LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

結婚相談室で出会いの場を提供【報徳二宮神社 宮司 草山明久氏】

結婚相談室で出会いの場を提供【報徳二宮神社 宮司 草山明久氏】

 「小田原城址は桜のシーズンは多くの人がやってきます。合わせて、平日や土日についても多くの宴会が連日入るのですが、3 月、4 月にこれが皆無になりました。一方婚礼については、もともと一日2 組での対応でしたが、懐妊している人など特別な事情がある新郎新婦以外は、90%以上が延期です。5 月の施行は秋に移行しゼロになっています。延期対応については、コロナの不安が払しょくされていない状況で、秋だけでなく来春というケースもありますし、未定という人も。緊急事態宣言が一部地域で解除はされましたが、新郎新婦の不安という点からも、影響は長くなるのではと考えています。実際結婚式の人数も40名前後から20名程度、つまり親族だけの規模に減少していますし、当社で多い法人主催、団体主催の宴会については、当分は厳しいだろうと。」

「BIAが発表したガイドラインを基準に、さらに補足していきます。業界からの発信は、主催者がゲストを招く上でも非常に大きな意味があります。更なる安心感を提供する上でも、人数など個々の結婚式の状況に応じて対応していく必要があります。当社の場合には、屋外スペースも広いため、これまで使っていなかった庭園などでの対応も積極的に進めていきます。またオンライン打ち合わせも新たに導入しました。もともと、地元のみならず遠方の顧客もいたことで、わざわざ毎回来館してもらう手間を解消することもできます。やむなく人数を減らした新郎新婦については、Zoomのような仕組みを使って、結婚式を見せていくというアイデアも検討しています。」

 

「様々な変化を想定していますが、最大の問題は結婚式自体をやらないという選択肢が増えてしまうこと。結婚式の意義を伝えていくべきと考えています。震災当時には、家族や地域の絆が結婚式の意義として語られました。今回のコロナ禍は、ステイホームで家族が一緒にいる時間も増えたわけです。例えば結婚をしていないカップルが二人で過ごす上でも、結婚はした方がいい。それをきちんと祝いすべきだと。この時代だからこその結婚、結婚式をする意義をしっかりと伝えていく。それに基づき、経済的な負担が高まる現実を踏まえ、背伸びをしないでも若くても結婚式ができるというプランを提供していきます。大切なのは、単なる値引きという誤解を受けないようにすること。そのためにも、これまでのプロモーションとは一線を画した対応が必要と感じています。当社は神社挙式であり、3 密対策、換気などの面から、屋内よりもいい条件です。だからこそ、しっかりと本来の意義さえ打ち出していければ、可能性はあります。」

 

「婚礼一辺倒では難しいというのは、10年前から考えてきました。そうした中で20年前から始めているのが、結婚相談室です。地域密着の神社では、それだけ地元の人たちとの交流も多く、その流れからいい人を紹介してほしいといった相談を受ける立場でもありましたから。そこで結婚相談室を設け、相談所的な対応をするほか、男女の出会いのイベントなどを開催してきました。社会的な意義もある事業ですから。今回のステイホームで、独身者が一人で家にいて色々考えることもあったでしょう。その中には、誰かと一緒にいたい、結婚したいという想いもあったはずです。こうした人たちに出会いの機会を提供する結婚相談は、今後もさらに力を入れていきます。」

 

「箱根小田原の施設が参画するかながわ西結婚推進協議会に関しては、4 月からリモートでの定例会を実施しています。エリアの活性化のために、あきらめずに仕掛けていこうと。観光も減少し、ホテル等では宿泊も非常に厳しい状況ではありますが、ブライダルについてはやれることもあるだろうと。このエリアは首都圏からも50キロ圏内であり、少人数の近隣リゾートであれば、3 密や移動制限の自粛機運にも十分対応できるはず。ここできちんと提案出来れば、チャンスはあります。来月には、協議会の加盟各社共同で、フォトプランをリリースする予定です。アイデアやアセットを持ち寄って、エリア全体で対応していこうというスタンスです。そもそもこの地域は、本来であれば今の時期は東京五輪の開催で多くの人たちが訪れていたわけです。それがコロナの影響によって、観光業全体が厳しい状況で、クローズしているホテルも少なくありません。そこを活性化出来る可能性が、結婚式だと。これまでも様々な事態で厳しい状況に直面してきたエリアですが、逆に言えばブライダル事業者だけでなくエリア全体の協力体制も強固になったと言えます。近郊リゾートウエディングを、地域全体で迎える対応を進めていきます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1-21日号)