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新連載〔Web集客入門〕70%がウェブからの新規来館【賑屋 ブライダル事業部部長 大前友美氏】
皆様初めまして。大阪でレストランmitteを含め3店舗を展開している、賑屋の大前友美です。今月からウエディングのWEB集客について、実践例を交えながら紹介していきますが、初回は私の自己紹介と共に、当社のWEB集客の経緯について説明していきます。
mitteは、レストランウエディングも受注しており、1会場で毎年170組以上を施行しています。毎月の集客目標が45組となりますが、その経路は、現在は情報誌が30%に対し、WEB集客が70%。なかでも公式HPが半分を占めています。一組あたりの来館コストも、平均4〜5万円に抑えられ、こうした実績が他式場へクチコミで広がり、最近では、他式場にWEB集客のノウハウを提供するのが主な仕事です。
私がmitteに入ったのは、オープン年の2003年。ブライダルの仕事は初めてでしたが、プランナーとして新規接客、打合せ、施行の経験を重ねてきました。2010年に、ブライダルマネージャーに就任したのを機に、PL管理を任されることとなりました。そうした中で、WEBマーケティングの重要性を感じたのが2012年のことです。
それ以前は来館コストも一組あたり5万円平均でしたが、これが徐々に高騰し6万円を超えるようになっていました。当時は紙媒体8割、WEB2割という比率でしたが、紙媒体に限れば10万を超えることも。集客数を担保するためには、1000万円近くの費用を追加で投じる必要が生じ、マネージャーとして非常に頭が痛い問題でした。そこで、集客比率を6対4にすることを目標に、WEB集客の強化を始めました。集客経路別に数値を見ていくと、HP経由での成約率が断トツに高く、集客単価も安かったことがその理由です。
まずはHPの改修を重ね、それまでは大きい変更も3年に1回程度だったものを毎年に変更。簡単なものであれば3ヵ月、半年でどんどん変えていきました。さらに、何を載せてどういうページにするのかの設計やデザインをHP制作会社任せにせず、きちんと自分たちで要望を出すようにしていきました。HP制作会社が正しいのかという疑問も出ていましたし、より深く他ポータルサイトのことも理解し、顧客の検索動向についても自分たちの方が分かっているという考えからです。
さらにHPに関する研究も自社で重ね、北海道から沖縄まですべての式場のHPを全て確認していき、例えばボタン一つとっても、単なるフェア予約ではなく【らくらく】という文言を入れているなど、いい事例を取り入れていきました。また女性がよく使うショッピングサイト、情報サイトなども参考に。これは現在でも継続しており、全国の会場HPの確認は2ヵ月をかけながら、年に2回は実施しています。
同時に、いかにたくさんの人にHPに来てもらうのかを重視し、2010年から実施していたリスティング広告についてもさらに強化。口コミサイトで上位にいくための施策やSEO対策などを含めて進め、2015年に初めてWEBと情報誌の集客比率が逆転しました。
こうした対応は経営を預かっている私の役割でしたが、マーケティングやWEB集客に関しては自ら研究するしかなかったわけです。全国の会場のHP分析や制作のポイントなども自らが担当したほか、成果を測る上で基準となる解析に関しても勉強していきました。その流れで、2014年、15年にはGoogleアナリティクス認定資格、Adwords認定資格を取得。さらに2017年には、Googleだけでなく、より幅広いWACA認定ウェブ解析士の資格も取得しました。その前後には他施設からの相談が急増してきたこともあり、マーケティング、ウェブ解析の知識をリマインドし、証明する意味もありました。
もともとプランナーであった私が、WEBマーケティングを学んできたことで、ブライダルの現場感覚や女性目線を踏まえた対策が可能となっています。例えば、マーケティング分野には男性が多いのですが、実際にウエディングの予約をする人は、20〜30歳代の新婦です。HPの設計にしても、新婦の行動に沿っていることが大切。フォトギャラリー一つとっても、女性受けする画面を作ることでPVに違いが出てきます。またスマホを利用することも多いため、女性専用車両に乗って若い子のスマホの使い方を観察。とにかく見ているスピードが早いため、小さい文字では難しいという気付きに繋がります。ブライダルの場合、単に集客をするのではなく、呼んだ後の成約率こそが結果でもあります。顧客が結婚式、自社に何を求めて来店しているのかをしっかりとマーケティングに反映させなければ、単にPV数が増えても成約にはつながりません。プランナーとしての現場目線から判断し、より確度の高い顧客を呼ぶ必要があるのです。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月1日号)

