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《新春 Special Talk Room》ブライダル産業は少子化対策の担い手である(野田聖子氏×桂由美氏)
昨年10月の衆議院議員選挙で10回目の当選を果たし、岸田内閣では内閣府特命担当大臣として、日本の未来を左右するこども庁の発足に向けた重要な使命を担っている野田聖子議員。ブライダル業界としても少子化対策にどのような役割を果たせるかが問われている今、子どものための政治を信条としている野田氏から熱いメッセージが送られた。今号ではかねてから親交のある桂由美氏と、こども庁の意義や出産できる環境づくりの重要性を語り合った。
少子化は国の危機である
――岸田政権の目玉政策として、こども庁の発足があります。少子化対策に向けた国の動きが、一気に加速していくことに期待も高まります。
野田「岸田総理から、主に6つの仕事を任命されました。女性活躍、男女共同参画社会、少子化対策、こども政策、孤独・孤立対策、地方創生。内閣府特命というのは自分の役所を持たず直属の部下も持たないため、若手の登竜門であることが多く、私のような当選10回のベテランが就くのは非常に珍しいこと(笑)。岸田総理は【人に投資をする】と表明していますが、子どもに対する政策は諸外国に比べて弱いのも事実ですから、その山を乗り越えていこうという想いで若手ではなく私が担当することになりました。こうするべきという『べき論』よりも、どんどん実行していきたいと思っています」桂「こども庁では、どのような役割を担っていくのですか。」
野田「まずは来年の国会で、『こども庁』をこの国に作ることを早期に実現したいと考えています。日本は新型コロナの影響以前に、すでに右肩下がりでした。その最大の理由が、少子化による人口減少。一般的には満遍なく人口が減ってきていると誤解もされがちなのですが、現実は将来の結婚予定者が産まれてこないわけです。極端に言うと結婚した人は大量に存在していますが、これから結婚をする人がどんどん減っており、そこが“いびつ”になっている。社会保障を負担する層が現役世代であることを考えれば、若い人たちが減れば国として苦しくなっていくのは当然の話。『コロナを乗り越えれば・・・』という話も聞かれますが、実はそれだけではないのです。将来の日本を支える人たちの減少は本当に深刻な危機で、そこをきちんと議論していくためにも、こども庁がきっかけとなるはずです。」
桂「少子化はこれまでも大きな課題だったわけですが、ようやく具体的に進むわけですね。」
野田「子どものことに関しては“タブー”になりがちで、産む、産まないは個人の自由だからとこれまで多くの人が口にチャックをしていた状態でした。特に政治の世界では男性が多いことから、産まない人が命令するなというような見られ方もあります。もちろん産みたくない人に産ませる時代はとっくに終わっているのですが、問題は産みたいのに産めない環境。そこをどうにかしましょうと。私自身も50歳の時に出産をしましたから、子どもを産むのはたやすいことではないことも十分に分かっています。今こそ子どもにスポットを当てて、産んでも心配ないという環境を作らなければ、日本の経済・安全保障に影響が生じ、引いては国の存続にまで関わってきます。」
桂「そのために、こども庁ではどういったことを実行しようと考えていますか。」
野田「『子は国の宝』と言いながら、政治の中ではまだまだ宝になっていないのも事実。子どもにスポットを当てて、弱き者ほど幸せになれる国の価値を多くの人に気づいてもらうのが私の使命です。例えば、私は消費者庁を作ったわけですが、それ以前の日本では【消費者】という認識自体が薄かった。消費者庁が発足し、司令塔になって様々な法律を作るようになると、否が応でも多くの人が【消費者】を意識するようになりました。こども庁にも、同じような役割があると考えています。今までないがしろにされてきた子どもたちに、様々なサポートを通じて幸せを感じてもらう。そうすれば多くの人にも子どもの幸せを意識してもらえることになり、結果として大きな社会変容を起こせるでしょう。」
夫婦別姓は結婚にも影響
野田「また、赤ちゃんが産まれるには、最終的に女性の産む・産まないという意志が必要です。女性たちが様々な苦労を考えても、やっぱり産みたいというような流れもこども庁が作っていきます。つまり、国が子どもを守ることによって、子どもを産んでも大丈夫だよという安心を提供していく。現状は国にそうした責任者がいませんし、子どもに対する予算もヨーロッパ諸国に比べて半分程度。抜本的な対策が急務と言えます。」
桂「ブライダル業界としても、積極的に対応していくことが必要かもしれませんね。」
野田「子どもを作る前提として、日本の場合はやはり結婚があります。ブライダル業界の中に、『こども庁は関係ない』と思う人もいるかもしれませんが、実際は関係ありあり(笑)。子供を産むために入籍をするというのが1 つの通過儀礼になっていますので。安心して子どもを産んでもらうためには、同時に結婚も促していかなくてはならない。また結婚の形に関しても、例えば夫婦別姓が負担になってしまっているのならばどうすべきかを話し合っていくことが必要です。実際に約1 割が苗字を変えたくないという理由から結婚をしないという事実があり、それならば夫婦別姓という選択肢を設けることで、その1 割が結婚を考えてくれます。このようにありとあらゆることを若い人たちのために実行して、結婚へのアプローチを整えていきます。結婚式に関しても、思い出を作るための大切な儀式ですし、その点ではこども庁としても少子化対策の道のりの一つとして位置づけられるでしょう。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)

