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【TOPインタビュー】列席者は限定していい(CRAZY 代表取締役社長  森山和彦氏)

【TOPインタビュー】列席者は限定していい(CRAZY 代表取締役社長 森山和彦氏)

 2012年7月の創業以来、ハコを持たずに屋外やホテル、レストランなど様々な場所での結婚式をプロデュースしてきたCRAZY(本社:東京都墨田区)。昨年2月には新たな挑戦として、初の自社会場『IWAI OMOTESANDO(以下IWAI)』をグランドオープンした。大切な人と一緒に祝うことをテーマに掲げる同施設だが、代表取締役社長の森山和彦氏は「想いを込めた手紙を書けないような人であれば、パーティに呼ぶ必要はない」と話す。列席者の減少が業界全体の課題として浮かぶ中、本当に大切な人たちだけで祝う、少人数化をあえて推し進める意味とは。ウエディングに対してネガティブな意見が多く聞かれるようになった今、森山氏が考える結婚式の在るべき姿を追った。

――わずか3 名でスタートしたCRAZYですが、オーダーメイドコンセプトウエディングを武器にブライダル業界に旋風を巻き起こしてきました。『オリジナルウエディング』という言葉も定着したなか、CRAZYが自社会場を持つというIWAIオープンのニュースは、多くの人に衝撃を与えました。
森山「ハコを持たないのがある意味1 つのウリだったわけですから、当社にとっても新しい挑戦でした。結果から言うと、出店して正解だったと思っています。プロデュースしかやっていなかった時の集客方法は、InstagramやFacebookなどSNSのみ。今回の会場オープンを機に口コミサイトへの掲載をスタートしたのですが、新郎新婦はもちろん、ゲストからの声も多く拾えるようになりました。それが私たちの糧になっています。ウエディングの口コミサイトを見渡してみると、全体的に多いのが、『自然光の入るバンケットが素敵だった』、『料理が美味しかった』など。こうしたスペックで評価をもらうことはもちろん重要ですが、プロデュースした式やパーティがどうだったのかが、1 番のチェックポイントと言えるでしょう。結婚式場である以上、チャペルや宴会場が素敵、料理が美味しいのは当然なわけですから。」
――プロデュースで知名度をアップしてからのIWAIオープンでしたが、タイミングについてはどのような考えですか。
森山「最初から式場運営をしていたら成功は難しかったかもしれませんね。結婚式の中身に明確な違いがあったとしても、その差別化を周囲に伝えていくのは簡単ではないでしょう。CRAZY WEDDINGという大きな基盤ができあがったタイミングだったからこそ、当社の想いや理念、スタイルをIWAIでも表現できていると感じます。新しい挑戦でしたからオープン当初はオペレーションの見直しなども重ねましたが、今期は無事IWAIにおいても黒字化を達成。2019年の年末時点で、来期は婚礼、一般宴会ともにより多くの数を受注できています。」
――出稿中の口コミサイトでもパーティの中身に関するコメントを目指しているように、IWAIではゲストの満足度を追求した結婚式をゴールに掲げています。
森山「IWAIでは施設の名前どおり、『お祝いをする場』がコンセプト。当社では祝う=相手を知り、承認することだと思っています。おめでとうの言葉やシャンパンでの乾杯はもちろんですが、結婚式を通じて相手を深く知ることが最も重要だと捉えています。セレモニーでは新郎・新婦それぞれの家族や友人が3 名ずつ幼少期、学生時代のエピソードなどを語り、『はなむけの言葉』を贈ります。そうした個々人のストーリーが何よりも感動的で、新婦側のゲストが新郎を知るきっかけになるなど、IWAIにおける醍醐味とも言えます。」
――新郎新婦にとっても、ウエディングを通じてお互いをより深く知るきっかけになればと考えているそうですね。
森山「結婚式当日だけでなく、準備段階から言えることです。IWAIでは事前アンケートや初回のヒアリングをもとに、2 人の人生をまとめた簡単な映像を作り、2 回目の面会(打合せ)でカップルに見せています。2 人が大事にしてきた想いなど、画像は一切入れずに言葉だけのシンプルな映像。言い換えれば人生を再編集したような仕上がりです。ビジュアルはそれぞれの頭の中に自然と浮かんでくるので、あえて言葉だけの映像にしています。幼少期の友人との思い出や家族の支え、様々なストーリーを新郎新婦同士がここでシェアできるわけです。この映像は親族紹介の場面でも流しています。よくある親族紹介は、『従妹の○○で~、その隣が叔母の○○で~』と続柄と名前を伝える程度。相手の家族のことを知らない初対面の親族もいるわけですから、用意した映像を通じて、新郎と新婦がどんな人なのかを知ってもらう機会にしています。その後は『これからもどうぞよろしく』という家族になる意味を込めて、親族同士で握手をしています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、新春特大号)