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社長自ら臨店し指示 日々の接客を見直し【エスクリ 代表取締役社長 CEO 渋谷守浩氏】

社長自ら臨店し指示 日々の接客を見直し【エスクリ 代表取締役社長 CEO 渋谷守浩氏】

「地方も含めた全店舗を回り、日々の接客を見直していく」。そう語るのは、エスクリ(東京都中央区)代表取締役社長CEOの渋谷守浩氏だ。企業のトップからの指摘は現場にとってもいい“緊張感”になり、こうした積み重ねが今後の業績に繋がってくる。2021年以降の店舗展開となる名古屋、銀座でのレストランウエディングをはじめ、好調に推移する一般宴会の可能性のほか、業界団体の中でも特に渋谷氏が力説する『横の繋がり』の重要性も追った。

――2024年3 月期の通期決算では、営業利益が回復しました。25年3 月期の業績予測では、前期比で+1.7%の単価アップを想定しています。

渋谷「当社の特徴の1 つが、サービスやドレスなど各コンテンツの内製化。カップルのニーズをキャッチするのはもちろんのこと、その掴んだ情報を商品企画、日々の接客、今後の施行にいち早く反映させることが重要であり、そのスピード感は内製化しているからこそとの考えです。いいものを提供するという意味では、日々の業務から見直しは必要。ここ最近の取り組みとして、地方の店舗を含め、私自身積極的に全国の施設を臨店しています。2 ~ 3 年かけて、全事業所を回っていく計画で、実際に訪問してみると、ブラッシュアップに繋がる色々な発見があるわけです。例えば音楽。打合せサロンでは元気のいい音楽を流していることもあり、『いつもこれなので』と、なんとなくになっているケースも見られました。もう少し落ち着いた音楽の方が打合せにはいいでしょうし、ドレスショップも同様で、例えば入った瞬間に気分の上がるような香り、細かく言えば空間にマッチするスリッパになっているかなど。このあたりは全て私自身が直接現場を見て指示を出し、店舗の雰囲気を大きく変えました。」

――臨店の際、社長自らスタッフとのコミュニケーションも積極的に図っています。

渋谷「メンバー全員と2 ~ 3時間かけて会話。特にコロナ期間に入社した若手にとっては、私の存在が“モニター越しの人”になっていましたから、直接会って話すことを重視しています。キッチンの設備環境、例えばクーラーの冷気は隅々まで届いて働きやすい環境になっているかなど、これも足を運ぶから分かるもの。『修繕した方がいい』というものなどは私の目で判断し、すぐに指示を出すようにしています。」

――社長直々に接客指導をすることもあるそうですね。

渋谷「当社は駅近ビルインタイプの施設を得意としているものの、例えば都市部の施設などは、窓から見える周辺ビルの工事などの外的なマイナス要因の影響を受けることも。こうしたタイミングでの新規見学の際は、スタッフがどの位置に立って接客するかによって、成約率に違いも出るわけです。従来の立ち位置ではなく、工事の見えにくいようなポジションで案内できているかなども確認。こうすることで、翌週から数字が伸びてきたという店舗も実際にあります。もっとも、ハードだけを語るのではなく、例えば内製化しているからこその関連商品などの魅力を語ることの方が重要でしょう。今の時代、各施設ともチャペルとバンケットは十分立派ですから、例えば他施設と当社式場を比較検討しているカップルに対し、ハードスペックの話をしても結局は好みの問題も出てくるわけです。数年後に結婚式の思い出を語るとなった場合、話に上がるのはどんなチャペルだったのかではなく、プランナーからどんな提案を受けたか、当日のサービスはどう心に残ったか。その部分で勝負できるよう、支配人はもちろん、私も臨店しながら、ソフト部分の重要性を伝えています。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1日・11日合併号)