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婚礼料理をリニューアル【ホテルニューオータニ大阪】

婚礼料理をリニューアル【ホテルニューオータニ大阪】

 ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)は7月1日、婚礼メニューをフルリニューアルした。4月1日に総料理長に着任した小出裕之氏が、最初の業務として開発に着手。60年以上受け継ぐコンソメは、洋食4コースに組み込んでいる。14歳で料理人を志し、トゥールダルジャンのパリ本店や国内のレストラン、宴会部門、ホテルニューオータニ幕張の総料理長を経験してきた小出氏に、新メニューの特徴と現在の料理につながる歩み、総料理長としての役割を聞いた。

40周年を機に全面刷新

――婚礼メニューのリニューアルに至った経緯は。

小出「4月1日に総料理長に着任し、今年9月の開業40周年も踏まえ、最初の業務として新メニューの考案に着手。3週間ほどかけて開発、料理のフォルムや表記を整えたうえで撮影し、新郎新婦に提示する冊子まで制作しました。7月1日に公開し、今期後半から2027年の婚礼検討カップルに案内しています。既に旧メニューの成約者にも新メニューを試食してもらい、希望に応じて変更できるようフレキシブルに対応しています。以前は和食や和洋折衷を含めて10コースあり、選択肢も多い分、どれを選ぶべきか迷うケースもありました。そこで洋食4、和食は2、中華1の計7コースに整理し、内容が伝わりやすい構成としました。」

――新洋食コースの特徴は。

小出「洋食4種類はフランス料理を基本とし、前菜からデザートまでを1つの“物語”として構成しました。各コースの名称に意味を持たせ、そのテーマを食材や料理の構成を通じて表現しています。例えば『Royal(ロワイヤル)』は、高貴、格式高いという意味を持ち、『格式あるおもてなしと、未来への堂々たる一歩』をテーマとしています。キャヴィアやオマール海老などを取り入れることで、格式と華やかさを演出。前菜からデザートまで量、香り、味付けに強弱をつけながら、未来へ歩み出す2人の門出を表現しました。味はもちろん、婚礼料理は華やかさも重要。写真を見て、メニュー名を読んだ時、どのような料理かを想像しやすいことを重視しました。例えば魚はお祝いの席にふさわしい真鯛を使い、前菜にはキャヴィアを取り入れるなど、豪華さと分かりやすさを両立。あわせて大切にしたのは自分の料理に寄せるのではなく、伝統を守ることです。当ホテルが60年以上受け継ぐコンソメは、洋食の全メニューに組み込みました。伝統を守り、未来へつなげるためにも、提供し続けていくべき料理だと捉えています。メインまで食べた時のボリュームや味のバランスも含めて、新郎新婦から好評を得ています。」

パリで磨いた料理の土台

――これまでのキャリアは。

小出「料理人を志したのは14歳の時。何気なく見た番組で、料理人の技術と人を感動させる一皿に感銘を受けました。調理師免許を取得できる高校を選び、卒業と同時に料理の道へ進みました。ホテルニューオータニに入社したのは、東京のニューオータニに世界唯一の支店があり、パリに本店を置くトゥールダルジャンで働きたかったため。もちろん入社してすぐに入れる職場ではなく、約6年間は別のレストランで経験を重ね、20代半ばで配属となりました。その後自分の技術がどの程度なのかを試すため、前菜、メイン、デザートから成るコースの構成を競う『料理コンクール』に出場し優勝。副賞としてスイスのホテルで3ヵ月間研修する予定でしたが、同じ時期にトゥールダルジャンのパリ本店から1年間の勤務を打診され、スイス研修を辞退してパリへの挑戦を選びました。パリ本店では2時間で約100名に対応する忙しさ。渡仏から3ヵ月後には肉部門と、ソースを作る責任者、そして花形である鴨料理を任せてもらいました。今まで積み重ねてきたことは間違っていなかったと感じましたね。」

小出「帰国後はトゥールダルジャン東京に戻り、その約1年後には、ホテルニューオータニ大阪のメインダイニング、フランス料理『SAKURA』を任されます。メニューを含めて全ての責任を負う立場となって、自分の料理を出せる喜びが大きかった時期でした。その後は東京で宴会部門の料理長、レストランや統括業務を経験し、皇室関係や国賓のご宴席も担当。秒単位の提供と繊細な火入れが求められ、120%の力で臨まなければならない仕事で、料理の幅が広がる良い経験をさせてもらいました。フランスで触れた文化や伝統、食材を引き立てるソースの考え方に加え、大規模宴会の経験なども現在の婚礼料理につながっています。」

若手を前面に出す組織へ

――総料理長として、今後取組みたいことは。

小出「2022年にホテルニューオータニ幕張の総料理長に就任し、料理だけでなくホテル全体の運営も経験。婚礼で毎月のブライダルフェアに合わせ、その月に来館したカップルだけが選べる新しいフルコースを毎月1本作成したこともあります。また、新郎新婦の出身地の食材、両親の好きな料理などをヒアリングし、披露宴ごとのオーダーメイド料理として提供してきました。記憶に残る一皿を聞き取り、予算の範囲でどこまで応えられるかを考えることも、総料理長としての大切な役割だと思っています。約13年ぶりに大阪に戻り、現在は婚礼、宴会、レストランを含む料理部門全体を見ています。全てを自分で作る立場ではないため、味や料理のクオリティを細かく確認し、スタッフに正確に再現してもらうことはこれまでとの違い。私一人でチームを引っ張るのではなく、若手や優秀なスタッフを前に出しつつ、進む方向が違う時には正していかなければなりません。当ホテルの強みは、部門の垣根を超えて協力できる関係性。料理人だけでなく、ホテル全スタッフの力も掛け合わせることで、可能性は無限大に広がります。最終的には、新郎新婦が人生の中で結婚式を振り返った時、『ホテルニューオータニ大阪で良かった』、『あの時の料理は美味しかった』と、思い出してもらえる瞬間を提供することが目標です。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月21日号)