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《Yumi KatsuraのTalk Session》儀式の希望を叶えることが使命【桂由美氏×江馬潤一郎氏】

《Yumi KatsuraのTalk Session》儀式の希望を叶えることが使命【桂由美氏×江馬潤一郎氏】

 桂由美氏の対談企画【トークセッション】の今回のゲストは、明治神宮権宮司・明治記念館館長の江馬潤一郎氏。1~3面でも紹介している通り、新儀式殿をオープンし、ウエディングドレスに似合うデザインで明治神宮との区別化を明確にした記念館。その伝統とモダンの融合は、桂氏が常々口にしているドレスデザイン時のこだわりにも共通する。江馬館長の未来に向けた挑戦への想いや、桂氏が提言する新しい神社挙式のスタイルなどを語り合った。

日本初の野外庭園結婚式
桂「日本のブライダル市場は、キリスト教式が55%、人前式が25%まで伸びてきた一方、神前式は減少して17%と言われています。欧米の教会式に匹敵するのは、日本であれば神前挙式にもかかわらず、ここまで下がったことは非常に残念なこと。ただ、和婚関連の雑誌は人気のようで、憧れや興味はあると思うのです。だからこそ、ホテルや式場の中の神前式だけではなく、神社挙式がもう少しクローズアップされれば。神社は年中行事や人生儀礼、祭りなどを通じて行き慣れている人もいるので、和婚に興味のある人が結婚の決まった時にすぐに神社に行くという流れになれば、20%を切ることもないはずです。」
江馬「私は明治記念館の館長になって6 年目になりますが、館長に就任したばかりで桂先生とお会いした時に、和婚をもっと盛り上げてくださいと言われました。そのためにも、明治記念館がもっと頑張らなければと励まされ(笑)。その言葉が頭にあって、これまでも様々な対応を進めてきました。」
桂「明治神宮での挙式もありますが、今回記念館に新たな儀式殿を作った理由は。」
江馬「今回は、記念館全体の耐震改修工事に伴うリニューアルでした。もともと儀式殿は記念館に2ヵ所あったのですが、新儀式殿に集約した形です。これまでの記念館の挙式は、明治神宮と同じ結婚式ですというスタンスでしたが、新儀式殿は今まで記念館に来なかった層にも来てもらえるようにしようという想いを込めています。そのため、ウエディングドレスにも合うような作りにしました。桂先生は常々、ドレスにも伝統とモダンを融合することが大切だと話されていますが、この儀式殿もまさにその融合を意識しています。これからの神前挙式を盛り上げていく、ひとつのキッカケになればと考えています。」
桂「江馬館長がお話しするような記念館のチャレンジの精神は、実は昔からありましたよね。その証拠に、庭園にテントを建てて屋外で開催するウエディングを、最初に実施したのが記念館です。私がある女優さんから相談されてプロデュースをしましたが、ガーデンのある会場に話をしてもお酒を芝生にこぼされたら大変だから難しいと。話に乗ってくれたのが記念館で、それも25年以上前の話です。」
江馬「例えば灯り参進と言って、夜間の結婚式を始めたのも20年前です。夜になると明治神宮は閉門してしまうのですが、それならば貸切り状態で篝火を焚いた中を新郎新婦が参進するというものです。こうした新しい試みにどんどん挑戦することは、大切だと考えています。庭園を使っての結婚式の話は、桂先生から初めて聞いたのですが、こうした実績があるのだから、今後は庭園も含めて様々な提案ができるはずです。」
桂「庭園では夏にビアガーデンを開催していて、すごく賑わっている印象がありますね。」
江馬「ビアガーデンは認知度が高まり、PRをしなくても集客ができています。今回新儀式殿越しに繋がり、挙式後にはそこでの歓談というスムーズな流れも作りました。庭園と一体となった、開かれた儀式殿をコンセプトにしています。」
桂「庭園は様々なイベントでも活用していくそうですが。」
江馬「車メーカーによる新車の発表会なども想定しています。これまでは車両などを搬入する導線もなかったので、リニューアルを機に新たに設けました。記念館全体をイベントスペース、ギャラリーとして使えるような提案も進めます。もともと記念館の本館は憲法記念館であり、例えば皇室関係のイベントがある場合には庭園に大勢の人が参列し、一緒にお祝いをするというような形もあり、その点ではイベント広場という使い方は歴史上もあったわけです。庭の手入れも早い時には朝の5時から始めて、冬は芝を温めるためシートをかけるなど、まさに赤子を育てるように可愛がってきました(笑)。綺麗な緑を維持するのは並大抵の努力ではないので、だからこそもっと使ってもらいたいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日号)