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見積もりに対する納得感を得る接客【トリニティブライダル 代表取締役 新井寿美氏】

見積もりに対する納得感を得る接客【トリニティブライダル 代表取締役 新井寿美氏】

――物価高騰の影響で生活も厳しくなっている状況で、高額な結婚式の費用にも敏感になっているようですね。

新井「以前と違って堅実な新郎新婦は多くなっていて、予算が合わないために成約に至らないケースは非常に増えています。これまでのユーザー意識としては結婚式にお金がかかるのは当たり前だったのに対し、そこにかける費用に対する価値観はシビアになっていて、予算の壁は格段に上がっています。もちろん予算の壁はもともとありましたが、最近は少人数化の影響も大きく、人数が減れば自己負担は高まりますし、また比較的ご祝儀額の大きかった上司を呼ばなくなっていますから。以前のように、ご祝儀で賄えるといったトークが通用しなくなってきていますね。」

――予算の壁を新規段階でクリアするため、初期見積もりを大幅に抑える会場もあります。

新井「そうした手法は、これから段々と使えなくなってきますね。クチコミサイトを検索すれば、最終の見積もり額は無数に出てきますから。新郎新婦はネット情報を当たり前にチェックしていますし、どれだけ初期見積もりを安くしたところで、2 人の予算に合っているというトークは通用しないと考えるべきでしょう。時期や時間帯などの割引で若干予算に近づけることは出来たとしても、やはり予算の壁を突破するには、予算以上の価値を語り、納得してもらうことに尽きます。」

――予算以上の価値とは。

新井「例えば衣裳に関して、提携の衣裳店では30万円かかるのに対し、持込みの場合であればもっと安くて素敵な衣裳があります。それでも提携の衣裳店を選んでもらうためには、持込みでどのようなことが起こってきたのかを説明しなければなりません。例えば挙式1 週間前に最終フィッティングをしても、新婦はデリケートですから当日さらに体が細くなってしまっていることも多々あります。1 週間前のフィッティングでは緩いと落ちてきてしまいますが、仮に提携しているドレスサロンであれば違うサイズを用意できるかもしれない。また後ろを詰めるといった調整も、提携しているドレス店だからこそ当日に出来るわけで、持込みのドレスでは基本的に手を加えられません。そうなれば、常に胸の辺りを気にして一日を過ごすことになります。こうしたケースは、どの会場でも発生していることでしょうから、そこで起こった事実を説明してあげればいいわけです。」

新井「これは花、司会など全ての項目で説明できるはずで、いわば不慮の事態に対応できるのが提携の強みです。モノを売るという意識であると価格競争になりますが、モノ+サービスを売るという意識であれば、予算の壁は乗り越えられます。そういう話が出来ていないのが実情で、そうなると安い持込みをしたい、それならば持込み料5 万円などといった話に終始してしまいます。その点では、これまでのように感情に訴えかけるだけでなく、理論的な説明が必要。特に予算については、どうしてこの金額がかかるのかを語らなくてはならず、ただ感情に訴えかけても意味は有りませんから。」

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)