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《新春 Top Interview》来期は組数増に方針転換【東京會舘 常務取締役 星野 昌宏氏】
平均単価560万円超えで、年間1000組以上の結婚式を施行している東京會舘(東京都千代田区)。今年(2025年4月以降の来期)は、これまで絞ってきた受注数を一気に伸ばし、1200組目標の方針を掲げた。狙いは宴会の少ない平日稼働であり、一時控えていた少人数も検討していく。単価面から少人数に一線を画していた同社がなぜ方針転換したのか。常務取締役・星野昌宏氏に聞いたその背景と施行クオリティ維持へのこだわりを2回にわたり紹介する。
賞与のベースアップも
――昨年を振り返ってみて。
星野「業界全体の動きとして、個人的に危機感を覚えたことがあります。昨年、マイプリントが取引会場数を3 分の1 に絞り込んだニュースを見た時に考えたのは、これまでは招待状や席次表などのペーパーアイテムはすぐに発注でき、それこそ間違っていれば結婚式当日であっても修正対応してくれるという前提でした。その当たり前だったことが、多くの会場では出来なくなってくるわけです。また百貨店の引出物事業からの撤退も出てきて、結婚式のこれまでの高クオリティの当たり前だったことはどんどん崩壊しているなと。当社で結婚式を行う本質を重視する新郎新婦は、招待状も圧倒的にペーパーを選択していますし、引出物は百貨店の包装紙を望みます。時代の流れとは言え、こうした当たり前のサービスを提供できなくなる可能性を考慮すると、今後の方向性も改めて検討していかなければならないと思いました。」
星野「当社の結婚式施行については順調で、単価は2022年の523万円から、23年546万円、昨年は560万円を超えました。単価は高クオリティの結婚式を提供していることに対する顧客からの評価ですから、これまでは稼働率を90%前後に抑えながらまずは単価の価値を追い求めていくことが大切だという考えにこだわってきたわけです。ただ、パートナー企業からすれば発注量はやはり重要でしょうし、仮に当社の施行組数が減少すれば、これまでのような価値のある商品・サービスを提供できなくなるリスクも出てくる。高付加価値の結婚式を維持する上で、発注量面も含めてパートナーとWinWinでなければという考えから方針を転換しました。プラス200組、稼働率100%を目指す方向に変えていき、来期の目標はこの2年の1040組前後から、1200組超えです。」
――大きな転換ですね。
星野「単価が10数万円上がっていることで、当然数億円の売上上昇になっています。ただ利益で見ると、やはり件数アップと比較すればそこまで大きくはない。昨年は業績アップによって賞与も一律年間110万円~にベースアップしていますが、社員に還元していこうとすると現状の単価だけの追求では足りなくなってきます。現状でも単価は550万円を超えている中で、さらに10万円アップするという確証もないですから。もう一つは、パートナーの変化によって、これまで当たり前だったことが当たり前にできなくなる時代になり、そうなると件数シェアを高めて取引先会場としての魅力度をこれまで以上に上げていく戦略は大切だと考えました。」
――現状の来期分のオンハンドを考慮すれば、1200組は充分現実的かと。
星野「オンハンドの推移は、プラス50件となっています。すでに1100組は見えていますので、そこにプラスアルファでどう積み上げていくか。もともと人数や単価に一定の制限を加えることによってアッパーを取ってきたわけですが、パートナーからよく言われるのは、30人~40人であっても高付加価値の素敵な結婚式を東京會舘でなら可能ではないかと。それならばここ2 年間は止めていた平日の結婚式、それも少人数帯をもう一度検討することにしました。宴会稼働率も高まっている状況で、例えば3 連休明けの月曜日、火曜日など、幹事が休日中に対応しなければならない都合によりどうしても埋まらない日程も見えてきています。それならば積極的にブロックを解除して、結婚式に対応していく。その際には通常人数帯ではなく、40名未満を視野に入れることも必要でしょう。ただ、その人数帯であっても、高付加価値の結婚式でなければ、当社、ユーザー、パートナーの魅力は高まりません。実際にこれまでの状況を見ても、30~40人の規模でも450万~500万円というケースは多いことから、それならばある程度の単価の見込める少人数を獲得していくのも一つの方法だと考えています。」
重要な列席者からの評価
――人数ではなく、単価で考慮していく形ですか。
星野「仮に20人程度でも、当社では350万円に達します。もちろん利益は通常人数帯に比較して少ないものの、仮に来期の単価を10万円上げて×1000件だとした場合、粗利を3.5掛けとすれば3500万円のプラスに過ぎない。それならば、あと150件プラスで得られる利益の方が大きいわけです。ただ、それは単純に30人からといった少人数をOKとするのか、それとも多少単価が安くても枠を空けるのかということは検討しなければならず、デザインに時間はかかります。土日祝日の通常帯で結婚式を実施している顧客との、全体的なバランスも重要。今後への危機感として、パートナー企業の人材不足も加速していて、仮に当社からの発注量が落ちた場合、いい人材を優先的に送ってもらえなくなる可能性もあるからこそ、とにかく施行組数をもっと高めなければなりません。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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