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連載7 ローカル会場【勝利の方程式】来館動機の隠れた主役、推奨経由来館を可視化【ティール株式会社 代表取締役 工藤 慎也氏】

連載7 ローカル会場【勝利の方程式】来館動機の隠れた主役、推奨経由来館を可視化【ティール株式会社 代表取締役 工藤 慎也氏】

 

 

前回は紹介営業を、「戦略的に行うか、棚ぼた的に捉えるか」という問いから取り上げました。その後、読者から「うちの紹介件数について、実は正確に把握できていない」という声が複数届きました。なぜ把握しにくいのか。理由のひとつは、「紹介」の定義が実態より狭くなっているからではないかと考えられます。

来館アンケートの【当式場をお知りになったきっかけ】という設問で、【紹介】と【ゼクシィnet】の両方にチェックの入るケースは、皆さんの会場でも見たことがあるのではないでしょうか。「どっちが正しいの?」と思いながら、どちらか一方で集計している会場も多いと思います。ただ実はカップル自身、正直に答えているのです。ゼクシィnetで知って、友人から「あそこは良いよ」と背中を押されて来館した。その体験をそのまま答えると、自然に両方の項目にチェックを入れます。来館の動機というのは、ひとつの情報源だけで完結するのではなく、いくつかの「きっかけ」が重なって生まれることも多いのです。

私はこの現象を【推奨経由来館】と称したいと思います。カップル・ゲスト・取引先・関係者・エージェントからの直接的な紹介はもちろん、知人・友人・家族の言葉が来館の動機のどこかに関わっているケースを広く含みます。紹介は「チャネルの入口」ではなく、「来館を後押しする文脈」として機能しているというイメージです。「紹介率」という言葉で管理しようとすると、この文脈としての推奨がすっぽり抜け数える限り、「文脈としての推奨」は永遠に見えないままになります。

推奨経由来館を生み出す接点は大きく4 つあります。新郎新婦・参列ゲスト・取引先や関係者・自社スタッフです。新郎新婦は式後の満足度が高ければ、友人との会話のなかで自然と式場名を出してくれます。参列ゲストは直接の紹介には至らなくても、SNSへの投稿や日常会話を通じて評判を広げてくれます。取引先では美容室や写真館など、顧客接点を持つ業者との関係性が口コミにつながります。スタッフは自社を誇りに思えているかどうかで、身近な人への推奨に直結します。いずれも「送客」と「推奨」が入り混じっており、どちらか一方に分類しようとすると実態を見誤ります。推奨経由来館を増やすためには、まず自社の現状を把握することが先決です。来館アンケートの【きっかけ】設問に【ご友人・知人からすすめられた】という選択肢をひとつ追加し、複数回答を可能にするだけで、動機の組み合わせは見えてきます。次回はこの見える化を踏まえた具体的な施策に踏み込んでいきます。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)