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キーマンに聞く

業務支援の役割を推進【リクルート Division統括本部 マリッジ&ファミリー Division Division長 舘康人氏】
リクルート(東京都千代田区)は4月、Division統括本部マリッジ&ファミリーDivision・Division長に舘康人氏が就任したことを発表した。同事業部の発行するゼクシィも、今後は舘氏がその手腕を発揮していくことになった。同氏は2015年リクルートホールディングスの経営企画室室長に。各事業の様々なリソースを熟知しているバックボーンを活かして、ブライダル業界にも情報メディアの役割だけでなく、様々な業務支援を推進していくことになる。ゼクシィの果たすべき役割を、舘氏とマリッジ&ファミリーDivision・営業統括部統括部長の衣笠歩氏に聞いた。
少人数でも儲かる仕組み
――コロナが落ち着いている現在のマーケット状況を、どのようにとらえていますか。
衣笠「昨年末から来館も増え、4 、5 月以降はエリアによってはコロナ前の100%以上になるなどさらに回復しています。特に都市部の戻りは早い一方、東北、九州エリアはまだ戻りきっておらず、これはもともと列席数が100名を超えていたこと、また慎重に構える県民性というのも影響しているのかと。施行ベースでもキャンセルは減って回復してきましたが、とは言え現状の課題は人数と単価。以前は全国平均60名以上でしたが、まだ50名を割っているエリアもあり、そのため売上は完全に戻り切っていません。」
舘「コロナの影響は、ブライダルだけでなく多くの分野にも共通しています。そうした中で、特に回復の早いのは旅行分野。当社では旅行予約サイトの【じゃらん】を展開していますが、春先に弾みがついてホテル、旅館は活況です。今後は県民割などでさらに後押しされていくことも予想され、恐らくシニア層の動きが活発になります。これは結婚式に慎重な親世代の意識を変えることになり、マインド部分でいい影響をもたらすでしょう。それを踏まえ、ゼクシィとしてもCMを積極的に打ちながら、マインドを高め需要喚起しています。」
――課題になっている少人数化について、コロナの影響だけでなく、価値観の変化により今後定着してしまう可能性もあるのではと危惧しています。そうなると会場としても少人数の獲得を求められるわけですが、単価の低い結婚式をこれまでのようにゼクシィに広告費用をかけて集めていけば、採算を大幅に悪化させる懸念もあります。
衣笠「まず、少人数Wがコロナの落ち着いた段階でどうなっていくのかを、慎重に見極めています。世代観を含めて、少人数はさらに一般化していくのか。仮にそうであった場合、ゼクシィでは流れに逆らう動きではなく、きちんと対応していく方針です。カスタマーの捉え方を広くし、掲載情報も少人数高単価、低単価、フォトなど拡充することで、よりマッチングしやすいような状態を作っていく。一方で、結婚式場が費用対効果を出すためにどうすればいいのかという課題もあるでしょう。例えば少人数用の広告プランなどを検討していく必要があるのかもしれません。少人数でも儲かるような仕組みを、クライアントと共に作っていくことは大切ですから。」
舘「ゼクシィがカップルから支持を獲得しているのは大事なポイントであり、それを維持するためには多様化を積極的に取り込んでいくのは当然。とは言っても会場でグロスが下がり、広告費をかけても儲けていけるかという点はメディアとして問われるところです。私達に出来るのは、広告以外の業務効率化という面でも、式場の役に立てるようになることかと思います。」
人材不足補うサポート
――集客のみならず、経営のサポートということでしょうか。
舘「実際にリクルートでは、これまで様々な分野で業務支援を手掛けてきました。例えば飲食業向けのPOSレジアプリ『Airレジ』もその一つで、店舗の決済周り、会計業務を支援しています。そうしたサービスを、ブライダル業界へどのように当てはめ、お役立ちポイントを増やしていくかは今後重要になってきます。ゼクシィに来て感じるのは、ブライダル業界はスタッフの管理や採用、離脱防止の面でまだまだ課題は多い。飲食業の事例として、コロナによって大きな打撃を受けこれからV字回復しないといけない状況なのですが、店を運営していくためのスタッフ人材がいない、戻ってこないという状況です。そこでホットペッパーでは、予約をメールで受け付けるシステムや、メニューのオーダーをスマホで対応できるような仕組みを提供しています。接客に集中できる環境を提供しつつ、ホールに5 人配置していた人材を2 人で対応できるようにする業務支援サービスの一環でもあります。ブライダル業界でも人の関わるコアな部分、ノンコアな部分の仕組み化ができるかを早急に明らかにしていく。その上で、当社が他の業界で提供していたシステムをカスタマイズして転用、または自社開発で提供していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)

