LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

ゲスト満足度向上に注力【鳥善 代表取締役 伊達善隆氏】

ゲスト満足度向上に注力【鳥善 代表取締役 伊達善隆氏】

 鳥善(静岡県浜松市)は現在、新郎新婦の顧客満足度だけでなく、ゲスト満足度の調査・向上に注力している。『みんなのウェディング』運営のエニマリ(東京都中央区)との対談連載企画第4回目は、鳥善代表取締役・伊達善隆氏が登場。エニマリプロダクト本部プレイヤーコンテンツ部部長の竹中達郎氏と、法人営業本部営業推進部部長・武田昌幸氏との3名で、ゲスト満足度の重要性のほか、オペレーションや評価制度への活用方法などを語る。

回答率は20~25%で推移

竹中「現在エニマリが提案しているゲスト向けのアンケートシステム『みんなのウェディングGSアンケート』は、当社と鳥善で共同開発しました。ゲスト満足度に重きを置くようになった、経緯を教えてください。」

伊達「コロナを機に少し変化が見られたかと思いますが、それ以前は、とにかく会場の媒体活用は“出稿競争”になっていたかと。集客戦略上それも重要ですが、ブライダル業界として、新郎新婦はもちろん列席者にとってもいいものを提供していかないと、今後更に結婚式を挙げない層が増加するのではと思うようになりました。それと同時に、スタッフの評価制度をどう構築していくかも課題でした。新規接客の場合は成約数という分かりやすい指標がありますが、ではその後の打合せプランナーの単価アップはどうか、サービススタッフの日々の業務はどう評価するべきか。こうした点は業界全体の課題でもあり、3 年ほど前から新郎新婦の口コミだけではなく、いい結婚式を創り、そこに参列していたゲストがどう満足しているかをもっと見ていこうとなりました。ゲストと最も関わりが多いのはサービスや案内のスタッフですし、そうした声を拾っていければ、これまでなかなか評価されていなかったスタッフにとっても、プラスの環境になるのではと。」

竹中「『列席者からのアンケートを集めるのは難しい』といった式場も多く見られますが、鳥善での取り組みは。」

伊達「まずはアンケート画面に飛べるQRコードを、カードに記載して直接手渡し。全ゲスト数の20~25%が回答してくれています。仮に60名のパーティーであれば、単純計算で15名程度が回答。これはものすごい価値だと思っています。」

武田「一般的にゲストからのアンケート回答率は約5 %と言われており、回答しやすい当サービスの利用会場においても、10%ほどとなっています。」

伊達「当初は私たちも5 %くらいの回答率でしたが、現場スタッフが『どうすれば集められるか』という点から考え、頑張ってくれましたね。実際にパーティーお開き後など、それぞれのグループで歓談していたりと、実は時間があったりするわけです。ゲストアンケートは会場を出てしまうと、“熱が冷めてしまう”こともありますから。『鉄は熱いうちに打て』ではありませんが、当日回答といったケースも多く見られています。」

武田「アンケートでは、『今日の結婚式を知人などに薦めたいか』のNPSの0 ~10までの11段階評価と、その理由をフリーコメントで書けるように。これを平均値で月ごとに算出し、結果は他社と比較もできます。さらに細かい質問として、サービススタッフに笑顔があったか、クロークの対応、ドリンクがスムーズに提供されていたかなどに加え、司会に滞りがなかったかなど、パートナー企業に関するものも設けています。実際に、アンケート結果から見えてきたことはありますか。」

 

エントランス付近を改善

伊達「スタートするまで気付かなかった一例が、エントランス周りの評価と、全体評価の結果が比例しやすい点。例えば受付で気持ちのいい挨拶をしてくれたなどの高い評価が多く集まると、パーティー全体の満足度も高まる傾向が見られました。だったら受付時に、エントランス付近のスタッフ対応を手厚くしようと。実際にパーティーに入るスタッフは、開始前はヘルプで他セクションをサポートできる可能性も高いですから。また、受付時はクローク周りなど人も集中しやすく、密になりやすい状態。人手を増やすことでスムーズな検温なども可能になり、1 ヵ所に固まりすぎないよう誘導もできるようになりました。これもアンケートから分かったことですが、感染対策を気にするゲストもまだまだ多い。入り口付近のサービスを徹底することで、全体のゲスト満足度をアップに繋げています。」

竹中「オペレーションだけでなく、評価制度にも積極的に活用しているそうですが。」

伊達「こうした定量的なデータが取れるようになり、他社との比較データを見られるのはポイントかと。各宴会場の責任者も、積極的に数字を見るようになりました。実際にダッシュボードから結果は誰でもチェックできるので、MGRクラスが確認し、サービススタッフに情報を共有する姿も多く見られています。嬉しいコメントを書いてくれるゲストも多く、アンケートは即時データ化されるので、誰のことを書いてくれているのかも分かるわけです。スタッフにとっても、モチベーションアップに繋がっていますね。」

伊達「また、わかりやすい評価制度の1 つとして、NPSの半年平均が○点以上を達成できたら、賞与の一部に反映させるというのも進めています。実際に年に1 度開催する全社でのキックオフ会では、『半年後には○点を目指して、サービスMGRになります!』と、若手スタッフがアンケートの点数を1 つの目標として、キャリアアップを宣言していました。実際に現場スタッフからしてみれば、『会社の今期の売上はいくらでした』と言われるより、ゲストがどれだけ満足してくれたかの方がしっくり来るわけです。GSアンケートが目標数値の1 つとなり、成長意欲に繋がるのは、私としても嬉しい限りです。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)