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《Yumi KatsuraのTalk Session》リハーサルでは全ての動きもチェック【桂由美氏×長谷川清美氏】
パリコレをはじめ、国内外でショーを開催してきたユミカツラインターナショナルの桂由美氏。そのヘアメイクに携わってきたのが、マリエ(名古屋市中区)の長谷川清美氏だ。トークセッションの後編となる今回は、国内のコレクションとパリコレの違い、そこで求められるヘアメイクがテーマ。国内ではこれからの結婚式の提案を主眼に置いていることから様々なシーンの作品を発表するため、その分ヘアメイクのバリエーションも多様性が求められる。
デザイナーのポイント
――ファッションデザイナーにとってヘアメイクは重要なポイントだと思いますが、ショーに求める条件などのようなものがあるのですか?
桂「ショーの場合、テーマが毎回変わります。今回はエレガントな感じ、次はファッショナブルなど。ヘアメイクについても、いかにそのテーマに合わせられるかが大切です。」
長谷川「国内で開催している東京・大阪のコレクションのヘアメイクも担当させてもらって気づいたことは、桂先生の言わんとしているバランス、ポイントがあります。それこそアクセサリー、帽子、髪飾り、花も含めて、そのポイントを分かるまでは本当に大変でした。今もそれを100%分かっているわけではなく、ユミカツラのデザイナーやスタッフ達に助けてもらっています。例えばリハーサルの時に全モデルを桂先生がチェックする際、もう少しこうしたいと言われてもまだ100%分かっていないために理解が難しい時もあります。そうするとスタッフからこういう意味だと説明され、そのように変えてみるとすぐに決定する。これは本当にすごいことだなと思いますし、回を重ねることで、徐々にそうしたポイントも分かるようにはなってきています。」
桂「パリコレは一つのテーマを決めてそのテーマに合った作品を出すわけですが、国内のショーの場合は違います。今の日本のウエディングに必要だというものを提案していくのが、東京・大阪のショーの位置づけ。そうすると、国内のショーに出す作品は自ずと多様化していきます。何しろ日本の結婚式のスタイルに合わせていけば、挙式・披露宴、お色直しの時など異なるシチュエーションを踏まえた衣裳を発表していくわけですから、その分各々に合わせていくことでバリエーションも広がっていきます。」
日本では多様な作品発表
桂「パリコレで私がオートクチュールの組合長に最初に会いに行った時、『パリコレでウエディングをやるのであれば、年に2 回あるブライダルショーの方にするべき』と言われたこともあって、現在でもウエディングに関しては最後の1 点だけ出している程度。店も含めて、パリではウエディングをほとんどやっていません。一方で日本においてはウエディングが主体で、和装も洋装もあり、多様なスタイルを発表するため根本が全く違います。何しろ、パリコレのショーは30点程度を見せるだけですから、あっという間に終わっちゃいますし(笑)。」
長谷川「ランウェイを往復して、2、30分程度ですよね。」
桂「パリコレはウィークの期間中に、誰が何時~何時にショーを開催することが事前に決まっていて、マスコミもあらかじめスケジュールを決めて追いかけます。もしも時間が伸びてしまうと、仮に次の予定がビッグメゾンの場合は大変です(笑)。」
――以前、長谷川さんから、日本のショーで使用した手作りのヘッドアクセサリーの写真を見せてもらいました。一つひとつに対して、本当にこだわりが求められるという話でした。
桂「パリコレではヘアスタイルが決まれば、20人、30人のモデルに対して、多少は人によって違いはあったとしても基本的にテイストは同じです。一方で日本のショーは、和装もあればウエディングドレス、カラードレスなど様々ですから、それぞれに合わせていくことが求められてきますからそれは大変。」
長谷川「80着あるとすれば、80通りのヘアメイクが必要になります。それを桂先生が2 日間かけて、事前にチェックをしていく。モデルオーディションも兼ねていて、朝の10時から夕方まで、一つひとつをチェックしながら指示を出していくという繰り返しです。」
桂「だいたい2 週間前に、山野美容学院の講堂を借りて実施します。全ての衣裳を持ちこみ、モデルのスケジュールも組んで2 日間びっしり詰めてチェックしていきます。隣には演出の人に座ってもらい、例えばこのドレスはこういう風に動かして欲しいなどと指示を出しながら。音楽も一緒に流します。もちろん音楽のチェックは事前にしているのですが、実際にモデルの動きも確認してみると、もっとテンポを遅く早くなどという調整が必要になりますから。」
長谷川「例えばモデルに関しても、着る内容を変更する、入れ替えるといったことがそこで指示されます。ヘアメイクは衣裳に対してなので、モデルが変更しても基本はそれほど大きくは変わりません。ただ髪の短い人もいればロングの場合もあるので、モデルの差し替えがあるとウィッグが必要になるなど、そうしたやりとりを2 日間で対応していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)

