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経営統合で業界に〝刺激〞を【エスクリ 代表取締役社長CEO 渋谷守浩氏】
4月1日、ノバレーゼと経営統合するエスクリ(東京都中央区)。コロナ禍の際もティーケーピー( 以下TKP)との資本業務提携などを通じ、特に経営基盤の強化で手腕を発揮してきた渋谷守浩社長だが、新会社では代表取締役会長CEOに就任する。歴史のある建築・内装企業の4代目でもある同氏は、経営者として今回の合併をどのように捉えているのか。そこには、「会社を強く、大きくしていく」という渋谷氏の強い想いが込められている。
資本を重視した経営判断
――昨年11月に発表したノバレーゼとの経営統合ですが、4月1 日の新会社のスタートまで3 ヵ月を切りました。渋谷社長自身、今の気持ちは。
渋谷「少子化、婚姻件数の減少など社会的な背景に加え物価高などもあり、結婚式に対する若い世代の考え方は決していい方向には進んでいない現状と感じています。結婚式を実施した方が離婚率は下がるというデータも一部ありますから、ウエディングの魅力を知ってもらい、とにかく結婚式実施率を上げて、ひいてはブライダル業界全体で社会に貢献していきたいと。こうした変革期において業界再編はやはり1 つの“カギ”と思っていて、『いずれは誰かがやらなければ』との考えを持っていました。当社は2020年のコロナ禍において、SBIホールディングスとT K Pとの資本業務提携を締結していました。もともと私自身は建築・内装事業を展開する百年企業の4 代目でもありますから、会社を経営するうえで資本形成は何より重要で、企業を存続させるための資本重視の動きは、経営者として腕の見せ所とも言えるわけです。こうした考えのもとTKP・河野社長のブライダル業界への想いもあって、先陣を切って動き、業界の活性化に繋げたいと。合併後の連結売上高は450億円を見込んでおり、結果として特に大手の競合他社とは、今以上に切磋琢磨しあえる環境になってくるはずです。今回の統合によって、業界に“刺激”を与えられることは、経営者冥利に尽きると感じています。」
渋谷「対等合併ではあるものの、どちらかが存続会社になり、もう一方が消滅するのは仕組み上、そして表現上仕方のないこと。当社はもともと会計が日本基準で、ノバレーゼは国際会計基準・IFRSを採用しておりPLなどの見せ方も違うわけです。会社を、そして業界をより強く、大きくしていくためには、ノバレーゼの会計スタイルを採用し、存続企業にした方がいいというのが、私自身の経営判断でした。現場で活躍するスタッフは、“消滅”という言葉から発表当初こそ混乱・不安もあったかと思いますが、今回の経営統合において3 社のトップは、絶対にプラスになると確信しています。昨年12月には定期的に実施している全国テレビ会議で、私の口から全スタッフに対し、今回の統合について説明。『心配することではなかった』と、理解に繋がったと感じています。4月から入社する新卒に対しても、売上高約260億円から450億円の会社への入社になるわけですから、むしろ“ワクワク”してもらえたら嬉しいですね。4 月1 日の統合初日から全てがスムーズにいくとは思ってはいないものの、成功への確固たる自信がなければ、そもそも経営統合には踏み切っていません。」
両社の“違い”は強み
――エスクリとノバレーゼの昨年末時点での出店エリアを比較すると、その違いは明確です。東京都内にエスクリは11の式場を展開していますが、ノバレーゼの直営はゼロ。地方都市で出店を強めてきたのが、これまでのノバレーゼでした。
渋谷「この点からも、タッグを組めたノバレーゼはベストパートナーだと強く思っています。当社の都市型施設はビルインも多く、駅からの好立地はポイントの1 つ。式当日のアクセス面でのゲスト満足度、夜景を含めた窓からの煌びやかな眺望なども、おもてなしの1 つとして提案してきたわけです。それに対しノバレーゼは、自然の景観を活かした地方都市型の店舗も多く、今回の統合を通じ、様々なコンセプト・タイプの式場を約70店舗運営できるカタチになります。超都市型、地方型とそれぞれの得意分野をベースにこれまで出店を続けてきた結果、なかなか展開に踏み切れなかったエリアに店舗を持てるようになったことは、大きなプラスと言えます。また、両社がそれぞれ出店していた共通エリアに関してはドミナント戦略のイメージ。カップルの異なる好み、理想のスタイルをベースに、好きなほうを選んでもらえるようになります。あわせて、人材のキャリアアップの面でも可能性は大きいと感じます。4 月1 日時点で、エスクリとノバレーゼの店舗間での大きな異動は想定していませんが、例えば今後、『店舗のスタイルに関わらず、カップルの心を動かせるような提案力を身に付けたい』という声が出てくれば、異動ももちろん可能になってくる。4 月以降は転職せずともそうしたキャリアアップも叶うようになり、個々の接客スキルの向上も期待しています。これは会社にとってもプラスですし、何よりスタッフにとっての成長意欲にも繋がってくると感じています。」
渋谷「また、スケールメリットは顧客満足度向上にも確実に寄与できると考えています。例えば衣裳。それぞれ自社ブランドを展開し内製化していますが、どちらか1 社のみを残すのではなく、好みに合わせて好きなショップの方で選んでもらえればいいわけですから。商品ラインナップが増えるのはカップルにとってもいいことですし、当然ながら持込みの抑制にも繋がってきます。新会社の規模であればコストを下げながら食材の調達もしやすく、結果としてゲストにもより美味しいメニューを提供できるようになる。料理などの改善で『結婚式に呼ばれてラッキー』と思ってもらえる流れを作ることは、業界にとっても重要でしょう。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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