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キーマンに聞く

当日を細かくチェック クオリティ追求の飽くなき姿勢【東京會舘 常務取締役 星野昌宏氏】
東京會舘(東京都千代田区)星野昌宏常務のインタビュー第3回は、評判を維持するための当日クオリティの向上について。多人数、高単価層を取り込み、結婚式と同時に一般宴会の受注も好調に推移している状況で、好循環を今後も継続していくため、徹底的にクオリティチェックをしていくことが求められる。当日の現場を何よりも重視する意識、コンプレへの対処法、さらにトラブル要因となる持込み防止への考え方を聞いた。
絶対的な施行基準を示す
――結婚式、宴会の評判が、次に繋がっているとのことでしたが、だからこそそれぞれの施行のクオリティチェックはより重要になってきます。
星野「例えば最近、ワインのグラスが少し曇っているという話題が上がりました。東京會舘では絶対にあってはならないことですから、洗剤の問題か、洗い方なのか、保管や運搬などオペレーションに問題はないのかと徹底的に検証。アルカリ性洗剤を使いすぎていたとの原因をあぶり出し、直ちに全てを切り替えました。毎月、キャプテンミーティングも実施しています。宴会のセールスマン、ウエディングの管理職、キャプテン、調理、さらに常駐・主力パートナー60人ほどが集まり、今月のチェックリストを上げて、毎月毎月潰し込んでいます。仮にオペレーションで何かミスが発生した際にも、このミーティングの議題に上がります。」
星野「先日も、400人が列席した寺院関係者の結婚式で、こんなことがありました。送賓の立礼の際、両親が並ぶ流れに対し、披露宴中に両親をケアしていた介添えスタッフも一緒に付いていってしまいました。序列を非常に大事にする寺院関係の結婚式では、位の高い僧侶からという順番で誘導をしなければなりません。つまり先に退場しないよう親族を止めておく必要があるにも関わらず、親と一緒に介添えスタッフも行ってしまったため、テーブル全体をコントロールする役割の人もいなくなり、結果一番先に退場してしまいました。業界の段取りを考慮すれば、介添えはただ親にずっと付いていればいいというわけではありません。結果としてクレームにはならなかったものの、段取りを綺麗にスムーズに進めていくことを基本とする東京會舘としては、決してあってはならないミス。こうしたこともミーティングに上げて、今後の改善策を出していきます。」
――結婚式・宴会に関わる人すべてが、東京會舘のクオリティという絶対的な基準を満たせるかを常に追求しています。
星野「そういう1 つひとつの、本当に細かいことをチェックしながら、オペレーションを確立してきました。他にも、外式の対応が課題に上がりました。と言うのも、新郎新婦、親の支度を館内で対応した後、出発までを誰がケアするのか。外式で早い時間になる以上、介添えはさすがに依頼できないため、コントロールはプランナーの役割となります。しかしながら、タクシー乗り場でお仕度を終えた新婦と親が鉢合わせしてしまい、お互い戸惑いを感じながらの出発になってしまいました。それならば先に親とのファーストミートを実施しておき、まずは両親を送り出した方がスマートに流れます。さらに他の結婚式の人たちと顔を合わせない動線も大切で、こうした部分にもキチンと対応するのが東京會舘であるわけです。」
――宴会も同様ですね。
星野「結婚式、宴会共に、社長、総支配人が館内巡回だけでなく、映像を見ながら現場を全てチェックしています。例えば株主総会の時に、ポールパーテーションを置いている位置に対して、そこに置くことを顧客に断っているのか。また、何故あそこにスタッフがいるのか、逆にいないのかなど、本当に細かくチェックしています。宴会でも業界や企業毎の様々なしきたりはあり、わざわざ言われなくても対応するのが東京會舘を選んでもらうメリットです。」
――クレームは総支配人室で全て一括対応していることで、課題も明らかになり、オペレーション改善に即繋げています。
星野「オペレーションに精通している人員を集めた総支配人室の下に、結婚式、宴会が存在するという位置づけです。当日施行の忙しい時でも、総支配人室であればクレームに対してもきちんと対応できます。先日の結婚式では、父親を亡くしていた新郎から、謝辞はお世話になった叔父にお願いしたいという依頼を受けていました。ところが欠席者の出た関係で席次も当日に変更となったため、謝辞に大叔父を指名するというミスが起こりました。プランナーはすぐに謝罪し、事情を話したら納得してくれたと報告はあったものの、謝辞を予定していた叔父は内心本当にガッカリしたはずで、東京會舘としてはあってはならないミスです。許してくれたで済ますのではなく、キチンと対応しようとその後に直接叔父のもとにお詫びに行きました。起こったことは全て事実として、会社としてどのような対応をとるべきか。それを総支配人室のコントロールによって、明確に指示しています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月1日号)

