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キーマンに聞く

:連載90:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.27「『フリーランス保護法』の施行令等が発表!」 ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載90:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.27「『フリーランス保護法』の施行令等が発表!」 ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

今回は今年最大の法律ニュースでありブライダル業界内での取引に大きな影響を及ぼすこと必至の『フリーランス保護法』に関する最新情報をQ&A形式でまとめます。

Q 1  改めて『フリーランス保護法』とはどのような法律ですか?

A 1  特定の企業に雇用されない形で働くフリーランスが働きやすい環境を創ることを目的に、令和5 年に成立し、今年の11月1 日から施行される新しい法律です。

Q 2  最近、日産自動車等が違反をしたとしてニュースになっている『下請法』とはどのような違いがあるのですか?

A 2  『下請法』も下請けの立場にある企業や個人が働きやすい環境を創ることを目的とした法律で内容も似ているのですが、適用されるのは特定の取引類型に限られ、また発注側の資本金が一定以上であることが要件となっています。これに対して『フリーランス保護法』は、発注側の資本金の額に関わらず「個人事業主」または「ひとり社長の会社」(代表者以外に役員や従業員がいない株式会社等)に対して発注する取引が一部例外を除き広く対象となるため、対象範囲が一気に拡大します。

Q 3  ブライダル事業者はどんな備えが必要になりますか?

A 3  以下の3 点の備えが必要になると考えます。

第1 に、自らに適用があるのかを把握することです。自らの日々の取引の中に『フリーランス保護法』が適用される発注行為があるのか、または将来予定されているのか否かの把握が、まず必要となります。

第2 に、適正な発注方法が確立されているかを確認することです。『フリーランス保護法』では、フリーランスに対して口頭や簡易なLINEメッセージ等のみで発注することは不可とされ、5 月31日に発表されたばかりの施行令等に規定された要件を満たした契約書等によって契約条件を明示した上で発注することが義務付けられます。そうした備えがない事業者は、11月1 日までに自らの事業に即した契約書面等を整える必要があります。

第3 に、『フリーランス保護法』上の義務を履行する体制を構築することです。フリーランスの取引先との間で新たに契約書を取り交わすにしても、紙面でのやりとりだと内容によっては「1 通4 千円」という高額な印紙税負担が生じてきますので、これを機に電子署名を導入することが考えられます。また、発注行為を担当する部署やスタッフに対して『フリーランス保護法』で禁止される行為等についてのレクチャーをしたり、発注先のフリーランスに対するハラスメント発生を予防するための外部窓口を用意したり、と所要の体制を検討し、構築しておく必要があります。

Q 4  率直に言って『フリーランス保護法』は発注者に負担を押し付けるものではないですか?

A 4  正直なところ「会場」や「司会・撮影等の事務所」にとっては義務ばかり増えるだけの法律で負担感をお感じになると思いますし、その気持ちはよく分かります。

ただ、望むと望まざるとに関わらず、11月1 日以降は『フリーランス保護法』に基づきフリーランスが働きやすい環境を構築することが世の中のスタンダードになるという事実を、受け入れる必要があると考えます。

もしブライダル業界の対策が他の業界より遅れてしまうと、世の中から「不健全な業界だ」とみなされ、有能でチャレンジ精神のあるフリーランスが集まらなくなってしまうでしょうし、そうなれば業界全体の地盤が沈下していってしまいます。

「義務ばかり増える」とネガティブに捉えずに「業界健全化のよき機会」と捉えて11月1 日に向けて準備を進めるべきですし、BRIGHTの総力をあげて協力を惜しまない覚悟です。この法律の施行を機に、有能なフリーランスの皆さんが働きやすい業界環境を一緒に創っていきませんか?

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)