LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

オンライン活用で在宅スタッフにも活躍の機会を【NOVIC 代表取締役 金田昌彦氏】

オンライン活用で在宅スタッフにも活躍の機会を【NOVIC 代表取締役 金田昌彦氏】

 少人数ウエディングを受注するブライダル会場も増えているが、想定通りの単価アップが出来ず、結果収益を圧迫してしまっているという声は少なくない。とは言え通常Wが完全に戻り切っていない中で、売上確保のためには取らざるを得ないというジレンマに陥っている。少人数でも確実に儲けるためには、通常Wとは異なる仕組み作りが求められる、今号では少人数・低価格帯でも一組あたりの粗利率35%を確保するための仕組みを構築しているNOVIC(東京都渋谷区)の事例のほか、各社の対応を探っていく。

≪パッケージング≫

NOVICが構築してきた、少人数でも儲かる仕組みの一つが、カスタマー像に基づいたシンプルなパッケージングにある。そのパッケージを結婚式の一つの選択肢として提供することで、粗利率35%を維持している。

同社では23名~37名の少人数Wの商品として、【Cheers!】を提供している。その中には人数に必要な卓数の花のほか、衣裳、ヘアメイク、WEB招待状、司会者など結婚式開催に必要な内容が全て含まれている。その他にも8 名~28名までの場合は、ホテルのレストランW会場を紹介する【ホテルレストランプラン】を用意。プロダクトが、それぞれの人数用にパッケージ化されている。

「ホテルレストランプランであれば、平均人数は16名。1 人当たりの平均単価は2 万8000円前後となっています。この平均単価の設定にも、会場の少人数プランとの違いがあります。」(代表取締役・金田昌彦氏)

少人数プランの単価は3 万円以下であるが、フォトや衣裳にこだわりたい場合には自由に対応してもらい、持ち込みもOKとしている。つまり同社としてはプラン価格からの単価アップを想定せず、手軽に結婚式を出来るパッケージとしている。

一方、会場の提供している少人数Wプランは、1 人当たり7万円前後が中心である。これは7 万円を割るプランを打った場合に、収支が合わなくなるからだ。NOVICはノンアセットだからこそ3 万円という単価を設定できるが、収益構造をアセットに基づいて考える会場では根本的に事業構造が異なる面は大きい。

さらに会場側としては1 人当たり3 万円のプランにすると、そもそものブランディングが崩れるというリスクもある。こうした事情から7 万円のプランでスタートし、そこから打合せ工数、サービス提供の負担を考慮して、最終的な着地を10万円以上にまで高めようとするのが一般的だ。もっともそこで出てくるのが、成約率の課題である。

「仮に15名で3 万円だとすれば45万円。一方7 万円スタートの場合、その時点で105万円になります。そうなると料金体系が合わずに、決められない層が出てきます。ゲストハウスに聞くと、30名以下の成約率は30%を切っているという話も聞いています。これは少人数のペルソナに、プランの内容・料金自体が合っていないことが大きいわけです。会場の場合、新規の接客フローに関しても20名だろうが、100名だろうが一緒というケースは非常に多く、その分、新規の工数も時間もかかってきます。にも関わらず成約率30%以下では、人件費負担は高まっていくのも当然です。」(金田氏)

NOVICの成約率は、現在でも65%、コロナ前には80%を超えていた。これは少人数層に合わせたプロダクトを作り磨き上げ、少人数帯のペルソナとパッケージの内容・料金がマッチしていることは見逃せない。

≪集客戦略≫

同社はアセットを持っていないプロデュース会社でもあるため、既存メディアに掲載できないという事情もあったが、これまでWEBのみで新規集客を図ってきた。一組当たりのCPA(コンバージョン数)は、展開している2 次会プランも含めれば1 万円以下となる。

CPAを低料金で抑えているもう一つの要因が、紹介率の高さだ。創業時から招待状や持ち帰り用袋などにカードを入れ、そこからの集客を図るなど、コストのかからない戦略を取ってきた。コロナ禍の施行減少で現状はこうした対応を控えざるを得ないが、それでも紹介率は25%となっているのだ。

「結婚式を実施した新郎新婦から紹介され、ダイレクトで担当に連絡が入ることも多く、こうした場合の成約率は100%になります。多くの会場を紹介出来る立場の当社だからこそ、友人・知人の実施した会場とは違うところを自由に選択できる強みが発揮されています。また紹介案件は、新郎新婦自らも当社のパーティーに参加した経験があるため、接客時間も短いのがポイント。流れも、雰囲気もあらかじめ把握していることで、新規接客・打合せも円滑に進みます。」(金田氏)

紹介率の高さは、少人数・低価格であっても、同社の提供する結婚式への満足度を表している。紹介率をKPIの一つとすることで、カジュアルであってもクオリティが担保されることになり、そこから別の紹介を生み出していく仕組みだ。

 (詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月21日号)