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[新春 Special Interview]成功事例にとらわれないで声に耳を傾ける【アルカンシエル 代表取締役社長 前田昇作氏】

[新春 Special Interview]成功事例にとらわれないで声に耳を傾ける【アルカンシエル 代表取締役社長 前田昇作氏】

 この3年間、減収減益で苦戦してきたアルカンシエル(本店、名古屋市西区)が、ようやく集客、成約ベースで回復傾向を見せている。来期(2020年度)は、損益計算書上でも営業黒字を見込んでいる。立て直しの陣頭指揮をとってきたのが、3年前に社長に就任した前田昇作氏。旧態依然のやり方を脱し、その改革が実を結んできている。

――2016年にアルカンシエルの社長に就任しましたが、それまでの経歴を教えてください
前田「大学卒業後、名古屋の地銀に就職しました。もともと車が好きだったことから、オートバックスセブンに転職し、経理畑を歩んできました。オートバックスの岐阜のFC法人が上場を計画していたため、その準備のために管理担当として転籍。当時、その会社はオートバックスとブライダル事業の二本立てであり、このブライダル事業がアルカンシエルです。その後、神奈川のFCであったアイエーグループと合併。アイエーグループ本体の経理財務部門を務め、2016年4 月にアルカンシエルの社長に就任しました。」
――2016年と言えば、アルカンシエルが100億円から徐々に落ち込んできた時期に重なります。その要因を、どのように分析していますか。
前田「マーケットが縮小している一方、競争が激化していた時期に、旧態依然の販促をやってきたことで遅れを取ったと考えています。それ以前は、情報誌に毎月広告を出していれば一定数の集客ができていましたし、来てくれた顧客に満足を提供していれば充分との考え方でした。この考えが払拭し切れず、いつしか遅れを取ってしまい、集客が次第に落ちていきました。昨年春以降、販促に関しては情報誌だけでなく、エージェントも含めて対応するなど見直しを図っています。また、いいものを売っていれば割引きをしなくて大丈夫という考えでしたが、それではやはり厳しい。ただし、割引額を増やせば売上、利益に影響してきます。そこで、商品アイテムの価格について競合他社を視野に入れながら見直し、可能な範囲で割引きも始めました。結果として組単価はそれほど変わらずに推移しています。価格の見直しで成約しやすくなったのは事実で、来館者数、成約者数共にようやく回復傾向にあります。」
――業績が厳しくなった要因として、同時期にオープンした山、金沢が重荷になったのではとの見方はいかがですか。
前田「青山は初の東京の店舗であり3 バンケットで展開していますが、実は事業計画策定段階で意見が分かれていました。2 バンケで余裕を持たせた方がいいのではという意見もありました。ただ、青山だからワンバケットあたり200組は取れるという判断で、結果3 バンケットとなりました。青山は確かにマーケットは大きいですが、同時に式場数も多いわけで、まさにレッドオーシャン。その点、思惑通りにいきませんでした。」
前田「金沢は2 バンケットで、初のビルインタイプです。当社はそれまで大都市圏で展開してきましたが、例えば情報誌で広告を展開してもなかなか響かない。競合他社はテレビCMなどを打ち知名度を獲得している中で、販促手法に関して試行錯誤が続きました。またオープン当時、ちょうど北陸新幹線が開通したことから、ホテルなどに人が流れて、サービス人員の募集にも非常に苦労しました。関西、中部から転勤で対応せざるを得ないという状況でした。ただ、3年が経過し、口コミサイトでも上位になるなど知名度も評価も高まっていますので、これからが勝負だと考えています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)