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《人材不足 解決の一手④》新卒採用は未来への投資【テイクアンドギヴ・ニーズ 人事部長 酒井雅弘氏】
2022年7月から、テイクアンドギヴ・ニーズ(以下T&G /東京都品川区)で人事部長を務めている酒井雅弘氏。現在新卒採用において様々なテコ入れを図っており、その成果も着実に出始めている。どのような取り組みを進めているのか、話を聞いた。
欲しい人材の割合を明確化
――新卒採用の課題などは。
酒井「売り手市場の加速もあってか、比較的志望度の薄い学生も一定いるように感じます。私自身人事に異動してから新たに取り組んだのが、数年後どのポジションで活躍できる人が何人ずつ欲しいのか、採用の割合を明確にしました。現場スペシャリストとして質の高いパーティーを創る人も必要ですし、拠点も多いのでその分のMGR候補、また本社機能で活躍する人材など。総合職の中で80人必要なのであれば、それぞれ何名ほど採っていきたいのか、そこから見直しを図りました。」
――必要に応じて『リクルーター面談』を実施しています。
酒井「当社の企業理念、実際の業務内容など、理解を深めるためのものです。結婚式=華やかな世界というイメージだけでなく、その1 日を創りあげるために具体的にどんな仕事をしているのか、T&Gだからこそのやりがいなど、現役プランナーをアサインし、質問に受け答えする機会を設けています。もっとも、選考が長くなれば相関的に辞退率は上がりますから、スケジュールの調整など時間をかけて実施するリクルーター面談は本当に必要なのか、見極めも重要です。そのため、人事の新卒担当者は必ず面接時にアテンドにつくようにしており、面接後の感想をヒアリングするほか、前回から成長が見られるかなどもチェック。その上で、リクルーター面談を入れるべきかをきちんとジャッジしています。」
――内製化しているフラワーや、ドレスコーディネーターの採用にも注力しています。
酒井「ブライダルのフラワーはニッチな世界ということもあって、中途採用の難しさを感じていました。教育体制もしっかり整っていますから、それであれば新卒採用により注力しようと。これまでフラワー部門の新卒は20人程度の採用でしたが、25年度は約35人が入社予定です。花だけでなくドレスも同様で、特に専門学校生に向けては入学後すぐのアプローチが重要との考え。ウエディング=プランナーのイメージはどうしても強いですから、専門学校を訪問し、1 年生の早い段階で特別授業や説明会をさせてもらうなどの取り組みも強化。花と衣裳の魅力を早めに伝え、その職種も念頭に入れてもらうようアプローチしています。」
――調理人材も専門学校とのパイプが重要かと。
酒井「調理師学校の立場で婚礼企業と有名ホテルへの就職を天秤にかけた際、入学検討中の高校生に訴求する面でも、ホテルの方が有利というのは分からない話ではありません。これまではオンライン説明会などに注力していましたが、昨年から関東と関西で実際に会場を見てもらう機会を作るようにしました。その中で若手の1 年目が作ったデセールなどを食べてもらって、『T&Gに入れば1 年間でここまで成長できますよ』と、具体的なイメージを持ってもらえるようにしています。調理師学校の中には『1 社ずつ選考を進めるように』と単願の指示を出す学校も一部見られます。そこで、24年度新卒からは調理においても媒体を使った採用に挑戦。初めての試みでしたが40名程度を採用できましたし、学校経由は40%程度になるなど、いいバランスを取れたのではと感じています。今後も調理は両軸での対応を進めます。」
――今後の展開は。
酒井「25年度も200名程度の新卒入社を予定しており、中途に関しては経験者に絞って採用活動中。業界内転職は全体的に減ってきていますから、新卒は未来への投資と考え、カルチャーフィットする人材をイチから育てていくことが重要でしょう。2028年には3 軒のホテル開業も決定していますから、バイリンガル人材などにもアプローチが必要。今後は留学経験者のみ登録できる媒体への出稿など、ホテル事業における母集団形成にもより注力していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)

