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キーマンに聞く

パーティを2回に分けるスタイル【鳥善 代表取締役社長 伊達善隆氏】

パーティを2回に分けるスタイル【鳥善 代表取締役社長 伊達善隆氏】

「浜松市内で運営しているTHE ORIENTAL TERRACEは、6 月までの受注がほぼ延期の状態。7 月も80%程度が日程変更となりました。一部秋施行のカップルも不安が大きいとの理由から年明けにずらすなど、長期的な影響も出ています。施設内でレストランも運営していますが、休業要請を受けてゴールデンウィーク中は飲食事業も含めて店舗をクローズ。GWが明けてすぐに『食事に行こう』という消費者意識は出にくいと判断し、レストランは5 月10日まで営業を休止しました。新規来館も2 週間ほど動きがなかったことを考えると、長期的な影響になってくるとも言えます。とはいえ浜松は5 月中旬の段階で3 週間ほど感染者も出ておらず、明るい兆しは見えてきました。経済活動も少しずつ復活していく一方で、秋以降の顧客に関しては『ゲストを大勢呼んでパーティ自体をしてもいいのか』と、人数帯を気にする可能性が高いはず。担当プランナーを中心に新郎新婦としっかりコミュニケーションを取って、ゲストの人数減やこれ以上の日程変更に繋げないことがポイントになってくるでしょう。」

「緊急事態宣言も明けて基本的に施行できる状況とはいえ、カップルの不安はまだまだ大きいはず。上司や家族などに結婚式の案内をした際には、『会場のコロナ対策は万全か』と聞かれる可能性が高いわけです。ホームページなどでもすでに掲載していますが、新郎新婦と列席者がスムーズにやりとりでき、かつ顧客に安心を提供するためにも、感染予防の取り組みを書式化してメールで転送、印刷して渡すなどしています。重要とされる感染予防策は、手洗いうがいなど実践可能なものも多いわけです。会場側からしっかりと案内を出して『浜松市内のコロナも落ち着いてきたし、これなら安心して参列できるね』とゲストから言ってもらえることが、会場にとって施行を続けられるカギになるはずです。」

「合わせて今後提案の可能性があるのがドレスコード。定期的な換気が求められる一方で、夏に向けては気温も上がってきます。参列男性はジャケットを着用するでしょうから、半袖シャツでの参加も可能など、アナウンスを入れることもできるのでは。8 月には施行も戻ってくると予測しているので、コロナとの長期的な戦いの中でどう快適に過ごしてもらうかを、今から考えています。」

「今後リリースを予定しているのが、パーティを2 回に分けるスタイル。まずは家族や親族を中心に30名程度の宴会を年内に実施し、その後年明けに友人を招いてのパーティを開催。2回となればカップルの懸念材料は予算となるのは当然です。結果として金額が2 倍になれば受注は難しいでしょうから、2 回目のパーティは当社そのものの利幅を減らす予定。会費制の提案も1 つの手でしょう。プラン化に合わせて、すでにパートナー企業との打合せも済んでいます。各社ともこのスタイルに賛同し、割安な価格帯でのサポートに理解を示してくれました。パートナー企業がいなければ結婚式は創れません。中心となる会場から各社に仕事を発注し、チームの仕事を創出していくことも、施設としての重要な役目、そして果たすべき責任だと考えています。企画は現在急ピッチで進行中。5 月末以降にカップルに提案ができるようになれば理想的ですね。」

「コロナの収束が見えてきたとはいえ、県境を大きくまたぐ移動はまだまだ難しい。まずは浜松市内で経済を活発化させることが重要でしょうから、例えば市内のホテルと提携して、何かしらのプランを打ち出すなどもできれば面白いですね。」

「合わせて、当初予定していた施行日に、新郎新婦、または家族だけでの前撮りを提案していきます。通常価格の約半額で案内していますが、これもパートナー企業の理解があってこそ。予定日に会場での前撮り企画を検討していると各社に話を持ち掛けた時に、『カップルのためにぜひやりたい。仕事の発注にもなり、私たちのモチベーションにも繋がる』と言ってもらえました。前撮りであれば撮影した写真をインスタなどにアップしてくれるでしょうから、そこもポイントの1 つかと。キャンセル料を巡るトラブルがニュースで放送されるなど、ブライダル業界にネガティブなイメージを抱く人も多いでしょう。仮にカップルからの発信で『当初予定していた日に、式場がこんな素敵な企画をしてくれた!』となれば、より多くの人にリーチできる可能性が出てきます。結婚式を控えるカップルや家族だけでなく、大多数に届くような仕掛けを打ち出していくことが、業界全体のイメージアップにもなるはずです。こうした企画を練ることで、日程変更をしたカップルとのタッチポイントを多く設けられるのもメリットの1つ。ドライフラワーづくりなど、様々なワークショップも積極的に検討していきたいです。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1-21日号)