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連載6《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》結婚式の現場にはもっとやれることがたくさんある(ゲスト:ブラス 代表取締役社長 河合達明氏)

連載6《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》結婚式の現場にはもっとやれることがたくさんある(ゲスト:ブラス 代表取締役社長 河合達明氏)

 テイクアンドギヴ・ニーズ(東京都品川区)岩瀬賢治社長による連載企画「ブライダル経営者サロン」。新春特大号の特別企画として、ブラス(名古屋市中村区)河合達明社長との豪華対談が実現した。いずれも1998年設立、歩んできた道は違えど23年にわたって「より良い結婚式」を追求し、ブライダル業界に新風を巻き起こしてきた両社。それぞれのトップが「結婚式の本質」と「組織の在り方」、「コロナ禍の経営」を熱く語り合った。

両社ともに1998年設立

――河合社長は司会者として、岩瀬社長はホテルマンとして、奇しくも同時期に名古屋で仕事をしていました。

河合「岩瀬さんが勤めていたホテルには、私も司会の仕事で何度も行きましたよ。」

岩瀬「もしかしたら当時お会いしていたかもしれませんね。」

河合「20代の時にある友人の結婚式で司会を務めたことをきっかけに、あちこちの結婚式から声がかかるようになり、プロの司会事務所に所属しました。こんなに喜ばれるならもっと挑戦してみたいと独立・起業したのが1998年。テイクアンドギヴ・ニーズさんと同じ年ですよね。」

岩瀬「良くご存知ですね!」

河合「御社や当社だけでなく、国内の主力ウエディング企業の多くがこの時期に創業したのは、新郎新婦の要望があったからに他ならないと思います。この創業ラッシュの少し前にレストランウエディングが登場し、決して設備が結婚式向けに作られているわけではないのに、全国で一大ムーブメントを巻き起こしていました。」

岩瀬「私は当時、ホテルマンとして結婚式に関わっていましたが、実は自分自身の結婚式はレストランで行ったんです。当時の結婚式はホテル宴会場で行うのが定番で、もちろん、ホテルとして良い結婚式を提供しようとする努力はしていましたが、パターン化されたもの・画一的なものからなかなか脱却できていませんでした。レストランウエディングは、分かりやすくハードが変わったことで自由度や表現力も高まり、新郎新婦に評価されたのだと思います。」

河合「レストランの設備上の課題を解決しようと結婚式向けのハードを整えたのがハウスウエディングの発祥。ハウスウエディングは、まさに新郎新婦が望んで誕生したものと言えます。」

 

結婚式は「うまくいかない」もの⁉

――ハウスウエディングの魅力は、ハードだけでなく「二人らしさ」、「オリジナリティ」を実現できることもあるのではないでしょうか。

河合「私は司会者として現場に立ちながら感じていたことが、今でも事業の原点にあります。オリジナリティや二人らしさを追求する以前に、結婚式の現場にはもっとやれることが山のようにあると思いましたし、今でも思い続けています。」

岩瀬「結婚式の本質は、結婚したい新郎新婦とその二人をお祝いしたい人たちが一つの場所に集まって何かをする、ということに尽きます。結婚式に対して明確な意志や希望がある人もいれば、そこまで強いこだわりを持っていない人もいます。どちらの人に対しても、結婚式と披露宴の4 時間ほどの時間を、どのようにしてより良く過ごしてもらうかが私たちに課されている使命だと思います。」

河合「結婚式というイベントは、根本的に上手くいかないようにできている問題を抱えています。まず、基本的に結婚式は人生で一度しか実施しないので、経験を踏まえた比較検討や評価がしにくい。列席者としての参列経験はあっても、特に女性は友人と同じ会場を避ける傾向にありますから。そして、これが一番重要ですが、新郎新婦は人生で初めて、結婚式という数百万円の費用をかけたイベントをいきなり主催するわけです。そんな大掛かりなイベントを主催した経験がある人は、よほどのイベントプランナーでない限りはほとんど居ません。さらに言えば、結婚式当日、新郎新婦は『主役』に徹しなければならず、イベントの進行を誰かに委ねなければなりません。では、それを誰が担うのか?かつて、私が司会者として現場に立っていた当時は、披露宴の最前線において司会者だけが新郎新婦のことを良く理解している立場にいました。その当時の経験が『結婚式の現場にはもっとやれることがある』という原動力になっています。今はウエディングプランナーがその役割を担っていて、テイクアンドギヴ・ニーズさんはウエディングプランナーという仕事を世界に知らしめた功績者だと思います。」

 

――お二人は、ウエディングプランナーをどういう位置づけで捉えているのでしょうか。

河合「新郎新婦になり替わって幹事役を担うことがプランナーの本質だと考えます。新郎新婦が結婚式当日に主催者と主役の2役を同時に務めることは難しいですから、新郎新婦に一番近い立場であるプランナーが幹事役として適任なのです。では、なり代わるにはどうすれば良いかというと、信頼を得ること、『任せます』と言ってもらえることが一番大切です。優れたプランニングやアイデア云々の前に、まずは信頼を得ることがより良い結婚式を創るための第一歩だと思います。」

岩瀬「幹事になる、という表現は良いですね。私は、新郎新婦にとってプラスになることを見つけることがプランナーの役割であると考えます。長い打合せ期間の中で、当社のプランナーは新郎新婦の家族や会社、友人のことを本人たちにかなり細かくヒアリングします。それは、招待するゲストとの思い出を紐解くと同時に、それぞれの人を招待する意味、さらに言えば結婚式を挙げる意味を改めて再確認する機会にもなります。ここにプランナーという第三者が加わることで新たな気付きがあるかもしれませんし、より良い結婚式を創るためのヒント、または結婚式の後により良い生活を送るためのヒントを見つけられるかもしれません。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1、11日号)