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連載6《今さら聞けないChatGPT講座》資料づくりで“考える時間”を提案に変える【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

連載6《今さら聞けないChatGPT講座》資料づくりで“考える時間”を提案に変える【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

 「ブライダルフェアを企画したい」、「今月のイベント案内を出したい」。そんなときに最初に立ちはだかるのは、アイデアではなく、どう書き始めればいいのか……という“白紙のプレッシャー”かもしれません。結婚式場では、LINEやInstagram、メール、Webなど、媒体ごとに表現やトーンを変えて書き分ける必要があります。また、上司に出す企画書や提案書も、構成が浮かばなかったり、表現がワンパターンになったりと、「文章化すること」が壁になってしまうことも多いのではないでしょうか。
 こうした“言葉にする負担”を、ChatGPTは驚くほど軽くしてくれます。ChatGPTは、「誰に、何を、どう伝えたいか」という意図を入力すれば、それを自然な文章に整えてくれるAI。特に「ゼロから書き始めるのが苦手」、「複数媒体に応じた言い回しを考えるのが手間」という人には、まさに強い味方です。
 たとえば、20代の新婦向けに「ペットと一緒に撮影できる前撮りフェア」の企画書を作りたいとき。ターゲット・目的・演出内容・式場の強みなどを箇条書きで伝えるだけで、それをもとに構成された企画書のたたき台を作成してくれます。「上司向けに説得力を強くして」、「プレゼン資料用に要点を絞って」というように、相手や用途に応じた調整も可能で、様々なリクエストにスピーディーに対応してくれます。
 また、「3月限定の衣装試着フェア案内について、LINE(220文字)、メール(ややフォーマル)、Instagram(カジュアル)で作成して」といったリクエストにも対応可能。同じ内容でも、媒体ごとのトーンや文字数に合わせて“言い換え”をしてくれるため、伝わり方の質は自分で考えるよりも格段に上がります。
 さらに便利なのが、「去年の案内文を今年らしくリフレッシュしたい」といったケース。過去の文と新しいテーマを入力すれば、表現や語尾を変えた“今年らしいバリエーション”を複数案提案してくれます。これにより、チームで比較・選定することもでき、表現の幅出しやリライト作業の時短にもつながります。
 重要なのは、「人が方向性を示し、AIが言葉にしてくれる」という関係性です。何もないところから文章を生み出すのは難しくても、ChatGPTが下地を作ってくれれば、それを活用して肉付けや調整もしやすくなります。「まずAIに言語化してもらい、そこから整えていく」という発想を持つことによって、企画や広報の現場のスピードと創造性を支えてくれるのです。
 どれだけ素晴らしいアイデアがあっても、相手に伝わらなければ意味がありません。ChatGPTは、その「伝える力」を補ってくれる心強いアシスタント。イベントの魅力を伝える言葉、背景を納得させる構成、そして媒体ごとの表現の工夫̶̶それらを“ゼロから悩まずに”形にしていける時代が、すでに始まっています。「文章を作るのが苦手」でも、もう大丈夫。ChatGPTが、あなたのひらめきに“言葉”を与えてくれます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月21日号)