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連載17《自社運営施設では成約率60% 中小会場の成約率UP》周囲の人の専門スキルを差別化に生かす【KAKEHASHI 代表取締役 寺田英史氏】

連載17《自社運営施設では成約率60% 中小会場の成約率UP》周囲の人の専門スキルを差別化に生かす【KAKEHASHI 代表取締役 寺田英史氏】

当社の運営する会場の所在である静岡県中部エリアは、1 月の月間来館数が昨対比70%程度と大きく減少しました。集客全体のパイの減少と共に、出稿量の多かった大手会場が一件目来館を集中的に獲得したため、来館キャンセルも多い状況でした。地方中小会場では、少なからず同じような悩みを抱いたことでしょう。

この厳しい年明けの中、3 月以降に向け改めて気づきもありました。自社では差別化だと思っていたことが、実は他会場と比較してそれほど差は無くなってきていると。例えば一日一組貸し切りというこれまでの差別化要因は、施行数の少ない他会場であっても同じようにセールストークを始めました。一組毎の料理のフルオーダーも同様。プランニングの自由度、披露宴時間をユッタリ3 時間対応できるといった、これまでのソフト面での差別化が薄くなれば、最終的にキャパやアクセス、ハード面で負けてしまいます。

そこで着手しているのは、他の差別化の造成です。今まで謳っていなかった部分を含めて、いかに特徴付けできるか。自社会場は一組貸し切り以外に、森のロケーションという普遍的な価値があるため、当日お仕度後に森の中で前撮りできるというプロモーションを前面に打ち出すようにしました。

またこれまで料理だけであったフルオーダーも、差別化のために拡充。フローリストが2 人の希望に合わせ事前に絵を描いて、空間についてもフルオーダー対応。地域のオーダースーツ店と提携し、オーダータキシードの採用も開始しました。またパート勤務のドレスコーディネーターが、もともと洋服のパタンナー経験を持っていたため、オリジナルの衣裳小物も制作。様々なアイテムを含め、フルオーダー出来ることをPRしています。

もともとオーダースーツ店とも知り合いで、たまたまパートのスタッフが衣裳小物を作成できるスキルを持っていたわけですが、それを結婚式のプロダクトに生かすという発想はありませんでした。ただ、新たな差別化のために色々考えているうちに、周りにこんな人がいるということに気づき、新たな商品開発を進めています。

ブライダルでよく言われる、【ヒト売り】の言葉。接客において想いやキャラを重視していたのに対し、実は専門プロフェッショナルがいて、スペシャルなモノを作れるということこそ本来の意味ではないかと。今後はプロデュース会社のイメージで、箱売りではなく中身の部分をブラッシュアップしていく仕掛けを進めていきます。

これは、多くの地方の中小会場にとって参考になると思います。ハードのポテンシャルを高めるには限界があるため、社員やパートナーのリソースの部分を見つめ直し、その可能性を最大化した商品にしていく。それこそまさに【ヒト売り】であり、ヒントはそこら中にあるでしょう。今一度、周りの人たちを見渡してみてください。

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)