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キーマンに聞く

連載15《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》商品開発チームに求められる主体性(ゲスト:IZUMO GROUP 八雲迎賓館 代表取締役社長 伊藤正美氏)

連載15《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》商品開発チームに求められる主体性(ゲスト:IZUMO GROUP 八雲迎賓館 代表取締役社長 伊藤正美氏)

 八雲迎賓館を運営しているIZUMO GROUP(福井県福井市)。同社は市内にスイーツショップ【VIVANT】を運営しており、会場で提供する各種スイーツのほか、外販にも力を入れている。バウムクーヘン博覧会で全国3位に輝いた商品を中心に注目を集めている。T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロンは、同社の伊藤正美社長をゲストに、外販事業の展開に対する考え方、商品開発で求められるデザイン力向上などの取組みを語りあった。

キャンディー型の商品

――バウムクーヘンが、BtoCで人気とのことですが。

伊藤「もともとウエディングケーキなどの生ケーキを中心に内製商品を製造していたのですが、私自身バウムクーヘンを好きだったもので(笑)。従来の丸型のバウムクーヘンでは独自性はないと思い、平版で焼き上げていく商品を開発しました。八雲の【八】に拘り、八層を二重に重ねた16層の【十六雲 ~IZAGUMO~】などを制作しました。さらにユニークなものとして、長方形のバウムクーヘンに木製のバーを刺したキャンディー型の商品も開発。チョコレートでコーティングし、バレンタインであればそこにハートをタップするなど、【VIVANTB AR(ショコラバー)】として販売しています。この商品は誕生して2 年経ちますが、昨年秋のバウムクーヘン総選挙で第3 位になり、販売量も増えています。」

岩瀬「それは宣伝効果としても大きいですね。」

伊藤「この博覧会には全国各地から様々な商品が集まり、総選挙には70ブランドがエントリー。3 位になったことでテレビなどでも取り上げられ、一気に知名度は高まりました。現在は新商品をさらに開発して、ブライダルの引出物などで展開していきたいと考えています。」

 

――もともとは内製化でスイーツ事業を展開していたわけですが、商品開発は基本的に外販を視野に入れている感じですね。

伊藤「コロナによる劇的な変化によって、ブライダル以外の柱となる事業をいくつか作っていくことが、これからに向けても大切だと考えるようになりました。私たちの施設は神社との併設であるため、式を挙げた人たちにその後も帰ってきてもらうような繋がりを持っていなかければ意味はありません。そのために、一般ユーザーにも喜ばれる商品開発は重要です。」

岩瀬「商品開発は、一定のサイクルで新しいものを生み出している会社であることを、社員に認識してもらうためにも大切なことで、当社としてもそこは意識しています。ケーキの工房を東京、横浜、大阪で展開しており、横浜の工房では海外ラグジュアリーブランド運営のレストランで販売しているクッキー、東京ではカフェのスイーツなどをOEMで制作。その点では、自社のノウハウをベースに、外販で売上を生みだしていく仕掛けは今後多くなっていくのかもしれません。もっとも、現場のメンバーがBtoBの外販やEC販売を見越して工房を拡大したいと希望したとしても、現状では積極的にはそれを認めるスタンスではありません。これは臆病なのかもしれませんが(笑)、外販はいつ取引が無くなってしまうか分からないもの。伊藤社長のおっしゃるように、積極的に外販を仕掛けていくという方針であればいいのですが、個人的には当社はそこまで至っていない状況だと考えています。」

伊藤「外販を積極的に展開していくタイミングは、どのように考えているのですか。」

岩瀬「コロナの影響もあって、生み出せる利益に対してかかる労力の優先順位を付けたときに、当社としては今ではないだろうと。スタッフが自部門の売上を上げるために積極的に展開したいと考えている以上、もちろん会社としても応援したいとは思います。ただそのための設備投資が必要となれば、そこにはどれだけ回収できるのかという現実的な話はついて回ります。社員のモチベーションは大事だとは思いつつ、順番として今がベストではないのかなと。」

伊藤「岩瀬社長の話はもっともで、確かに店舗を積極的に展開する、百貨店に出店するといったところからスタートすると、収支では厳しい。当社の場合、総選挙で3 位になったことにより、ある意味で認知度の高まったことが、現在のベースになっています。ネット販売を中心に好調であり、その部分の流通はしっかりと進めていきたいと考えています。ただ店舗は一店舗しかありませんし、今後も収支を見据えながらの展開は大切だと思っています。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)