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キーマンに聞く

連載11(後編)《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》こだわりを実現するためのシステム化(ゲスト:アルカディア 代表取締役社長 大串淳氏)

連載11(後編)《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》こだわりを実現するためのシステム化(ゲスト:アルカディア 代表取締役社長 大串淳氏)

 アルカディア(福岡県久留米市)の大串淳社長をゲストに迎えた、T&G岩瀬賢治社長の連載企画【ブライダル経営者サロン】の後編は、2人らしい結婚式を提供していく上で、現場オペレーションの効率化をどのように進めていくべきか。オリジナルを追求すればその分ヒアリングの時間などがかかるからこそ、それ以外の業務を軽減することが大切で、そのツールとして今後は動画対応が重要になると共通認識を持つ。また昨年共に取り組んだLGBTQへの対応など、誰にでも優しいブライダル会場の考え方を語りあった。

ショートミーティング

――結婚式創りにおいて、2人の想いを引き出しながらそれをまとめていく作業にこだわっていくほど、当然打合せ回数や時間もどんどん増えていくかと思うのですが。

大串「その点に関しては、結婚式提供のためのノウハウの蓄積と共に業務の効率化も同時並行で進めています。システム化により、発注作業もだいぶ軽減されたため、その分を打合せ時間に回せるようになりました。現在は衣裳を含めて、回数は7,8回となります。」

岩瀬「当社も同程度の打合せ回数です。例えば来週に打合せが入っていて、2人で事前に相談をして決めておいてもらいたいことがあるとします。その確認も含めて、今週どこかで連絡をとり、電話やオンラインで15分程度のショートミーティングをするというのが現在のルールです。例えば席次を決めてきてくださいと言っておいてもそれを忘れてしまい、いざ打合せ時にプランナーが一緒に何時間もかけて一から作っていくということがないようにしています。」

大串「確かに家でやってきてほしいと宿題をお願いしても、忘れてしまったと言う人も多いですよね(笑)。」

岩瀬「コロナになってから生産性を高めるというキーワードに基づき、この15分のショートミーティングを始めたほか、事前に動画を見ておいてもらうということなどを強化してきました。加えて、これは以前から変わらずやっていることですが、2 人らしい結婚式を作っていくために、まずは最初の打合せでプランナーがしっかりと2人のことをヒアリングするようにしています。感情の面を深掘りしていき、それならばどういうデコレーションにするかというクリエィティブな面に繋げていく。2人の想いをきちんと表現できるコンセプトワードを作った上で、招待状選びといった実務に入っていきます。」

大串「最初にプランナーと新郎新婦である程度のイメージの共有ができていると、その後もスムーズに進んでいきます。」

岩瀬「付き合い始めたキッカケから始まって、親との関係性や大切な人は誰かなど余計なところまで根掘り葉掘り聞くわけです(笑)。そこにある程度の長い時間をかけた上で、ようやくスタートしていく。また新郎新婦側に不安なことがあると自然と打合せも長くなるため、主だった打合せの後には必ずアンケートを自動で飛ばしています。どんなことが心配だったか、分からないことがなかったかなど、些細なこともヒアリングをしてそれをプランナーにフィードバックしていく。これを繰り返しながら、当日を迎える流れです。プランナーは聞くことと提案することが主でありその時間だけは削れないからこそ、それ以外のところを効率化しています。」

大串「当社でも、現在は動画を活用することが必要だと思い強化しています。実際に新郎のタキシード、両親のモーニングの着方などは紙での説明では分かりづらいため、動画を作成して事前に見ておいてもらうようにしています。プランナーが説明するべきことは一冊のブックにまとめていますが、最近は文字を読まないという人も多いですから、動画をうまく入れ込んでいくことが重要だと考えています。」

 

――花嫁は結婚式に向けて気分が高まっているからこそ、こうしたブックを隅から隅まできちんと読むというイメージでした。

岩瀬「結婚式は2人にとって初めてのことであり、読むだけでは理解するのが難しいのかもしれません。」

大串「読んでも、簡単にはイメージも付かないですしね。」

岩瀬「だからこそ動画で、情報を細切れにして提供していく。当社で作成している結婚式準備に活用できる【ウエディングいろは】は、1本あたり3分程度で作っています。」

大串「私も見させてもらい、自社で動画を作成していく際の参考にしています。」

 

テーマを決めるシート作成

――オリジナルの挙式を創っていくほど、プランナーの提案力を高める教育面も重要になってくるかと思いますが。

大串「これまでは、プランナーにある程度任せてヒアリングをしながら提案をしていくというスタイルをとっていましたが、2人らしさを追求すればやはりプランナーの経験値などにより差が出てきます。この差を埋めるために、ヒアリング用のフォーマットを作成して、聞いていく順番もある程度明確にし、最後は必然的にテーマまで決まっていくというシートにしました。このシートをみんなが使っていくことで、新郎新婦のこんな想いに対してはどう応えるかなどのそれぞれのノウハウが蓄積されています。現在は、例えば『絆』と言われた場合に、自分だけではなく他のスタッフがどう答えを導き出したかの事例を増やしているところです。グループ全体、宴会、プランナーとそれぞれのフォルダを設けて、ミーティングなどで話題になったこと全てをその中に入れていますので、気になったときにいつでも確認できるようになっています。」

岩瀬「当社では各店舗に結婚式創りのリーダーがいて、それが全国10のグループに分かれています。グループの中で常時ミーティングをしながら、情報共有していく。もう一つ本社では、エンドロールムービーの大賞を毎月決めています。エントリーシートには、どういう結婚式でどういう提案をして何が起きたから素晴らしかったと記入しますし、最終的には現場の社員もそれを見た上で投票するので自然といい結婚式の事例が共有されることになります。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月11日号)