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《納得を引き出す営業テクニック-Vol.9-》相手の記憶に残る“自然”な接触回数を増やす【ビーハイライト 代表取締役 濱田 大輝氏】

《納得を引き出す営業テクニック-Vol.9-》相手の記憶に残る“自然”な接触回数を増やす【ビーハイライト 代表取締役 濱田 大輝氏】

『ザイオンス効果』を理解せよ!

「いい会場だったけれど、なんとなく決めきれなくて…。」ブライダルの現場では、こうした声をよく耳にします。条件も良い。雰囲気も気に入っている。それでも最後の一歩が踏み出せない。この背景にあるのが、【ザイオンス効果(単純接触効果)】です。

成約率の高い人に共通する、『即決しなかった場合の追いかけ方』を考えてみましょう。人は、接触回数が多いものに対して、無意識に好意を抱きます。つまり、何度も触れたものほど安心感が生まれるわけです。この心理は、ブライダル営業においても非常に重要なポイントです。

例えば、あるカップルが3 会場を見学したとします。大差がない場合、選ばれる要因の1 つが『最も接触回数が多かった会場』です。ここで言う接触は来館回数だけではありません。LINEをはじめ写真、提案資料、会話など、あらゆる“接点”の総量です。

重要なのは、即決しなかった後に『どれだけ良い提案をしたか』ではなく、いかに“自然”に接触を増やせたか。しかし多くの営業スタッフは、ここで間違えてしまいます。無理に連絡を増やせば、結果として営業感が強くなってしまう。これは逆効果です。

『ザイオンス効果』は、“自然な接触”でなければ意味がありません。では、売れる営業は何をしているのか。答えは、『記憶に残る接触』の設計です。見学後のメールやLINEを、例に考えてみましょう。×「ありがとうございました!ご検討ください!」○ 「『ゲストへのおもてなしをする』というお話、とても印象的でした。」

個別の記憶を切り取ることで、「自分を見てくれている」と感じてもらえるようになり、この積み重ねが関係性の構築に繋がります。

さらに重要なのは、『思い出させる設計』です。人は時間とともに忘れてしまう生き物。だからこそ、意図的に思い出す機会を創る必要があります。①翌日のフォロー、②日程の変化や特典の案内、③写真や動画での再体験など。これらがザイオンス効果を高めます。結果として、「なんかいい会場」ではなく、「この人に任せたい」と心情も変化していきます。

営業とは情報戦ではなく、接触設計の勝負。記憶に残らなければ選ばれません。反対に、記憶に残れば選ばれる確率は大きく上がります。一度で決めるのではなく、何度も思い出される接客にしていく。その積み重ねこそ、「少し考えます」を「ここにします」に変えていきます。

次回は『アンカリング効果』を紹介します。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)