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《新春 Top Interview》チャペルで撮影 フォト利用好調【エスクリ 代表取締役社長 CEO 渋谷 守浩氏】
2025年通期決算で、営業利益10億円を目指すエスクリ(東京都中央区)。昨年は、名古屋におけるレストラン出店をはじめ、渋谷店のリブランドなど新たな動きもあり、こうした積み重ねを通じてコロナ前の売上に近づけていく狙いだ。あわせて、代表取締役社長CEOの渋谷守浩氏は、来館特典として配布するマネーギフトへの疑問も抱いている。「特典ありきでしか集客できない業界を、我々の手で変えていくべき」と語る、渋谷氏の想いに迫る。
メディアとの“同盟”も
――2025年3 月期の通期業績は、営業利益10億円を目指すと発表しています。
渋谷「回復傾向にあるとはいえ、コロナ前と比較すると半分程度。まだまだ“道半ば”と言えるでしょう。ここからいかにピーク時に近づけられるのかがポイントであり、件数のマイナス分は好調に推移する単価でしっかり補っていきます。集客については、媒体から十分な数をきちんと獲得できているかと言えば、苦しい部分があるのも事実。広告宣伝費はコロナ前と同程度の額を投下しているので、資金力もあると思われる一方、施設数とバンケット数を考えれば、集客すべき絶対数は中小企業よりも大手が圧倒的に多いのも当然ですから。集客アップに関しては、式場+ブライダルメディアが一緒に動き、施策を考えていくことも重要と感じています。二人三脚で歩んでいく“同盟”の取り組みは、来期の課題と捉えています。」
――既存媒体からの来館が厳しいとなれば、自社集客を強化するのも1 つの手かと。
渋谷「強化している新たな取り組みの1 つが、2023年12月にリリースしたフォトウエディングプランの『One Second ADay』。内製化している強みを活かし、ドレスを自由に選べて当社式場で撮影できるプランです。昨今の社会的状況を見た時、『今の給料で結婚式を挙げるのは金銭的に厳しい』という若年層も少なからずいますから、結婚式の“手前”となる撮影だけでもぜひ体感してほしいと、チャペルで撮影できるプランを企画しました。もっとも、撮影をキッカケにパーティーにも興味を持ってもらえればとの想いも強く、案内を進めていったことで、少しずつ自社集客の成果に繋がってきています。販売スタートから約1 年が経ちますが、今期は順調に件数を上積みでき、来期は1000組を超える想定です。“ホームラン”である結婚式と比較すれば単価はそこまで上がらないものの、積み重ねられる“一塁打”にはなりますから、引き続き案内を強化していきます。」
――昨年の新たな動きの1 つが、東京・渋谷に位置する式場『ラグナヴェール アトリエ』のリブランドです。この背景は。
渋谷「『&(アンド)』の正式名称である『ampersand(アンパサンド)』というブランドで、秋から展開をスタートしました。カップルとクリエイターを繋ぐという意味をブランド名に込めており、例えばフラワーコーディネーターをはじめヘアメイクアーティスト、フォトグラファー、グラフィックデザイナーなど、外部の“気鋭”なクリエイターとコラボし、これまで以上に自由に結婚式を創れるサービスとして提案を開始しました。もともとプランナーはカップルのニーズを汲み取ったうえで様々な提案をしているわけですが、業界全体をもっと大きいくくりで見た時、パーティーの“ワンパターン化”が課題としてあるのではと。こうしたオーダーメイド的なサービスは、プロデュース会社やフリープランナーの得意分野である一方、結婚式がどんどん減少している今、我々式場も新しいことに挑戦していかなければその状況は変わらないわけです。当社は40近い事業所を全国で展開していますから、そのうちの1 つを、新しいことにチャレンジする場にしてみようと。『アンパサンド』に関しては、他施設と比較して高単価になると予想しており、その点で、業績にも寄与していければとの考えです。」
調理スタッフに新たな道
――もう1 つ昨年の新しい動きが、名古屋にオープンしたレストラン&ダイニングバー『GRADATIONS(グラデーションズ)』でした。ウエディングにも対応するほか、レストランとしてはアフタヌーンティーからアペリティーボ、夜パフェ、ワインなどバラエティに富んだメニュー構成となっています。
渋谷「これまで展開できていなかったレストランのオープンに至ったのは、当社にとっても新しく、かつ嬉しい動きとなりました。こうした施設を作ることで、特にキッチンメンバーにとってはキャリア面で新たな道も見えてくるわけです。ウエディング、宴会でより多くのゲストをもてなしていきたいという想いを強く持つメンバーもいる一方で、町場のレストランのようなスタイルにも興味があるという声も、ゼロではありませんから。もっとも、名古屋の新店はウエディングにも対応しており、宴会調理のスキルは欠かせません。そのうえで、例えば平日ナイトタイムであれば顧客のちょっとしたオーダーに応えるような遊び心を、料理に落とし込んでみるなど。新しいキャリアに繋がるようなこうした“刺激”は、会社からスタッフに対して引き続き用意していきたいですね。」
――人材についての課題、取り組みなどはいかがですか。
渋谷「新卒については、2024年度約80名を採用。来年度は100名の入社を予定しています。新卒採用は好調に進んでいますので、そこからいかに成長させていけるかのフェーズに突入したと言えるでしょう。実際に、今年度の新卒入社の中にはサービスでリーダーに抜擢されているメンバーもいるほか、新規接客においても入社2 、3 年目のメンバーが上位に食い込むケースも多々見られています。スキルの高いメンバーに関しては、今後さらに年次を問わず様々なポジションに抜擢していきたいと考えています。若手の勢いは会社にとっても重要ですし、中間層にとっても仕事に向き合っていくうえで刺激的な存在になるはずですから。若手と中堅で、切磋琢磨しあえる環境整備を目指していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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