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名実ともに日本一目指す【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

名実ともに日本一目指す【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

 2022年7月期決算で、過去最高売上、施行数を発表したブラス(名古屋市中村区)。1チャペル1バンケット、プランナー一貫制などを武器に、コロナの影響からいち早く脱出した企業の代表格だ。ブラスの強さの理由には、サービススタッフの自社雇用など人材が挙げられる。代表取締役社長・河合達明氏が常々口にする「いい結婚式創り」は、どのように社員、アルバイトに浸透しているのか。インタビューから“ブラスイズム”の強さの秘訣に迫る。

『ブラスラブ』は常に携帯

――通期決算において過去最高売上を発表するなど、コロナの影響からの回復も早く、好調に推移した1 年でした。

河合「結婚式を開催してもいいという空気感も高まり、当社に限らずコロナ前の2019年対比でプラスになったという式場も多かったかと。一方でその中には、結婚式を延期していた人たちも加わっているのは当然ですから、業界全体でも来年以降が勝負になってくるでしょう。少人数化を止められないという人もいますが、私自身呼びたい人は全員呼べばいいとの考え。結婚式の招待状が届くと、やはり嬉しいものですから。『こういう状況なので声を掛けるか迷っている』というのであれば、『ぜひ呼んでみましょうよ!』と、私たちから積極的に参列を促していくことが重要ではないかと。」

――今年は創業25周年、ハウスウエディング事業をスタートしてからは、20周年の節目の年となります。

河合「1 号店の『ルージュ:ブラン』を愛知県一宮市にオープンしてからもう20年かと思うと、やはり感慨深いものがありますね。この記念イヤーの新しい取り組みとして、1 月には経営理念や行動指針などをまとめてカードにした、『ブラスラブ』をブラッシュアップします。当社ではアルバイトスタッフも全員直接雇用のスタイルをとっており、Pretty Jobの略称で『PJ』と親しみを込めて呼んでいます。ブラスラブはPJも含めて、スタッフ全員がカードをポケットに入れるなどして常に携帯。そもそもこれを作ったのがウエディング事業開始の1 、2 年目でしたから、これまでの20年を一旦節目に、ここからの未来に向かってさらに進んでいこうとの想いですね。構想からは2 年以上、中心となる『ブラスラブリニューアルプロジェクトチーム』の立ち上げから、1 年がかりとなりました。」

――ブラッシュアップとのことですが、変更点のほか、追記内容、継承部分などは。

河合「まずカードの1 番目立つ部分に記載した『それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る』という日々の使命と、『笑いと涙の結婚式』というスローガンはもちろんそのまま。やはりこれはブラスの根幹部分で、変えてしまえばブラスではなくなってしまいますから。次に記載した目指す未来、ビジョンの『ブライダル業界で名実ともに日本一となる』は、新しく追加した部分です。ハウスウエディング事業をスタートして間もない時に、日本一を目指すとはやはり言えなかった。何しろ当時、『10店舗を目指す』と口にしたら、『無理だ』と笑われてしまうこともあったくらいですから(笑)。有難いことに会社もここまで成長し、多くのカップルの結婚式をプロデュースしてきた実績も増えたので、じゃあ日本一を本気で目指そうよと。売上、利益を上げていくのはもちろんですが、評判や満足度もしっかり追求していけるようにとの考えで言語化しました。」

――名実ともに日本一になるためには、社長自身かねてから大切にしてきたファンづくりが基本になっています。

河合「式を挙げたカップル・ファミリーを招待して、家族写真を撮影する夏祭りは毎年開催。参加者の多い施設では2 日間、合計16部に分けて開催するなど、今年は過去最多の約4600組、1 万人以上の来場となりました。一方で、当社の企業理念などに賛同し、私に講演を依頼してきた知人と先日会った際に、『娘が結婚するのですが、会場はブラスではなくて…』と言われてしまったわけです。夏祭りの参加組数からも分かるようにブラスのファンは確実に増えてきているものの、『これが現実か』と痛感しました。そもそも数百万円の買い物をするのにも関わらず、多くのカップルは成約前に誰にも相談しないケースも多い。見学1 ヵ所目の会場を気に入ったとなれば、その場で成約することも少なくありません。ファンづくりは一朝一夕でなし得るものではないからこそ、発信も含めて、今後も愚直にコツコツと向き合っていく必要性を再認識しました。」

発信も強化を図る

――ブラスラブの裏面には『ブラスの基本』と題した、26の項目を記しています。

河合「以前は18項目だったので、8 つプラスしました。こうした細かい部分は現場を含む全社員から意見を出してもらい、店舗ごとに声をまとめて提出。半年前にたたき台が出来上がり、プロジェクトチームから公開したところ、たくさんの意見がまた集まりました。常に携帯するものになるわけですから、たたき台が出来上がった時には、『社長!これも入れましょうよ!』といった声や、一字一句細部まで見て意見を出したスタッフもいましたね。」

――追記した項目の中の1 つに『放置しません』とありますが、この意味は。

河合「これはブライダル業界全体の課題と感じていますが、結婚式という初めての経験で、新郎新婦は不安を抱くわけです。仮に1 年前に予約を入れたとすると打合せを始めるまでに、どうしてもタイムラグが生じてしまう。もちろんすでに打合せをスタートした他の案件もあることは十分承知ですが、今は電話以外にもメールやLINEだってあります。当社ではカップルの希望に応じて打合せの回数を増やすことも可能ですが、とはいえ直接の打合せを月に1回とすれば、やはりそれはそこまで多くはない。メールの返信が遅いなども含め、クレームの“種”は、やはり放置からくるものではと思っています。そこを言語化し、肝に命じて改めて徹底していこうということです。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)