LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

相談所開設の加盟店事業が好調【IBJ 取締役 横川泰之氏】

相談所開設の加盟店事業が好調【IBJ 取締役 横川泰之氏】

厚生労働省の発表によると、2024年の婚姻組数は48万5063組。前年から微増はしたものの、2年連続で50万組を下回った。ブライダル業界としても婚姻数の減少は大きな課題であり、「結婚したい」という男女へ出会いの機会を提供することは重要だ。そのなかで、結婚相談所などの婚活サービスを展開するIBJ(東京都新宿区)は入会者数のほか、加盟店事業も好調に推移。昨今の婚活のトレンド、連携を組む重要性など、取締役・横川泰之氏に聞いた。

―― 4 月に発表した『2024年度成婚白書』では、昨年の新規入会者数は、2019年対比で20代男性336.4%、女性は195.5%となっています。30~34歳においても男性241.0%、女性157.2%と、大幅な増加が見られました。婚活市場の昨今の傾向などは。
横川「当社の結婚相談所はもともと30~40代の入会が多かった一方、この数字からも分かるように現在は20~30代において著しい増加が見られています。もっとも40代以上の入会数は減っておらず、こちらも増加の状況。要するに、これまでのニーズにプラスし、比較的早い年齢での成婚を希望する男女が、ここ5 年ほどで大きく増えてきたわけです。コロナ以降はマッチングアプリも主流になった一方、アプリでの出会いは複数回のメッセージのやり取りはもちろん、実際に会う日の調整なども必要で、そこには一定のコミュニケーション力も求められる。結果としてアプリで“勝ち組”になれるのは、ごく一部とも言えるでしょう。アプリユーザーの中には、現時点で結婚にはそこまで前向きでないというケースも耳にしますから、そうした見極めもまた難しさと言えます。また、入会希望者増加のもう1つの背景は、そもそも恋愛経験のない、または極端に少ないという男女が増加している点。『異性とのコミュニケーションが不安』という声も多く、自信を持てないからこそ、相談所のアドバイザーに徹底サポートしてもらう方が、“得策”と考える傾向も見て取れます。」
――IBJの会員ネットワークを活かし、システムやノウハウを提供のうえ、個人・法人ともに結婚相談所をスタートできる『加盟店事業』も好調な伸びを見せています。2025年12月期第2四半期決算の発表によると、加盟店事業の売上は前年同期比109.8%となりました。
横川「今夏時点での加盟店事業における個人、法人の割合は、7:3 。副業OKの流れなどもあり、個人からの問合せは堅調に推移しています。加盟金以外にそれほど初期費用はかかりませんので、会員を5 名くらい集めて事業を展開、成婚を目指していければ、基本的に投資回収は可能という部分も、婚活事業への挑戦の後押しになっているかと。法人に関しては結婚式場、ホテルをはじめ、美容サロンなどとの相性もよく、引き合いは多くなっています。例えばウエディングプランナー、ホテルスタッフであれば持ち前の高い接客力を活かせますし、多様な働き方という面でメリットになることもあります。実際、当社で活躍中の婚活アドバイザーの中にはプランナーからの転職も多い状況。人生のパートナーを見つけるサポートをする仕事ですから、個人・法人問わずやりがいを感じられる点は、加盟店になるうえで大きいと言えるでしょう。」
――既存婚礼媒体からの新規来館が厳しくなる中、ブライダル企業が加盟店になり、成婚退会者へ結婚式を案内できるのは、本業の集客面でアドバンテージになります。
横川「婚礼事業者の展開する相談所で出会った成婚退会者のうち、結婚式を希望するカップルは、その施設で式を挙げる流れが大半。2 人の出会った大切な場所ですし、お世話になったアドバイザーもいるとなれば、候補になるのはもちろんのこと、他施設と比較検討の状況でも優位なポジションに立てます。中には、100%に近い数字で、ウエディングの“自社送客”に繋げている施設もあります。」
――2024年の婚姻組数は約48万組と、過去最少だった2023年から2 年連続で50万組を割りました。こうしたなか、8 月には婚活事業を展開するタメニーとの資本業務提携を発表。IBJのノウハウをタメニーに共有し、共同マーケティングでのCPAの最適化のほか、業界の成長発展を目指すとしています。
横川「いわゆる結婚適齢期とされる人口は約2800万人。『結婚したい』という男女を80%とすると、2000万人以上は“潜在層”と捉えることもできるわけです。当社会員はおよそ10万人ですから、まだまだ多くの人たちにサポートを提供できる伸びしろはあると言えます。現在日本の婚姻数のうち約3.3%にあたる夫婦が、IBJを通じた出会いになっています。この割合を、今後は5 %程度まで伸ばしていきたい。この先も婚活サポートを安定的に提供していくうえで重要なのは、業界全体を盛り上げていくことだと強く感じます。仮に1 社が“倒れた”となれば、業界に対する負のインパクトは相当大きなものになってしまいますから。業界内でタッグを組んでいく他、子ども家庭庁など官民連携の動きも通じて、地方を含む結婚希望者へのサポートを展開していきたいですね。」
――ブライダル各社との連携についてはいかがですか。
横川「現在は、ウエディングフォトを手掛けるデコルテとの資本業務提携も締結しています。ノバレーゼの株も引き続き保有していますし、IBJから生まれる成婚カップルが増加していることを考えれば、ブライダル施設への送客はもっと強められるはず。写真撮影のみなどカップルのニーズも多様化していることもあって、デコルテとの提携に至りました。先日は『未来ウエディングJAPAN』にも加盟しましたので、ブライダル業界との連携はより強めていきたい。特に送客面などで、貢献できればと考えています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)