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まだ手はある!プロダクト&テクニック単価UP《第3回 映像商品》婚礼映像に対する【二極化】が進んでいる【ワイケープロデュース営業部部長 猪股 進氏】

まだ手はある!プロダクト&テクニック単価UP《第3回 映像商品》婚礼映像に対する【二極化】が進んでいる【ワイケープロデュース営業部部長 猪股 進氏】

スナップ写真と同様に、映像商品も単価アップにはその価値を再認識させることが不可欠です。映像は「撮って出しエンドロールで十分」と敬遠されがちであるものの、この認識を変えることこそ収益拡大の鍵となります。
近年の婚礼映像には、「演出映像の自作・持ち込み」と「記録映像のプレミアム化」という二つのトレンド、すなわち「二極化」の兆しが見られます。ゼクシィの調査によると、プロフィールムービーを約5 割のカップルが自作・持ち込みしています。背景として、TikTokやYouTubeに慣れ親しんだ若年層にとって、演出映像は「自分たちでも作れる」カジュアルなものとして認識されていると考えられます。「自身で用意するなら会場としては関わらなくてもよい」と考える担当者もいるかもしれません。ただそれでは、収益拡大のチャンスを逃してしまいます。
2 つ目の「記録映像のプレミアム化」について。生の音をすべて収録するプレミアムな記録映像商品の需要も拡大しており、ある会場では申込者の3 割が通常版の倍以上の価格の商品を選択しています。「高品質を求める層」は確実に存在することを証明しています。
この二極化を整理すると、映像の価値は「当日のライブ感」と「記録性」に分かれます。「当日のライブ感」はゲストに向けた会場を盛り上げるエンターテイメント、対して「記録性」は新郎新婦自身に向けた「一生に一度のドキュメンタリー」。五感に訴える情報量で、当日のすべてを未来に残せる唯一の手段こそ記録映像です。そこで重要なのは、会場と映像会社が「最高のエンターテイメントと記録を共創する」意識を共有すること。エンターテイメント性の高い演出映像でゲストを盛り上げ、エンドロールで感情を爆発させる。そしてプロの技術で、完全に記録映像に残すという流れは、最大の価値を生みます。結婚式という大切な一日をふたりの未来に残せるのは映像と写真だけ。ぜひ「会場全体で新郎新婦の思い出を未来に残す」視点を持っていただきたいのです。
私たちがすべきは、若者のトレンドを否定するのではなく、ニーズを汲み取りながら価値を言語化して伝えることです。そのためには、式後の声や満足度といったエビデンスを常に収集し、販売現場に活かすことは重要です。場合によっては、映像会社から直接「プロの視点」で語りかけることも効果的でしょう。単価アップの鍵は、記録映像の「唯一無二の価値」を再認識させること。このことを、いかに説得力をもって伝えられるかで、次世代の映像販売を左右すると考えます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)