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キーマンに聞く

システムによって得られる価値【マイプリント 専務取締役 野坂透氏/PIEM 代表取締役社長 宮城 光一氏】
ブライダル業界のDX推進にあたり、システム会社同士の連携が注目されている。では連携によって、どんなメッセージを業界に向けて発信し、どのような未来を描いていくのか。結婚式準備システムの先駆けである【ONE-W】を、現在800会場に導入しているPIEM(福岡市博多区)の宮城光一社長と、招待状・席次表を中心としたシステム【WPS】を提供しているマイプリント(東京都多摩市)の野坂透専務取締役がその可能性について語り合った。
≪今号、3月1日号の2回に分けて掲載≫
プランナーの手間を削減
宮城「マイプリントは昨年、取引会場を絞り込みました。WPSは今後どのように位置づけていくのでしょうか。」
野坂「コロナ前には1000会場以上にWPSを使ってもらっていたため、要望は非常に多岐にわたっていたものの、システムとしては最低限の開発しかできなかったのが現実です。そもそもペーパーアイテムを売ってもらうことを大前提に考えたシステムであったのに対し、運用上一つのツールとして使う企業も増えていました。昨年、ペーパーをしっかり売ってもらえる会場、300程度に取引を絞らせてもらい、逆に言えば今まで以上に様々な要望の取りまとめがしやすくなりました。それもあり、今年から来年にかけ、大規模な改修を予定しています。」
宮城「どのような要望があったのでしょうか。」
野坂「例えばWPSを使って席次表を作る際にサービスプランも出しますが、2 枚で出したいという会場のある一方、1 枚にして両面で出力したいなど。とにかく細かいものです。」
宮城「会場ごとのカスタマイズは、本当に細かいところです。例えば敬称として、様をどこまでつけるか等。会社毎のルールがあり、さらに地域によっても若干差はあります。そこに苦労してきた19年です(笑)」
野坂「OWE-Wのように対価をいただくシステムであれば、そうした対応も必要ですが、当社の場合はペーパーを売ってもらう前提のため、ペーパーをそれほど販売してもらえないのに要望だけ来ても、修正する意味が見いだせない面はありました。その点では、ビジネスとしての捉え方は違いますね。もっとも目的として、プランナーの手間を大きく削減したいという根っこは一緒だと思います。」
宮城「システムのない手書きの状態では、何度も対面しての打合せが必要でした。今はオンラインで席次や商品を決められるので、新郎新婦には事前に家でやってきてもらい、結果としてプランナーの働き方は大きく変わったと思います。ペーパーは、校正も必要でした。」
野坂「一文字直したから、もう1 回印刷してみたいという要望もありました、紙で見ないと分からないからと(笑)。」
宮城「プランナー業務を軽減するのはもちろん、印刷校正の回数を減らせれば、パートナーの受発注の効率化にもなっていきます。新郎新婦もスマホで簡単に何でも出来ますから、システムによってユーザー、プランナー、パートナーの三方良しを実現しています。」
野坂「システム会社同士の連携は、そうした部分をしっかりと伝えていくことにあるかと考えています。例えば連携によりデータベースの構造などの共通化も一定の価値はあるとは思いますが、それには多大な労力とコストもかかります。私自身はそこではなく、システム全体の考え方というかアーキテクチャーの部分を合わせていくことが非常に重要だと思っています。もう一つとして、プランナーがシステムを利用することによって得られる価値、効果という部分の理解を、もっと啓蒙できるのではないかと。OWE-Wを入れるか、WPSを入れるかによって得られる利益は、実は大して変わらないとも思っています。それよりも、こういうシステムを全く使ってない会場にとっては、どちらであってもシステムを使うことによってのメリットは大きいはず。さらにシステムを使いながらもっと効率化を図り、売上を高めるなど、機能を使ってプラスになるところはまだまだあるでしょう。そういうところを一緒に考えながら啓蒙していくのが、業界のためでもあり、個々の会社の利益にも繋がると考えます。」
宮城「この5 年で、最初は持たれていたシステムに対するアレルギーも、大分解消されていると実感はしています。新卒で入ってきたプランナーが、すぐ使いこなすようになっていますから。ただ、使いこなすほどに、もっとこうしたことは出来ないかという要望もどんどん出てきます。最終的には、全て自動でと言われますし(笑)。その点ではシステムに対する期待は高まっているからこそ、その期待を各社で共有して、何が出来るかを考えていくことは大切だと思っています。最近よく耳にするのは、少人数結婚式の割合が高まってきて、そうなると10-20名の挙式でわざわざシステムを使う必要ないというような会場も多くなっています。実はそれは逆なんですといったことも、伝えていかなければなりません。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月21日号)

