LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

ケーススタディを共有【VIVACE st 代表 衣川 雅代氏】
新婦1 人での来館、子ども連れ、時間制限を始めに言ってくる、温度感が低いなど様々な顧客が新規来館する中で、新人に対して「あえて挑戦する」というメンタルをまずは持たせておくことが必要と語るのは、VIVACE st(東京都目黒区)の衣川雅代氏だ。さらに新人に対しては、こうしたイレギュラーなケースを、事前に教えておくことも大切だ。
「例えば新人プランナーが、新婦1 人で来館した新規接客を成約できなかったとします。事務所に帰ってきて、『今日彼がいないから分からないと言われたのですが、こういう時はどうすればいいですか』と尋ねられると思います。キャリアのある先輩が、『私も以前あったよ』、『お1人様来館は○○さんが得意だから、聞いてみたら』などと答えるわけですが、それならば最初に教えておくべきです。接客した当人からしてみれば予期せぬ出来事で、聞いてなかった、知らなかった、想像していなかったことなのです、さらに『お客様は100組100通りだよ』などと先輩から言われようものなら、その新人は新規が不安という状況に陥ります。まずは多様化する中で、あえて挑戦するというマインドを持たせるのが、大人である先輩の力です。」
新人だけでなく、中堅クラスのプランナーでも、イレギュラーケースを経験していなければ不安が生じる。仮に低決定率のプランナーに1 人来館をアサインすれば、可能性の薄いカップルしか任されないと思わせてしまうことも。そうした状態を放置すると、ネガティブな先入観から入る接客が癖になっていき、全体に伝染していく。先輩の『今日は時間制限を言われたから無理』という話を聞けば、その遺伝子は継承される。
「あえて挑戦するという思考に立てば、こうした無理に感じる新規であっても対応は変わります。例えば挙式のみの検討であっても、試食を出せばいいわけです。試食をして美味しければ、パーティーをやろうと思ってくれるかもしれません。○○だから決まらない、○○だから対応しないというネガティブ思考が習慣化してしまうと、なかなか改善は難しくなります。」
挑戦のマインドを養っておくと共に、ケーススタディを共有する体制も必要だ。
最近増えている、時間制限については、どのように対応していくべきか。新規来館カップルから早く帰りたいと言われるタイミングは、①来館前の電話・メッセージ、②来館時に接客時間を確認した時、③接客中、試食後などに急に言われるの三つのケースに大別される。
「まず、都度都度カップルに対して時間を確認していきます。来館した時、試食後、見積もり前の3 回は軽く聞きます。また事前に時間制限を伝えられた場合は、ヒアリングではなくカウンセリングをします。時間がない中でも会場は見たい、試食は食べたい、ドレスは着たい、見積もりも欲しいという完全な形での接客を希望している場合はあります。それを否定するのではなく、一旦今日のアジェンダを組み、時間制限の課題解決をソリューションとして提案します。さらに大切なのは、勝手に時間を延長しないこと。」
その上で、時間制限のある理由をヒアリング。理由を明確に言ってくれる人と、言いにくい雰囲気を出す人がいる。後者の場合は、『他会場の見学ですか』などと軽く聞く。2 人の表情や反応を見て、『気を使わないで言ってください』などの言葉を入れることも必要だ。
「仮説としては、指輪を見に行く、仕事に戻る、リアルタイムで見たいスポーツの試合があるなど。実家に預けている子どもを迎えに行かなければいけないという場合も。つまり絶対に時間を守ってあげないといけないこともあれば、変更できる可能性もあるわけです。」
2 件目以降の場合、前の会場で長時間接客を受けて疲労を感じ、予防線を張っている。また前の会場、他会場で、再来予約を入れているという場合も。現時点では本命と感じていないわけだが、それでも見学に来ている以上それを変えていくという意識を持つべきである。
「こうした理由も含めて、仮に成約できなければその例をきちんと集めておきます。時間制限を言われると、時間配分がうまくできなくて失敗というケースも多い。見積もり説明に5 分しかなかった、今思うと時間創出のためにデザートの提供から入れば良かったなど。逐一振り返りながら様々な対応を貯めておき、それを次のイレギュラー接客のヒントにします。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月21日号)

