LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

カップルの想いを言葉で紡ぐ【KOTOWA 鎌倉 鶴ヶ岡会館 エグゼクティブウエディングプロデューサー 井上志織氏】

カップルの想いを言葉で紡ぐ【KOTOWA 鎌倉 鶴ヶ岡会館 エグゼクティブウエディングプロデューサー 井上志織氏】

リクルート主催のGOODWEDDING AWARDにおいて、昨年グランプリを獲得したKOTOWA 鎌倉 鶴ヶ岡会館(神奈川県鎌倉市/ディアーズ・ブレイン)のエグゼクティブウエディングプロデューサー・井上志織氏。現在はプランニング業務と司会を兼任し、カップルの伝えたい想いやエピソードなどを、MCの立場から代弁し当日を盛り上げている。「歓談中心のパーティーを希望するカップルも多い今こそ、私たちの介在価値を上げていくべき」と話す同氏の想いとは。

関係性を細かくヒアリング
――プランニングと司会を兼任するようになった背景は。
井上「新卒でディアーズ・ブレインに入社し5 年程が経った頃、友人の結婚式に参列。その際、『彼女の良さをもっとみんなに知ってもらいたかった』と感じたことがありました。数年後、少人数婚が増え始めた中でたまたま当日司会を務めた時、半年間カップルと一緒に打合せをしてきたからこそどんどん言葉も出てきて、当日の雰囲気も良くなったのがとても印象的でした。そこから司会への興味も大きくなっていき、コロナのタイミングで『本気で勉強してみては』と上司が勧めてくれたこともあって、現在のプランナー兼MCのスタイルとなりました。」
――最近では歓談中心の結婚式も増えています。特に少人数の場合において、「司会は不要」となる可能性も出てくるかと。
井上「家族婚の場合、そもそも会って話すのは顔合わせ以来2 回目、一部親族は初めましての人もいるわけです。特にシャイな性格であればどこまで会話が盛り上がるかというのは未知数ですから、そこはやはり司会の介在する価値、重要性を伝えていくべきかと。プランニングに関しては、少人数であればあるほど、ゲストとカップルとの関係性を深掘りしやすくなります。オススメしたいのは、時系列でヒアリングしていくこと。例えばお父さんとの思い出を、幼少期から学生時代、反抗期、社会人、そしてこれから先どんな関係性を築いていきたいか、順を追って聞いていく。そうすることでカップルも想いを整理でき、具体的なエピソードが浮かびやすくなります。」
――打合せで得られた様々な“材料”を、式当日はどのように活用していくのでしょうか。
井上「例えば幼少期の思い出を聞いた上で、その時の写真をショープレートの下に忍ばせておくなど。食事が始まるタイミングで目に入るわけですから、懐かしい思い出や、おもわず笑ってしまうエピソードなど、美味しい食事と合わせてここから会話が膨らんでいきます。その際に司会から、『こんなエピソードも聞いておりましたが、お父様いかがですか?』など会話のキッカケとなる“ボール”を投げる。そうした意味で、歓談中心の家族婚だとしても司会はやはり必要と感じます。」
――打合せ中に得た情報をパートナー企業に伝えていくことも、プランナーの役目です。
井上「司会を始めてみて改めて感じるのは、カップルとMCの打合せは、どうしても進行の確認が中心になってしまうこと。だからこそ、プランナーからの情報は必要不可欠です。例えば、『大切な人に感謝を伝える場にしたい』と話す新郎新婦でも、『みんなにお祝いしてもらえる日になれば』とポロっと打合せ中口にしていたとする。その言葉を知っているのは、プランナーしかいないわけです。その上で当日のフォトグラファーに、『ゲスト全員が2 人を囲んで笑顔を見せている写真を撮っておいてほしい』と伝えておくことで、満足度は大きく変わってくるはずです。これは少人数に限らず、多人数のパーティーも同様のこと。半年間一緒に打合せしてきたプランナーだからこそ知っているカップルの想いをしっかり言語化し、当日携わるスタッフを介してゲストにきちんと届けていく。人数にかかわらず歓談を希望するカップルが多い時代だからこそ、私たちの介在価値を上げていくことが求められているように感じます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)