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キーワードは〔安心感〕【ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野洋基氏】

キーワードは〔安心感〕【ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野洋基氏】

 ノバレーゼ(東京都中央区)の積極的な展開が注目されている。今年は宮崎の他に、沖縄にも新規出店を計画しており、リゾートウエディング領域へ参入。さらに既存店においては、いち早く進めてきたインスタ広告による自社集客比率の向上によって、コロナ前に比べて施行も増加している。コロナで変化するユーザー志向について、これから重要になるキーワードは【安心感】と語る荻野洋基社長であるが、その訴求のために必要なこととは。

効果を検証できる土壌

――結婚式の現場では、コロナ明けの雰囲気も高まっているようですね。

荻野「オンラインで実施したい、感染対策をとにかく徹底するという意識も大分薄まってきているようで、パーテーションもせずに普通に開催したいという人が圧倒的に多くなっています。そうした状況になっているのは、クチコミやSNSを通じて、当社のこれまでの対策に大丈夫だと安心してくれていることは大きいかと。今後、感染対策だけでなく結婚式に対する【安心感】も重視する人は増えてくるだろうと感じますし、だからこそ今1 度ノバレーゼ、結婚式のあるべき姿を、追求しなければいけないと考えています。」――安心感に関してユーザーは、情報誌だけでは伝わらない部分をインスタの他の人の投稿やクチコミなどを見て確認していると考えられます。集客面でもノバレーゼはインスタ広告に先手を打つなど、時代の変化に乗った印象があります。

荻野「広告宣伝の観点でいうと、大きくそこは変わってきたと思います。情報誌依存度を低くするということは、コロナ前から言ってきていますが、時代の変化している今だからこそ一気に加速していかなければならないとも感じます。今は出稿量も多少戻しているのですが、その影響を検証する上でも、個人的には一気に止めるのも一つのシミュレーションとして必要ではないかと。当然来館は減ると思いますが、実際にどこまで減るのかは、止めなければ分かりませんから。その上でやはり必要だと分かれば、出稿していくという判断をしていくべきかと。現場は反対するでしょうが(笑)。これまでインスタをはじめ、情報誌以外を強化してきたことにより、こうした検証ができる土壌になったというのは、ひとつの強みだと感じます。」

――安心感というキーワードに関しては、結婚式の不透明さの払拭も必要かと思います。その部分でも、これまで様々な改革を進めてきました。

荻野「昨年も話しましたが、新規接客については基本的には2 時間以内という方針は変わりません。最近は、何時までに終わるのか、何時間かかるのかを来館カップル側から聞かれるようですし、そこをキチンと明確にしておく。また仕事帰りに寄ってもらい45分で対応する、クイック見学も継続しています。業界では1 件目来館を促すために割引を設定するなどの戦略も耳にしますが、そういうことも含めて、そろそろ業界全体で考え方を変えていく必要があるのではないかと。カップルは多くの情報を収集していますし、新規集客に関する小手先も通用しなくなっているでしょうから。」

――ノバレーゼとして、更なる改善はいかがですか。

荻野「例えば見積もりについても、順次変更しています。ドレスをプランに入れる場合、見積もりを安くするために1 番下のランクばかりをラインナップし、成約してから新郎新婦がドレスを見に行っても対象になるものは1 着しかない。そういう不透明な部分を全て洗い出して、きちんと適正な商品を入れ、それに合わせた金額にしています。簡単に言えば嘘がないような見直しで、この点は常にチェックしています。」

――そうした安心感の訴求を全ての企業が進めることによって、ブライダル業界の信頼感に繋がっていくと感じます。

荻野「コロナをきっかけに、同業の社長たちと色々と話す機会もあって、みなさんそうした考え方には理解をしてくれます。大切なのは全体の意識改革で、そこはすごく難しい部分だとは思っています。」

リアルな空き状況を見せる

――以前話していたのが、値引きもしない代わりに、旅行会社のような日程に応じたABCDといった料金プランをあらかじめ決め、それをホームページで公開したいということでした。より明確にする上でも。

荻野「現在も検討しています。料金もそうですが、空き日程もきちんと見える化することで、より安心感に繋がります。空いているのに、空いていないことにして、それを交渉材料にするのは止めようという考えから、現在はリアルな日程表をそのままカップルに見せるように指示していますので、それをもっと見える化できれば。」

――今後ブライダル業界は、人材面で相当厳しい状況になると言われています。採用についてはいかがですか。

荻野「今のところ、応募者は十分に来ています。ただハードルを下げる必要が出てくる可能性もあり、それをしたくないとなれば、今後はいかに辞めない、辞めさせないという定着率が大事になってくるでしょう。そのために内部の仕組みを整備し、モチベーション高く働ける環境づくりは重要です。」

 (詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)