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第2回《ブライダル業界のブランディング入門》自社の強みを知る情報収集フェーズ【グロウ・リパブリック 代表取締役 宮村岳志氏】
ブランディングを実際に進めていく上で、3 つのフェーズがあります。①情報収集フェーズ、②開発フェーズ、③具体化フェーズです。今回は①の情報収集フェーズを検証していきます。
情報収集フェーズは、簡単に言えば現状の洗い出しとなります。政治、経済、社会、技術面から考えていきます。マーケットが右肩上がりであれば、普通にしていても業績は伸びていきますが、右肩下がりの局面に入った場合には、通常以上に戦略を練らないと業績はどんどん落ちていきます。ブライダルマーケットはまさにこの状況であり、どういった世の中で自分たちがビジネスをしているのか知っておかなければなりません。
政治がどう影響しているのか。規制や法律はもちろん、コロナに対する政治判断で、ブライダルニーズに大きな変化をもたらしている現状でもあります。経済に関しては、株価や景気などといった大まかな範囲に限らず、都道府県単位で人口、世帯数、所得などを把握し、それがどう変化しているのかを捉えていきます。例えば、エリアにある大きな企業の移転などは、マーケットにも大きな影響を与えますから。社会については、トレンドがどうなっているのか。今で言うところの、コロナにより社会がどう反応しているのか。SDGsといった社会的な大きな流れも、しっかりと把握しておくことが大切です。こうした社会トレンドを見過ごしたままで、ビジネス、ブランドの構築はできません。技術に関しては、例えばテレワークによりオンラインの技術がどんどん高まっています。つまり、オンラインウエディングや接客、打合せといった新発想が生まれます。その他にも、5 Gが今後どう影響するかは注目です。
世の中の流れを押さえた上で、次に3 C分析をしていきます。ブライダルにおいては、エリアの市場規模は100万人、ウエディングニーズについては横ばい傾向、顧客の傾向は多種多様になってきているということが浮かびあがります。さらに競合他社の存在を考慮し、その中に自社がいるという位置づけで、3 C分析をしていきます。
右肩上がりのマーケットでは、POP(Points-of-Parity)、つまり同質化が一般的でした。同業他社の真似をしておけばいいという考えで、ブライダルで言えば人気の会場のデザインを模倣し、料金もなるべく合わせていく。しかしながら、今後求められるのはPOD(Points-of-Diff erence)、他ブランドにない差別化ポイントを訴えていくことです。POPのように、他社がやっているから自分達もやるという考えは、従業員のモチベーションを下げることにもなります。ブランディングはスタッフも含むため、自分たちの強みを活かして事業展開している会社と他社の真似をしている会社ではモチベーションや業績に差が出てくるのは当然です。
その点、3 C分析を進めていく際にも、他社が持っていないもので、自社だけが所有していることが何かという発想が大切です。例えば婚礼料理一つとっても、他社ももちろん料理に力を入れています。では自社の強みとは何かというと、顧客の好みや要望をヒアリングし100パターンの料理を出せるなど。そういったことが自社の強みとなっていきます。これまでは、均一性だけで勝負していたわけですが、一歩先の努力をしていかないと勝てなくなっています。
それに+αで取り組んでいくのが4 P× 4 C分析です。4 P分析Product( 製品サービス)Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション)は、多くの企業が対応しています。一方、4 C分析まで至っていないことが多いのも事実です。 Product(製品サービス)に対して、顧客が本当に求めているものは何なのか。Price(価格)において、顧客がどれだけのコスト分を負担できるのか。Place(流通)は、購入利用する際にどのようなことに費用対効果やホスピタリティを感じているのか。Promotion(プロモーション)について、どんな広告主体やコミュニケーションをとれば利用してくれるのか。カスタマージャーニーと呼ぶこともありますが、ここをどれだけ分析できているかで、情報収集フェーズの精度が高まっていきます。この情報を整理し言語化していくことで、他社にはない強みを明らかにしていきます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)

