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第3回《Yumi KatsuraのDesigner’s Talk》10年目の錫婚式を年間60組手掛ける【桂由美氏×能作千春氏】
富山県で錫製品を生産している能作(富山県高岡市)は、2016年に本社工場を開設し、毎年10万人以上が訪れている。鋳物体験、カフェでの食事も提供しており、エリアの観光スポットの拠点となっている。合わせて実施しているのが、結婚10年目を祝う【錫婚式】だ。錫の特徴を生かしたセレモニーを作り上げ、さらにフォトスポットでの撮影、工場見学や鋳物体験なども含めて、アニバーサリーを祝っている。ユミカツラインターナショナル代表の桂由美氏による【Talk Session】第3回は、同社の専務取締役で、錫婚式の仕掛け人でもある能作千春氏を招き、アニバーサリーウエディングの魅力を語り合った。
全国に13店舗を展開
桂「能作さんとの出会いのきっかけは、ブライダル業界の人たちが集まる会でした。私はそこでスピーチを頼まれ、これから婚姻人口が少なくなる中、結婚式だけを盛大にするのではなく、記念日を祝う習慣も定着させていくべきと提案しました。終了後に、富山県ウエディング協会の方が私のところにとんで来て、能作という会社が結婚10年目の錫婚式をやっていますと話しかけてくれました。錫の会社が本社工場を建て、そこでもう一度結婚式のような感動を味わってもらう。富山県の人口を考えれば30組程度かなと思ったのですが、よくよく聞くと年間60組が来ていますということで、驚いて実際に現地まで見学に行ったときに出会いました。」
能作「当社の創業は105年前。鋳物の工場で、真鍮と錫を扱ってきました。錫の特徴は柔らかく、使うほどに味わいが出ます。また錆びにくい、壊れにくいことで、縁起もいい。錫で作った器は、お酒の味がまろやかになり、花を挿せば長持ちします。現在は東京の₄ 店舗を含め、全国に13店舗を展開していますが、本社工場はモノづくりの拠点としてコトや心を伝えながら、観光事業にも力を入れています。工場見学、鋳物体験を実施し、カフェでは錫の食器を使って料理を提供。また、自社だけでなく地域を盛り上げるために富山県全域をPRし、旅行業も取得して、地域との連携で宿や飲食店なども紹介しています。本社は2017年のオープンで、県外からのカップル、夫婦など年間で13万人が来場しています。」
桂「その本社で、錫婚式を始めたきっかけは。」
能作「結婚10年目の錫婚の夫婦から、錫の商品を贈り合いたいと相談され、そういった需要があるのだと。私自身も結婚10年目で、子どもが2人います。家族のイベントになるような、新しい取り組みが出来ないものかと考え、錫婚式を作り上げていきました。本社には錫の板を一面に張り巡らせた個室など、フォトスポットがいくつもあります。そこで錫婚記念の撮影をし、その時にウエディングドレスも着せてあげる。せっかくだから、挙式も実施しようと。4年前から本格的に開始し、年間60組程度を受け入れてきました。コロナ禍の現在でも、月に2組が利用しています。泊まりがけの場合には、私たちが宿をセレクトして、部屋の中に錫の器を飾り、直筆のメッセージも置いています。錫婚式を通じて、多くの人が能作のファンになってくれています。」
桂「もともと結婚式に携わっていたわけではないでしょうから、立ち上げまでは大変なこともあったのでは。また錫婚式はどのような流れになっているのですか。」
挙式、フォトプランを用意
能作「企画は、私が進めてきました。衣裳、ヘアメイク、カメラ、着付けなど。知識がまったくない中で、ブライダルの会社に足を運んで調べていきました。そんな時に富山県ウエディング協会の方と出会い、ブライダルの側面で多くのことをサポートしてくれました。現在、儀式とフォトプランを展開しています。衣裳をウエディングドレスと和装、少しカジュアルなパーティドレスなどから選んでもらい、そのランクと挙式の有無で料金は変わります。最上級のスペシャルプランの価格は33万円。挙式、衣裳、着付け、ヘアメイク、写真のほか、本社にあるカフェでのコース料理などの提供、工場見学・鋳物体験もセットにしています。フォトプランにも工場見学・鋳物体験を含めており、職人と同じやり方で砂の型を作り、小鉢やトレーなど家族全員で好きなものを作ってもらっています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月21日号)

