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旅館Wは8件受注【小野写真館 代表取締役社長 小野哲人氏】

旅館Wは8件受注【小野写真館 代表取締役社長 小野哲人氏】

 MAで伊豆の高級旅館を取得しフォトアプリサービスを事業譲受するなど、多角経営を進めている小野写真館(茨城県ひたちなか市)。新型コロナの影響でウエディングフォトが追い風を受けるなか、その状況に甘んじず、代表取締役社長・小野哲人氏は果敢に挑戦を続けている。仮にイチ事業の業績が厳しくとも、それをカバーできる同社ならではの収益計上の仕組みとは。2022年も、小野氏の経営手腕から目が離せない。

2021年度は黒字回復

――コロナの影響が長期化していますが、業績の状況は。

小野「当社は9 月決算なのですが、コロナの影響をど真ん中に受けた2020年9 月期は、会社全体で売上が35%ほどマイナスに。ブライダル事業に関しては赤字となりました。一方で、2021年度は、コロナ前以上に売上も回復し、ブライダル事業も黒字で着地。結婚式・披露宴の分野を見ると、前期に関してはまだまだ半減レベルでしたが、想像を超えるウエディングフォトの伸びが、業績に大きく寄与しました。もともと当社がロケーション撮影を積極的に受注していたこと、横浜や東京のスタジオは基本的に貸切で運営していることなどが、コロナ禍のニーズにマッチしたわけです。ウエディングフォト事業以外にも、振袖やファミリー・キッズも好調に推移。披露宴事業のマイナスをカバーできたことが、会社全体の数字を押し上げました。」

――2020年10月に、静岡県河津町の旅館『桐のかほり 咲楽(さくら)』をMAしました。運営開始から1年が経ちましたが。

小野「都市部を中心に緊急事態宣言が長期間発令されていたこともあり、咲楽単体で見ると赤字でした。一方で、昨年1 月にオープンしたロケーション専門スタジオの『アンシャンテ伊豆』が好調に推移。伊豆事業をトータルで見ていくと、黒字になっています。アンシャンテ伊豆はロケフォト専門店なので、店舗自体に大々的なスタジオ機能も不要なため、出店コストが抑えられたのも大きかった。仮に旅館が損益分岐点に達していなかったとしても、旅館を拠点にした全体の事業から、しっかりと黒字化できる仕組みを構築しています。旅館といっても、咲楽の客室数は全部で4 部屋。施設を貸し切った婚礼も入っていますので、それも含めるとしっかりと収益が計上できるわけです。」

―― 4 部屋のみとなると、咲楽の業績はブライダルの受注状況がカギになってきます。

小野「今期でいくと、昨秋の段階で8 件ほど受注しています。難しいポイントとしては、旅行を兼ねた伊豆での婚礼は、ターゲットが日本全国のカップルになるということ。ありがたいことに、昨年3 月に放送された『ガイアの夜明け』の反響は大きく、『TVを見ました』と言ってくれるカップルも多く、マーケティングコストはかけていません。あわせて、茨城や東京、横浜の店舗に来店したカップルに向けて咲楽を紹介すると、そこで受注に繋がることも。家族を連れた宿泊型の婚礼となれば、基本的に2 泊分の客室が全て埋まります。結婚式の売上がオンされることもあり、旅館だけでは得られない収入に繋がるのも、特徴的と捉えています。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)