LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

連載28《自社運営施設では成約率60% 中小会場の成約率UP》プランナーのネガティブ志向を転換させる【KAKEHASHI 代表取締役寺田 英史氏】
成約率向上のために、コントローラーは接客プロセスを統括しながら、プランナーに対し具体的な指示やストーリー設計を提示する運用を求められます。具体的な検討段階に至っていない見学目的のカップル、一方で即決を前提に来館する新郎新婦が同時に存在する中、特に前者の接客の場合はプランナーもネガティブな心理状態となりやすく、当然成約率にも影響します。そこでコントローラーは、プランナーが顧客の「決めない理由」に引きずられないよう、「成約するストーリー」を事前に描く思考転換に導くことが必要。決定しない条件を前提に接客を進めるのではなく、「何をクリアすれば決まるのか」を構造化し、その条件の満たされるプロセスをイメージした接客をアドバイスしていきます。
先日、こんな新郎新婦がいました。新郎が富山、新婦が千葉出身の静岡在住カップル。富山・静岡のどちらで結婚式を実施するかも未定で、翌週に富山の実家へ結婚の報告に行き、そこで式場見学をしてから最終決定をするという意向でした。プランナーは初期ヒアリング段階で、「今日は決まりにくい」とハードルの高さを感じながら、館内案内に進もうとしていました。
そこでコントローラーとして、まずはヒアリング内容の再整理を指示。挙式時期、予算、地域選択に関する顧客ニーズを整理した上で、成約に向けた条件を検討しました。ポイントの一つだったのは、富山からのゲストの多い点で、仮に静岡で実施した場合には招待に伴う交通費負担が懸念事項として考えられました。時期についてはそれほどこだわりもなかったため、そこでプランナーに、夏季開催による特典付与額を提案するように指示。富山から数10名を招待した場合の交通費負担額と特典金額を比較し、ゲスト負担軽減に相当する構造であると説明させました。結果、交通費負担の懸念が解消され、成約に至ったわけです。
コントローラーの役割としては、プランナーの抱いているネガティブ要因をポジティブ転換することが大切です。富山と比較して静岡は不利であるという前提ではなく、静岡で開催することによって「ゲストに旅行体験を提供する機会になる」という文脈での説明方法を具体的に提示しました。さらに特典についても単なる「割引」ではなく、「ゲスト負担相当額を補填する価値」として納得感を高めました。
接客ストーリーをプランナー単独ではなく、キッチン、サービス部門に共有するのも大切な役割です。試食時にサービススタッフから、「富山は魚介類が非常に美味しい地域ですが、静岡も同様で、せっかく富山から来てくれるゲストのために駿河湾の桜海老など静岡特有の食材を楽しんでもらいたい」というトークをするように内容まで設計しました。プランナーが顧客対応に集中しているからこそ、他部門も巻き込み統一した提案で意思決定を後押しする体制を作っていきます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)

