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【緊急提言!】ブライダル業界における人材対策~「プランナー」ブランドが衰退~(クラリスウエディング ブランドエグゼクティブ 伊藤淳氏)

【緊急提言!】ブライダル業界における人材対策~「プランナー」ブランドが衰退~(クラリスウエディング ブランドエグゼクティブ 伊藤淳氏)

 ここ3 年余りの間でブライダル業界における人材についての課題は年々深刻になってきていると感じています。人材課題に関しては決してブライダル業界だけの問題ではないのですが、様々な要因が重なりブライダル業界はその中でも特に深刻な状態になっていると感じています。

 その主たる要因は3 点挙げられます。1点目は若年層の労働力の減少です。新卒を中心とした若年層の労働力に頼ってきた業界ですが、年々減少する若年層の労働力の獲得において他業界に対して待遇面、労働環境などにおいて劣性な状況にあるという点です。
 2 点目はその若年層に支持されてきたウエディングプランナーという職業に対するブランド力の衰退です。これも1 点目と繋がる部分でもあるのですが、ウエディングプランナーという職業神話が崩壊し、仕事の特性でもある土日勤務や残業、また責任が重いという仕事が敬遠されることで職業に対するマイナスイメージが先行する状態になってしまっています。
 3 点目は女性の活躍が不可欠な業界において、女性が働き続けられるという環境づくりの整備が遅れているという点です。この3 点の要因が重なり増え続ける離職に対して採用が追い付かない状況が続き、現在の人材不足の課題に陥っていると感じています。
 3 点目の要因は以前より課題としてあったものの、1 点目2 点目の要因がマイナス要因ではなくブライダル業界にとってはプラス要因となっていたため、人材課題に直面することが少なかったと言えるでしょう。厳しい言い方をすればブライダル業界は「憧れの仕事」に甘え若年層の労働力を都合よく低賃金で活用し、定着することで人件費のコストアップに繋がることを敬遠し、敢えて定着率を上げるような対策を講じてこなかったことが現在の人材不足の問題をより深刻にさせていると思います。専門学校などのブライダル専攻を希望する学生も減少している中で、今後若年層に頼った人材対策では現場の労働力の確保は困難だと感じています。
 そこで必要なのは30歳代~50歳代の女性の活用です。働き方改革関連法案の施行もあり日本経済全体で労働力の確保に力を入れています。その対象として「女性の活用」もポイントとなっています。対象は限られた時間で効率的に働きたい主婦や、平日の労働に加えて土日の時間を活用したダブルワークを希望する女性です。
 この労働力はブライダル業界にとってたいへん魅力的です。最近はウエディングカスタマーの年齢も上がってきている中で、20歳代前半の結婚経験もウエディングパーティ列席経験も少ないウエディングプランナーよりも自身の結婚経験もありウエディングパーティ列席経験の豊富な30歳代~50歳代の女性の方が適性としては高いのかもしれません。
 このような女性を常時雇用するという選択肢もありますが、そもそもこうした女性はフルタイムの勤務や拘束時間の長い労働を敬遠する傾向が強いため働き方としては土日祝といった、限られた時間のみ勤務できるような選択肢を準備する必要があります。また、他業界のサービス業と比較した際劣勢にならないような待遇の準備が重要です。
 ブライダル業界にとっても常用雇用に頼らない人材活用方法を導入することによって閑散期と繁忙期の人件費のコストコントロールも可能になってくるため、現在よりも現場の人材の確保に関しては容易になるのではないかと考えています。各社で独自に仕組みを作ることも可能ですが、採用コストや教育コストなどを考えると新規接客などの業務を請け負ってくれるような専門の企業に依頼するという選択もありかもしれません。
 次回は「マネジメント力不足に対する対策」について考えてみたいと思います。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月21日号)