きな力を発揮します。クラシカルで厳かな披露宴を思い描いているのか、ナチュラルで開放的なガーデン挙式をイメージしているのか。従来は言葉や資料だけでは共有の難しかったコンセプトも、AIは参考画像や動画のストーリーボードとして提示してくれます。チーム内で「こんな雰囲気で行こう」と視覚的に共通認識を持つことができるため、発信全体のトーンや雰囲気に一貫性を持たせることも容易になります。世界観が揃えば、SNSのアカウント全体はひとつのブランドストーリーとして機能し始め、見る人に強い印象を残すことができるのです。

特に重要なのは動画領域。いまやSNSでの集客に欠かせないリール動画は、多くの式場担当者にとって「作りたいけれど難しい」存在です。どのような流れで構成すれば良いか、何を主役に据えるか、どんな締め方をすれば印象的か。考えるだけでハードルは高くなり、結局発信も止まってしまう。ここでも生成AIは大きな助けとなります。「感動的に式場を紹介したい」、「料理を主役にしたい」と伝えるだけで、オープニングからクロージングまでの台本案を即座に出してくれるのです。たたき台をもとに修正していく形に変わるため、動画発信の継続性は高まります。

加えて、AIは過去の投稿データを学習し、どの言葉が最もエンゲージメントを生んだのか、どの時間帯に投稿すると反応が良いのかを分析してくれます。従来は担当者の勘や肌感覚に頼ってきた領域は、データに裏打ちされた「勝ちパターン」として再現できます。これは、属人的になりがちだったSNS運用を組織的な知見へと引き上げ、安定的に成果を出す仕組みを整えることにつながります。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月21日号)