LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

みんなのW×ブライダル産業新聞合同企画 〔連続企画第7回【本番・設備】〕リアルを確認するため投稿写真が見られる【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須裕子氏】
ユーザーからの口コミが会場のCSを測る基準とするならば、どのような視点でチェックしていくべきか。くふうウェディング(東京都中央区)の『みんなのウェディング』と本紙合同でそれぞれのカテゴリーの傾向と分析をまとめていく連載企画。7回目の今回は、【本番・設備】。公式の写真だけでは把握もしづらい設備は、投稿写真を見て確認する傾向も強い。さらに結婚式を実施した新郎新婦は、本番当日を過ごしてはじめて気づくことも多い。
投稿写真は2.5倍見られる
結婚式場の細かな設備は、公式写真を見てもなかなか把握できない。そこでカップルが参考にするのは、実際に来館した人の撮影したリアルな写真。実際にみんなのウェディングのサイトにおいても、公式写真より投稿写真の方が見られている。
「今年1月からの各月のフォトページの視聴に関する分析結果を集計したのが、上記の表です。数値は【1人あたりの閲覧写真数】で、写真ページのPV数をユニークユーザー数で割った値として出しています。公式写真、投稿写真のそれぞれの写真ページに1 ユーザーがランディングした時点で1カウント、その後掲載されている写真を閲覧するたびにPVが加算されます。つまり1 ユーザーあたり、どれだけ多くの写真を見たかの指標。実際に公式フォトのページと、投稿のページを比較すると、投稿の方が3倍近く見られています。投稿写真を掲載しているページの方がニーズは高く、ユーザーも公式写真以上に入念にチェックしているということが明らかです。」(プロダクト企画部部長・竹中達郎氏)
その理由としては、公式写真はどの式場も似通った内容で、さらに細部が見えにくいため投稿写真を確認している。また、公式写真はチャペルや披露宴会場中心で、控え室、通路、廊下などの動線に関する写真はほとんどない。素敵だなと感じながらも、実際はどうなのかと思うユーザーが、投稿写真にアクセスし細部を確認している。
では投稿内容は、どのようなものがあるのか。設備については、特に【下見】クチコミで厳しい投稿が多い。庭を見たら落ち葉が池にたまっていて掃除されていなかった、トイレのにおいが気になる、トイレの鍵が壊れていた、鉄の部分が錆びている、カーテンが古びているなど。【下見】では、そうした部分への印象を強く持たれやすい。
動線を指摘する投稿も多い
一方、結婚式を実施した人たちの投稿である【本番】や、ゲストの声である【招待】の投稿で多いのは、会場のレイアウトに関するもの。通路が狭い、歩きづらいといった指摘だ。
「新郎新婦も下見の時には、装飾のない状態で見ることが多いと思います。実際に結婚式を経験してみて、下見時とのギャップは、目につきやすいようです。また本番では、装飾系に関する指摘も多く見られ、例えばお花が少ない、ちょっと貧相に見えたといったもの。他には、控え室に関する指摘もよく出てきます。控え室が使いづらかった、親族控室が両家一緒だったためせめて仕切りだけでも欲しかったなど。音響について、音量に問題があったという投稿も見られます。」(レビューアナリスト・黒須裕子氏)
例えば、バージンロードが狭いためにボリュームのあるドレスでは歩きにくかったという投稿。下見時とは違い、本番の投稿者はドレスを着用した実際の使用体験を通して、通路の狭さを実感している。本番でこうした指摘が出てくる以上、会場側から事前に説明しておくことは必要だろう。説明一つしておけば、本番後にネガティブな投稿にはなりにくい。
「指摘の多い控え室についても、当日に新郎新婦自身が使うわけではないため、事前説明を受ける際の優先順位も下がりやすいといえます。新郎新婦のコメントを見ると、下見時に特に案内もなかったので気づかなかったという声も多い。確認せずに当日まで進んでいき、本番を迎えてゲストからの指摘で色々な課題に気づくというケースも多々あります。」(黒須氏)
控え室スペースが狭い、通路から丸見えなど、いわば施設にとって弱点である場合、どうしてもそこを隠そうとする意識も働く。もっとも、後々ゲストからの指摘により新郎新婦にネガティブな想いを生じさせてしまう可能性がある以上、事前に控え室や動線も含めて案内し、理解を求めることは大切だ。
「仮に着替えの出来るスペースがなければ、それを招待状に事前に書いて案内しておくことも可能です。逆に、そういった部分もしっかり案内し、その上でプランナーが提案してくれたという場合は、ポジティブな投稿に繋がります。」(黒須氏)
その他に指摘されやすい部分としては、カーテンや絨毯の汚れ、イミテーションケーキに埃がかぶっていた。また喫煙所の匂いが外にまで漂っていたという投稿は非常に多くみられる。それ以外にはチャペルの椅子の硬さ。高齢の参列者にとっては30分以上座ることもあるため、椅子が硬いのはネガティブな指摘になりやすい。
赤ちゃん連れへの配慮
「新郎新婦の年齢を考えると、赤ちゃん連れのゲストに対する配慮も大切にしています。例えば、ベビーカーでの移動が難しい動線は指摘されやすい。一方、トイレにオムツ交換台を設置していれば、そこは高く評価されています。これは細かな部分ですが、赤ちゃんを寝かせるための簡易で小型のベッドを有料オプションでレンタルしたものの、汚れていて衛生面の不安から結局使わなかったというコメントも。子育て経験のあるママさんから見れば、赤ちゃんへの配慮が不足していると感じさせてしまいます。」(黒須氏)
設備に関しては、会場内の暑さ、寒さも課題だ。特に猛暑の季節は、ガラス張りの会場であれば窓際と内側で空調の効きも異なり温度調整は難しい。
「実際に本番当日には、暑い、寒いといった小さな声を発するゲストもいるからこそ、その声に意識的に耳を傾けておく。また、スタッフ側から声を掛ける配慮も大切でしょう。例えば席によって映像が見えない、マイクの音が聞きづらいといった場合も、小さな声をキチンと拾うことで、改善に繋がっていくと考えられます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)

