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キーマンに聞く

連載13(後編)《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》ドレスの内製化開始(ゲスト:サン・ワード 代表取締役社長 山下信彦氏)
テイクアンドギヴ・ニーズ(東京都品川区)岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロンは、前号に続きサン・ワード(岐阜県岐阜市)山下信彦氏をゲストに迎えての後編。内製化の成功のカギになってくるのが、担当する人材の教育である。ウエディングプランナーとは異なるスキルが求められるだけに、その教育方法もこれまでとは異なるものを構築していかなければならない。そうした課題を前提にして、内製化の進んでいるT&Gではどのような仕組みを確立しているのか。内製化に伴うノウハウの共有も含めて語り合った。
元大工さんも所属する
山下「現在、装花のスタッフは何人いるのですか。」
岩瀬「約180名です。他の会社と比較すると、一人前になるのに時間がかかるため、人数もそれだけ必要になります(笑)。デザイナーがいて、その下にただ作る人がいるという役割分担の構図から抜け出さない限り、本当にいいものは作れないと思っていて、だからこそ全員が顧客の前に出て、全員がクリエイターになるということを重視しています。一方でクリエイティブ力を活かして顧客に提案をしたくても、店舗が小さく什器備品をその場にストックできないために難しいという課題もありました。そこで都内に倉庫を保有し、ありとあらゆる什器備品をストックしています。そこから全国にレンタルする仕組みも作りました。各店舗から発注があったものを月、火曜日に倉庫から発送、水曜日に店舗に届き、施行の終わった日曜日の夜に返送するという流れです。」
山下「フラワーコーディネーターからすれば、どのような什器備品がストックしてあるのかを確認した上で顧客に提案していくことにより、クリエイティブ力も高まっていきますね。」
岩瀬「倉庫にある全てのストックは、全国どこからでもパソコン上で確認できるようにしています。例えば流行っている演出を会社として取り入れる際にも、宴会場が全国に100近くあるため、全会場で対応しようとすれば同じものを100セット購入する必要が出てきます。その点、都内の倉庫から各店舗に回していくという方法であれば、購入するのもそれこそ5 セットで済むかもしれませんし、コストダウンに繋がります。もちろん全ての会場で、顧客に対してきちんと提案もできるようになる。この部門には映画のセットを作っていた人材や元大工さんも所属していて、フォトブースの背景セットなども自分達で制作しています。また、サイズの大きい装飾などを配送すると、その分料金もかかってきますので、バラバラの部品にして送り、それを店舗で組み立てていく仕組みになっています。これを活用して、現在リクルートと一緒にパーティークリエーションというサービスを展開し、他社の会場にも貸し出しを行っています。」
――内製化においては、やはり最初の段階の教育が非常に重要かと。これまでに教育してきたプランナーとは、異なるスキルを高めていく必要がありますから。そうした教育ノウハウを自社で整備するのは大変なことであり、それならば会社の枠を超えて共有していくという考えはいかがですか。
最初のプロセスが大切
山下「内製化を進めるためには、入り口が常に課題になると思っています。最初のステップをきちんと作り上げておかないと、後々簡単に崩れてきてしまいますから。そうした課題も踏まえて、いきなり全ての部門を切り替えるのではなく、小さな規模から徐々に対応をしながら、スタッフのスキルを少しずつ上げていくという考え方を大切にしています。内製化したからといって、人材教育がままならずにクオリティや提案力も含めて下がってしまうとそもそも意味がないので、初めの段階のプロセス作りは非常に重要。その点、すでに内製化の実績があるT&Gの教育の仕組みは、今後私たちとしてもどんどん学んでいきたいと思っています。」
岩瀬「私たちも徐々に広めていくという考えは一緒で、例えば装花にしてもいきなり40店舗からスタートしたわけではなく、少しずつ増やしていきました。一方でそれ以前から、取引先の制作する結婚式の装花の写真を毎週チェックし、取引先に対して品質に関する指示を出す役割を設けていました。当然、花のプロフェッショナルに対して何らかの指示を出すときには、こちら側でも相応の知識を持ってないとまともに取り合ってくれないわけです。【プロ】が【プロ】に対して言うことが大事という考え方から、自社内でも花の知識を高めている人材がいたわけです。そうした以前からの積み重ねがあったから、自社で内製化をスタートしてもクオリティは担保出来るだろうと。スキルや知識のない状態で『装花の事業を始めよう』と掛け声をかけるだけでは、始めたのはいいもののなかなか品質が上がらないという難しい課題もすぐに出てくると思っています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)

