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みんなのW×ブライダル産業新聞合同企画 〔連続企画最終回【投稿への返信】〕ネガティブな指摘こそ改善案提示した内容を【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須裕子氏】

みんなのW×ブライダル産業新聞合同企画 〔連続企画最終回【投稿への返信】〕ネガティブな指摘こそ改善案提示した内容を【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須裕子氏】

 ユーザーからの口コミが会場のCSを測る基準であるならば、どのような視点でチェックしていくべきか。くふウェディング(東京都中央区)の『みんなのウェディング』と本紙合同でそれぞれのカテゴリーの傾向と分析をまとめていく連載企画。最終回となる今回は、投稿された口コミに対する適切な返信がテーマ。ユーザーは他の花嫁の投稿だけでなく、会場の返信内容もチェックし、信頼できる会場であるかどうかをシビアに見ている。

会場の姿勢見せるチャンス

「これから結婚式を挙げようと考えるユーザーが、検討先となっている会場の口コミを見に来たとき、特に注視しているのはネガティブな評価の投稿です。こうした投稿に対し、会場側としてどう捉え、さらに今後どう改善していくのかも気になるポイント。投稿返信は、まさにそれを表しているものです。ただ、多くの会場の返信を見ていると、一辺倒の定型文が続き、ネガティブ評価の口コミにも、『真摯に受け止めます』、『今後改善します』の言葉だけに凝縮してしまっている。同一会場のいくつもの口コミ投稿を読み込んでいるユーザーに、返信が定型で全て一緒であることは見透かされますし、そうした会場に果たして信頼を感じるでしょうか。ネガティブな評価だからこそ、より丁寧な返信をしなければならないはずです。」(レビューアナリスト・黒須裕子氏)

ネガティブな投稿に対する返信で大切なのは、項目ごとにあげられる個々の指摘に、改善案を提示すること。今後どのように改善していくか、すでに改善している場合には、実際にこういう風に運用していますといった内容を返信に入れ込むのは、ベストな返信だと言える。単に謝罪の言葉を書き込むだけでは、それを読んでいるユーザーの安心感は得られない。

「ユーザーに対し、顧客の指摘を真摯に受け止め、きちんと改善していこうとする会場の姿勢を見せられるチャンスでもあるわけです。それこそが、口コミ返信の一番大きな活用方法だと思っています。」(黒須氏)

定型文であっても、返信をしているのはまだ“マシ”かもしれない。口コミ投稿には非常に厳しい評価点をつけ、さらに具体的なマイナスな内容を長文で投稿してくるケースもある。ところが、こうした投稿に対して返信もせずに、いわば放置してしまっているケースも多々見られるのが現実だ。

「結局、口コミをキチンと見れていないのではと感じます。当社としてもより厳しい指摘をする投稿があった場合には、会場に確認して欲しい内容でもあるため、営業担当から『こういった口コミが入っている』と一声かけてもらうようにしています。それでも、返信さえないという状態になっているケースは少なくなく、これは集客の上でも大きなマイナスになってくるでしょう。」(黒須氏)

会場の口コミ返信は、担当するのは誰なのかによってスピードも内容も大きく変化する。一般的には、現場プランナーに担当させている会場も多いわけだが、接客などの通常の仕事をしながらの兼務では、どうしても返信スピードは遅れ、さらに内容を考える時間もないと定型文になりがちだ。また、自分たちの仕事の姿勢を評価してくれるポジティブな投稿への返信であれば、現場プランナーに担当させることで一つのモチベーションになる。一方、ネガティブな投稿への返信は、その内容に慎重さも求められ、プランナーだけでは内容を決められないことも十分に出てくる。

そこでプランナーだけに任せるのではなく、支配人レベルのレイヤーも一緒に、口コミに向き合う意識が大切だ。中には、返信者欄に『○○式場支配人』、『マネージャー』など役職名を入れている会場もあり、それだけで印象も高まる。プランナー任せになると、口コミの指摘に当時の状況を知らないまま回答せざるを得ず、その結果定型文の内容になってしまうのも必然だ。

タイムラグも短くする

「あるホテルでは口コミ返信の専任担当を置いていて、投稿された内容に基づき、該当するであろう結婚式を担当したサービススタッフ、プランナーにインタビュー。その話を活かして、返信文面を作っていました。『あの時はこうでしたね』など、当日の具体的なシーンを入れ込みつつ、指摘されたことへの事実確認もスピーディーに対応。返信は投稿者に対しての手紙という感覚を持つことが、非常に大事だと思います。」(プロダクト企画部部長・竹中達郎氏)

ネガティブな投稿に対しては、会場としても事実確認が必要とは言え、やはり返信までのタイムラグを短くすべきだ。投稿されているのに、1 ヵ月、2 ヵ月そのまま返信のない状態は、その分、投稿を読むユーザーに会場への不信感を与え続けることになる。ネガティブな指摘に対する事実確認をスピードアップするためにも、やはり支配人層が関わらなければならない。

「改善案については、もう一歩踏み込んで欲しいとも感じます。例えば【初期見積もりが最低限の内容で参考にならなかった】という口コミに対して『現実的なお見積もりをご提示できず、申し訳ございませんでした』で終わっている場合もありますが、これは単なるオウム返しです。改善案ではないため、それを見たユーザーに安心感も与えられません。例えばそこで、『今後はご希望を全て盛り込んだ最大のお見積もりと、現実的なお見積もりを比較できるように、複数パターンで提示する運用へ変更しました』と書くことで、指摘に対して真摯に対応する会場という好印象を与えられます。お詫びや努力目標だけではなく、改善がなされなければ、結婚式場検討中のカップルに、自分たちも同様の対応をされるのではないかと懸念されてしまいます。」(黒須氏)

口コミサイトはサービス購入を選択する上で、実際に体験した他のユーザーの声を知れる貴重な媒体だ。これはブライダル業界に限ったことではなく、その投稿内容返信内容を確認しながら、商品選択の上で重要な判断材料にしている。だからこそ、会社としての受け止め方、どう取り組んでいくかは求められてくる。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)